2008.6.21.Sat at ever aoyama the Night of“Boots”Domination 「Domina-Trix 3rd」 レポート!!
取材・文=早川 舞 (C)copyright 2008「Domina-trix 3rd」all right reserved. |
正直、M男をちょっと見直した一夜でした。
それまでの私のM男のイメージと言えば、内気で陰気で恨みがましくデブでその上ハゲもいて、女王様が望みを聞いてくれないとすぐ2ちゃんに書き込みをして、ハードプレイ希望なんですとか言いながら鞭一発でひぃひぃ言い出して、「やっぱり快楽責めでお願いします」なんてことを、目に染みるような口臭を撒き散らすしまりのない口で抜かしやがる、史上最低な生き物だと思っていました。
嘘です。そこまで絶望してません。っていうか幸い、そんな人にはそうそう会っていません。M男の皆さんの名誉のために撤回しとく。
とは言うものの、少なくとも内気な人種だとは思ってました。まぁ、積極的で社交的で知らない人ともすぐに打ち解けられ、気がつくといつも人の輪の中心にいる、笑顔の眩しいM男とかも微妙ですが(いたらすいません)。
ともあれ、そんな内気なM男の皆さんの底力を見せていただいた感のある今回の「Domina-trix」。クラブイベント形式では非常に珍しい、参加者の枠をS女性とM男性のみに括ったイベントです。こちら、去る6月21日(土)に第3回目が開催されました。
第2回は所用で足を運べなかったものの、第1回目に取材を兼ねて参加したときには感動したものです。何しろ男はどこを見回しても基本、M男なわけですから、もう、前後左右下3Dで(一応、上はない)、サラウンドでやりたい放題なわけですよ。これは相当気持ちいい。「酒!」ハイ! 「マッサージ!」ハイ! 「玉蹴り!」ハイ! ウギャァッ! みたいな感じです。
個人的には相当楽しかったのですが、インタビューさせていただいた主催者のRINKO女王様は、「M男がみんな内気で、壁の花になってしまっている(花っていうかカビですよ。なんかヤツらじめじめしてるし←早川ツッコミ)ので、次回以降はこれを何とかしたい」と語っておられ、足を運べなかった第2回も、この懸念がどのような形で解消されているのか、気になっていたところではありました。
そんなこんなで迎えた第3回。ただでさえ楽しみなのに、なんと今回はDomina-Trixミストレスとして参加しませんか? とのお声をかけていただきました。Domina-Trixミストレスとは言わば会場のホスト役。S願望はあるのにどうしたらいいのかわからない素人S女性や、来たはいいけど戸惑いっぱなしのM男性をけしかけて、お尻に火をつける役です。いや、嘘です。まぁまんざら間違っていなくもないけど、要するに場を盛り上げる役です。
また、今回のテーマはブーツ・ナイト。Domina-Trixミストレスは全員ブーツ着用で、とのことだったので、私はお気に入りの、バックルが裏にズラリと並んだニーハイブーツを履いていきました。もちろんピンヒール、ロープラットフォームなので、万が一M男の口に突っ込みたくなる衝動に駆られたときも安心です。実際3回ぐらい突っ込みました。
また、それとは別にお楽しみ企画として「女主人のためのslave auction」も開催。そう、憧れの奴隷市場です。もちろんここは21世紀の民主主義国家ですから、そうそう人身売買なんてできませんので、架空の紙幣を使ったお遊び企画。とは言え、S心、M心を共に刺激するイベントであったことは間違いなく、異様な熱気が場内を包み込んでいました。
と、興奮冷めやらず、ものすごい勢いで前説してしまいましたが、そろそろここらでお行儀よく?
順を追って説明してまいりましょう。はい、M男はPCの前で正座。
まずは一足先に会場に入ったDomina-Trixミストレスとスタッフたち。その日の注意事項など、最終的な通達を行っています。
しかし、さすがはミストレスと呼ばれるだけある女性たち!事務的作業だというのに、みんなカッコいいですね!
左から向かって主催者のRINKO女王様、Domina-Trixミストレスである、アタクシ、はんなりとした関西弁がエロ美しく、そしてかっこいい有栖川玲奈女王様、女性よりも色気ムンムンのニューハーフ、CREA女王様。レザー率が高くて、ホント目の保養になりました←私が保養されてどうする。
ちなみに私は「ALT-fetish」で出していただいたデジタル写真集で着たラバーキャットスーツに、知る人ぞ知るラバーマニアショップ、「kurage」のラバーコルセットを組み合わせたのですが、RINKO女王様いわく「ブロッケンマンみたい」。うわぁ、いいんですか、そんな最強キャラで! 私なんかジェロニモでいいんですよ!(←変なところで卑屈)
暑くて軽く死にそうになったけど、ブロッケンマンなんて言ってもらえるなら頑張ってよかった(←喜ぶポイントがおかしい)。これで私も超人に……なれなかったのは、途中で我慢できなくなって革のワンピースに着替えてしまったからだと思います。超人への道は遠いなぁ。
25時を過ぎた頃、会場の喧騒を縫ってさっそく始まったSlave auction。進行係のCrea女王様が、特技、セールスポイントなどの最終チェックを行ないます。
看守はUSAから来たというこちらのポリス。サングラスを取った顔をお見せできないのが本当に残念! めっちゃ美形でした! 彼女は女王様ではありませんが、脱走奴隷には容赦なくハイキックを食らわせてよいとの指示を受けていたようです(笑)。
こういうのって、始まるまでの数分がもどかしいんですよね。そんなわけで女王たちの刹那の暇つぶしに利用にされる商品たち。
RINKO女王とCREA女王の威勢のよい掛け声でオークションが始まりました。
じつはこのオークションを誰よりも心待ちにしていたのは、私だったかもしれません。
ワタクシ、女王様で構成された「SEXLESS」というラウドロックバンドで活動をしているのですが、ライブのときにパシリにできる使い勝手のいいM男がほしかったんです。
具体的には、
●車を持っている。
●都内かもしくは近郊に住んでいる。
●平日の夜か土日に動ける。
という何の面白みもない条件なんですが、こちとら必死なんですよ! 別に今さら「アナルの感度のいい奴隷」とかいらねぇっつぅ話なんですよ!
そこでまず第1号が出てきたときにさっそく質問。
「車、持ってますか!?」
「あ、はい、あります……」
よし、第一関門クリア! まずは入札。
その場にいたバンドのメンバーたちと、「共同購入」すべく談合も開始。
ここで、バンドのトランペット・Hana女王が「ライブ用だったらやっぱりいい声で鳴くM男がいい」(うちのバンドではM男の悲鳴が効果音になって音楽を作り上げております! 前衛芸術なんです!)と鶴の一声を発されたので、ワタクシ、さっそく舞台に上がって確認することにしました。
乗馬鞭とスパンキングでひっぱたいてみると、いい声とは言えないまでも「そこそこ」は出る様子。迷いましたが、その他の条件がまぁまぁよかったので、みんなで一体落とすことにしました。お買い上げちゃった!
とまぁ、いきなり目標を達成してしまいましたが、それでもまだもっといい商品が隠れているかもしれないので、目を皿のようにして、耳をダンボのようにしてオークションの進行を見守りましたが、見守ることになったのはオークションの進行というよりは、女王様たちの傍若無人ぶり(笑)。
誰よりも率先して舞台に上がり、M奴隷の「使い勝手のよさ」を確かめていた程普女王様。普段は流血系がお好きだと聞くと、確認作業を見守るのもハラハラドキドキ!
こうして5体の奴隷すべてに買い手がつくという快挙が達成されました。
話が少々前後してしまいますが、1時間後に行なわれた2回目の開催では、ドタキャンが発生するという、自分の立場をよく理解できていないバカがいたため、急遽会場内から参加者を募ることに。とは言え、あっという間に集まってしまったところがさすがです(笑)。
2回目の参加者の面々。その場でエントリーしたとは思えないほど、いい面構えをしています(M男的に)。いや、その場でエントリーできるほど自分の中で振り切っている何かがあるからこそ、いい面構えをしているのか(M男的に)。
2回目のオークションでは、素人女性も飛び入り。有栖川玲奈女王の指示のもと、おそらく初めての鞭体験。このままこっちの世界へおいで〜うふふふふ。
結局、最初の5体だけでなく、その次の5体にもすべて買い手がつきました。途中からはDomina-Trixミストレスたちに刺激された素人のS女性も競りに参加したり、中には男性からの掛け声も……。リアルやおいですか。いいんですか。
もちろん、オークションは目玉企画ではありましたが、それ以外でもフロアは大盛り上がり。特に女王様方に酒が回ってきた頃が一番こわ……いや、盛り上がりました。
調教ブースでは、女王たちがめぼしいM男を見つけては、次々と引っ張り込んでいました。私? もちろん引っ張り込みましたよ。あつーい蝋燭プレイしちゃった♪ 主催者・RINKO女王様もさっそく一体お持ち帰り。逆さ吊りにして、満足そうです。
調教ブースだけでは狭い! と、フロアでも次々とプレイを始める女王様たち。怪しげな微笑を浮かべるDia女王と有栖川玲奈女王。
ブーツナイトというだけあって、責めの中心はブーツに関連するもの。何人もの女性に一挙に踏まれたり、ブーツ奉仕を堪能したM男性も多かった様子。
ちなみにこの人はこの後、次々と女王にこのような形で踏まれ、ちょっとした「通路」状態になっていました。もちろん私も通りました。なんかご利益ありそう(多分ない)。
合間には「東京★KIDS」によるダンスパフォーマンス・ショーも。定期的に出演しているテレビ番組もあるほどの実力派ユニットが、SMの真髄「堕ちる」をテーマにした怪しくも激しいショーを披露してくれました。すっごい迫力!
とまぁ、ソドムとゴモラのような、と言ってはさすがに言いすぎですが、っていうか硫黄と火が降ってきたら困りますが、かくして狂乱のうちに、Domina-Trix3rdは幕を閉じたわけであります。
で、終わらせようと思ったら、大変なことを忘れていました。冒頭で書いた「M男を見直した話」。第1回では「壁のカビ」となってRINKO女王を悩ませていたM男たちの多くが、今回は積極的に動いていたんです。RINKO女王が常々飛ばしていた「S女性に声をかけてもらうのを待つな! 自分で動け!」という檄が、徐々に効いてきたのでしょうか。
実際、ある女性は8人ものM男性と連絡先を交換したそうだし、ウチのバンドのメンバーもしっかり足(お見送りM男)を見つけていました。しかも、ドライバー2号として連絡先もキッチリゲットしたそうです。こういうのはやはり、待っているだけでは訪れない幸運でしょう。私も、今回はホスト役だったからかもしれませんが、明らかに第1回のときよりもたくさんのM男に話しかけてもらった気がします。そして、自分では酒を一切買いませんでした。すべてオゴリでした。ありがとうみんな。
このイベントの、もうひとつの楽しみ方を見つけたような気がしました。こうしてM男全体のレベルが底上げされていくのを見守っていくのは悪いもんじゃないですね。
文=早川舞
関連リンク
Domina-Trix
漆黒のヴィーナス
青山EVER
早川舞 世界、特にヨーロッパのフェティッシュ・カルチャー関係者との交流も深い、元SM女王様フリーライター。だが取材&執筆はエロはもとよりサブカルからお笑い、健康関係まで幅広く?こなす。SMの女王様で構成されたフェミ系女権ラウドロックバンド「SEXLESS」ではボーカルとパフォーマンスを担当。 現在、フェティッシュ・ミックス・バー「ピンク・クリスタル」に毎週木曜出勤。
Reverse Dead Run |
08.07.06更新 |
WEBスナイパー
>
イベント情報