2009.09.18 Fri - 11.28 Sat at ABNORMAL MUSEUM
2009年9月18日(金)〜2009年11月28日(土)
東京「風俗資料館」にて開催
刺青画で知られ、国際的にも「緊縛世界の北斎・歌麿」と絶大な支持を得る画家・小妻容子が密かに描き溜めた豊満女性画。その貴重な原画と未公開だった原画の一部が風俗資料館でのみ展示されることに。その絵はなぜ生まれ、人知れず注がれる愛をどのように受け続けてきたのか。著名な画家の内面に肉迫する、スリリングでロマンティックな時間が期待できそうです。
■所蔵原画セレクション 第四回
2009年9月18日(金)〜11月28日(土)の期間、風俗資料館内にて小妻容子氏の限定画集『豊艶の濫り』(*1)の原画の一部、および初公開のデッサン画を展示いたします。
小妻氏は本業の日本画家として別画号で活躍される傍ら、1970年代初頭より数々のSM雑誌の表紙や口絵、そして小説挿絵を描き続け、今なお多くのファンを魅了しつづける稀代の責め絵師です。
今回展示する作品は、そんな小妻氏が何十年もの間、誰にも見せず、どこにも発表せず、自らのためだけに密かに描き続けてきた門外不出の作品群です。極限まで盛り上がった巨大な肉の迫力。どっしりとした重みが伝わる逞しいお尻と、縄に絞られて薄青い血管が浮き出した真っ白な乳房。肉の中にうずもれた柔らかな皺。この世のものとは思われぬほどにデフォルメされた肉体から匂い立つ、何とも言えないいじらしさ……。刺青緊縛美人画で有名な小妻氏の意外な一面に驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし懐かしい喜びに胸が締めつけられる方も多いのではないでしょうか。
もう四十年以上も昔、「奇譚クラブ」1965年9月号に、まだ二十代の青年だった小妻氏が一マニアとして初めて投稿した告白文が掲載されました。「黒いコートの記憶から」と題された記事に添えられた小さなカット。それはまさに、こぼれ落ちそうな肉を縄で激しく縛められた豊満女性の姿でした。自分自身のためだけに、ただ描きたい一心で描いた作品は、今なお私に強い感動を与えてくれます。
「奇譚クラブ」後期の常連寄稿家であった小妻氏の描く豊満女性の恥じらいの姿は、誌上で異彩を放ちました。しかしその後、小妻氏が発表される膨大な責め絵から豊満女性の姿は影をひそめました。そして人知れず、小妻氏のアトリエの中だけで、小妻氏一人だけのために、大切に愛しむように描かれてきたのです。
日本画家である小妻氏にとって「小妻容子」は裏の顔です。しかし、この豊満美女の緊縛画は小妻容子の名をもってさえ発表されなかった秘画中の秘画なのです。
完成画の凄まじい迫力はもちろんのこと、本展示で是非ご覧いただきたいのがデッサン画(*2)です。自らの衝動と制作過程を丸ごとさらけ出すデッサン画は『豊艶の濫り』には一切収録されておりません。
そもそも小妻氏がデッサンを公開するのは今回が初めてのことになります。小妻氏から「風俗資料館の中だけでなら」と特別に展示を許可していただいたデッサン画には、描きたいから描く、その一瞬の二度と再現できない迫力と、妖しいまでのニュアンスに満ちています。今の今、描きたくてたまらない衝動がそのまま表現されたような力強い線。表現する悦びに満ちた一筆一筆の躍動感。むくむくと動き出しそうな巨大なお尻の洪水……。
私達は皆どうしようもない秘密を共有しているのだと実感せずにはいられません。この秘画に込められた小妻氏の思いを直に感じていただける方だけに、ひっそりとご鑑賞いただきたく思います。
(*1)――限定豪華画集『小妻容子秘画帖 豊艶の濫り』は風俗資料館にてご購入いただけます。ご購入のみのご来館も可能です。遠方の方は通信販売も受け付けております。詳しくは以下のページをご覧ください。
http://pl-fs.kir.jp/pc/book/ozuma/houen/index.htm
(*2)――膨大なデッサン画の極々一部を小妻氏より寄贈していただきました。ただし上記ご説明いたしましたように、デッサン画は風俗資料館の扉の中だけでの公開となります。当館サイトは勿論のこと、ご案内の配布物や、他サイト・雑誌での告知でも、デッサン画の画像は一切ご紹介いたしません。ご了承おきください。
(※)――本展期間中、展示作品以外の画集収録作品の原画13点もお預かりしております。鑑賞を希望される方はお申し出ください。
所蔵原画セレクション 第四回
『小妻容子秘画帖〜豊艶の濫り〜』
2009年9月18日(金)〜2009年11月28日(土)
風俗資料館にて開催中
入場料=無料
※本展示は、正会員・準会員・研究者会員およびビジター・夜の図書館にてご入館いただいた方のみがご鑑賞いただけます。
■風俗資料館内特別展示とは――
風俗資料館では書籍や映像作品のほかに、多くの作家達が描いた膨大な原画コレクションや貴重な写真資料(その他、自筆の書簡など、作家ゆかりの品々)を所蔵しています。普段は閉架書庫に収められ、会員も目にする機会の少ないこれら秘蔵資料を、二か月ごとにテーマを変えて館内で公開しております。 期間中は、一つのテーマに沿ってセレクトされた様々な資料が展示ウォールを中心にあらゆる場所に配置され、風俗資料館内を彩ります。展示は通常の図書館と併設しておこないます。ここでしか見ることのできない貴重な作品に囲まれて、ゆっくりと蔵書を閲覧する贅沢な時間をお楽しみください。
ご入館について
風俗資料館内特別展示は別途入場料は必要ありません。ただし、本展示はこれまで数回開催いたしました「会員以外の方も入ることのできる展覧会」ではありません。正会員・準会員・研究者会員・ビジター・夜の図書館といった通常のご入館方法で来館された方のみが、蔵書の閲覧を楽しみつつ、ご鑑賞いただけるものです。会員以外で鑑賞を希望される方は「ビジター」や「夜の図書館」もどうぞ便利にご利用ください。閉架書庫の中で貴重な資料を死蔵させることなく、今の時代に一人静かに本と向き合い空想の世界に浸る時間を大切にされている皆様とともに、本物の作品に触れる喜びと感動を共有いたしたく思います。展示作品の当時を知る方も、初めて見るお若い方も、それぞれに心の奥底の記憶を呼び覚まし、新鮮な衝撃や感動、そして懐かしい安らぎを実感していただければと思います。
風俗資料館の開館時間
10:00〜18:00/休館日=木曜日、日曜日
※金曜日は21:00まで
※水曜日の19:00〜21:00までは女性限定「夜の図書館」
正会員・準会員・ビジター・夜の図書館・研究者会員の詳細は以下URLをご確認ください。
http://pl-fs.kir.jp/pc/intro/admission.htm
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『小妻容子秘画帖 豊艶の濫り(大洋図書)』著者=小妻容子
2009年9月18日(金)〜11月28日(土)の期間、風俗資料館内にて小妻容子氏の限定画集『豊艶の濫り』(*1)の原画の一部、および初公開のデッサン画を展示いたします。
小妻氏は本業の日本画家として別画号で活躍される傍ら、1970年代初頭より数々のSM雑誌の表紙や口絵、そして小説挿絵を描き続け、今なお多くのファンを魅了しつづける稀代の責め絵師です。
今回展示する作品は、そんな小妻氏が何十年もの間、誰にも見せず、どこにも発表せず、自らのためだけに密かに描き続けてきた門外不出の作品群です。極限まで盛り上がった巨大な肉の迫力。どっしりとした重みが伝わる逞しいお尻と、縄に絞られて薄青い血管が浮き出した真っ白な乳房。肉の中にうずもれた柔らかな皺。この世のものとは思われぬほどにデフォルメされた肉体から匂い立つ、何とも言えないいじらしさ……。刺青緊縛美人画で有名な小妻氏の意外な一面に驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし懐かしい喜びに胸が締めつけられる方も多いのではないでしょうか。
もう四十年以上も昔、「奇譚クラブ」1965年9月号に、まだ二十代の青年だった小妻氏が一マニアとして初めて投稿した告白文が掲載されました。「黒いコートの記憶から」と題された記事に添えられた小さなカット。それはまさに、こぼれ落ちそうな肉を縄で激しく縛められた豊満女性の姿でした。自分自身のためだけに、ただ描きたい一心で描いた作品は、今なお私に強い感動を与えてくれます。
「奇譚クラブ」後期の常連寄稿家であった小妻氏の描く豊満女性の恥じらいの姿は、誌上で異彩を放ちました。しかしその後、小妻氏が発表される膨大な責め絵から豊満女性の姿は影をひそめました。そして人知れず、小妻氏のアトリエの中だけで、小妻氏一人だけのために、大切に愛しむように描かれてきたのです。
日本画家である小妻氏にとって「小妻容子」は裏の顔です。しかし、この豊満美女の緊縛画は小妻容子の名をもってさえ発表されなかった秘画中の秘画なのです。
完成画の凄まじい迫力はもちろんのこと、本展示で是非ご覧いただきたいのがデッサン画(*2)です。自らの衝動と制作過程を丸ごとさらけ出すデッサン画は『豊艶の濫り』には一切収録されておりません。
そもそも小妻氏がデッサンを公開するのは今回が初めてのことになります。小妻氏から「風俗資料館の中だけでなら」と特別に展示を許可していただいたデッサン画には、描きたいから描く、その一瞬の二度と再現できない迫力と、妖しいまでのニュアンスに満ちています。今の今、描きたくてたまらない衝動がそのまま表現されたような力強い線。表現する悦びに満ちた一筆一筆の躍動感。むくむくと動き出しそうな巨大なお尻の洪水……。
私達は皆どうしようもない秘密を共有しているのだと実感せずにはいられません。この秘画に込められた小妻氏の思いを直に感じていただける方だけに、ひっそりとご鑑賞いただきたく思います。
風俗資料館
(*1)――限定豪華画集『小妻容子秘画帖 豊艶の濫り』は風俗資料館にてご購入いただけます。ご購入のみのご来館も可能です。遠方の方は通信販売も受け付けております。詳しくは以下のページをご覧ください。
http://pl-fs.kir.jp/pc/book/ozuma/houen/index.htm
(*2)――膨大なデッサン画の極々一部を小妻氏より寄贈していただきました。ただし上記ご説明いたしましたように、デッサン画は風俗資料館の扉の中だけでの公開となります。当館サイトは勿論のこと、ご案内の配布物や、他サイト・雑誌での告知でも、デッサン画の画像は一切ご紹介いたしません。ご了承おきください。
(※)――本展期間中、展示作品以外の画集収録作品の原画13点もお預かりしております。鑑賞を希望される方はお申し出ください。
所蔵原画セレクション 第四回
『小妻容子秘画帖〜豊艶の濫り〜』
2009年9月18日(金)〜2009年11月28日(土)
風俗資料館にて開催中
入場料=無料
※本展示は、正会員・準会員・研究者会員およびビジター・夜の図書館にてご入館いただいた方のみがご鑑賞いただけます。
■風俗資料館内特別展示とは――
風俗資料館では書籍や映像作品のほかに、多くの作家達が描いた膨大な原画コレクションや貴重な写真資料(その他、自筆の書簡など、作家ゆかりの品々)を所蔵しています。普段は閉架書庫に収められ、会員も目にする機会の少ないこれら秘蔵資料を、二か月ごとにテーマを変えて館内で公開しております。 期間中は、一つのテーマに沿ってセレクトされた様々な資料が展示ウォールを中心にあらゆる場所に配置され、風俗資料館内を彩ります。展示は通常の図書館と併設しておこないます。ここでしか見ることのできない貴重な作品に囲まれて、ゆっくりと蔵書を閲覧する贅沢な時間をお楽しみください。
ご入館について
風俗資料館内特別展示は別途入場料は必要ありません。ただし、本展示はこれまで数回開催いたしました「会員以外の方も入ることのできる展覧会」ではありません。正会員・準会員・研究者会員・ビジター・夜の図書館といった通常のご入館方法で来館された方のみが、蔵書の閲覧を楽しみつつ、ご鑑賞いただけるものです。会員以外で鑑賞を希望される方は「ビジター」や「夜の図書館」もどうぞ便利にご利用ください。閉架書庫の中で貴重な資料を死蔵させることなく、今の時代に一人静かに本と向き合い空想の世界に浸る時間を大切にされている皆様とともに、本物の作品に触れる喜びと感動を共有いたしたく思います。展示作品の当時を知る方も、初めて見るお若い方も、それぞれに心の奥底の記憶を呼び覚まし、新鮮な衝撃や感動、そして懐かしい安らぎを実感していただければと思います。
風俗資料館の開館時間
10:00〜18:00/休館日=木曜日、日曜日
※金曜日は21:00まで
※水曜日の19:00〜21:00までは女性限定「夜の図書館」
正会員・準会員・ビジター・夜の図書館・研究者会員の詳細は以下URLをご確認ください。
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09.09.18更新 |
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