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2009.3/18 wed. 新宿ロフトプラスワン
KT-WORLD Presents「ピンク×緊縛!!」


↑マイクを持っているのがカメラマンの田中欣一氏。左から女優の早乙女宏美さん、
ピンク映画監督の渡辺護氏。ピンク映画黄金時代の面白エピソードが暴露される。


KT-WORLD Presents「ピンク×緊縛!!」@新宿Loft/Plus One
闇雲なパワーと出会いが盛り上げる
セックスカルチャーの明るい未来



取材・文=井上文
写真=川本史織


ピンク映画最盛期における撮影現場の裏話、価値観の異なる緊縛写真家二人の対談、そしてハプニングもありの緊縛撮影実演。カメラマン田中欣一氏率いる「KT-WORLD」が贈る魅惑のインベント第一弾。大成功に終わった濃密な三時間を緊急webリポート!

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ピンク映画の最盛期にスチールカメラマンとして数々の現場を駆け抜けた田中欣一氏。『S&Mスナイパー』では緊縛写真家として活躍した斯界の巨匠が豪華ゲスト陣と繰り広げるトーク&実演のイベント=「ピンク×緊縛!!」が、宣伝期間の短さにもかかわらず大盛況のうちに幕を閉じた。会場は中高年男性を中心に満員。その熱気もさることながら、出演者全員がこのエロ業界において「鬼」と呼ばれる一面を持っていたことから、全体に笑いを交えながらも背後に緊張感のあるピリリとしたイベントになった。

三部構成のうちの第一部では、田中氏と往年の現場を共にしていた映画監督で「聖処女縛り」「セーラー服色情狂」等で知られる渡辺護監督をメインゲストに、田中氏が写真だけでなく数々の作品で緊縛まで務めていたという裏話や、東てる美、可愛かずみの出演秘話(当時テレビで人気を得ていた可愛かずみは「脱がない約束」での出演だったとか。それをやっと裸にしたシーンを会場のスクリーンに映しながらの生々しいエピソード)などが歯に衣をきせない無礼講ムードで披露された。また、途中参加の池上ゆたか監督は、2008年度ピンク映画大賞を受賞した「超いんらん やればやるほどいい気持ち」を上映しつつ、出演者の心の壁を取り払うべく現場では前貼りを使わないという持論を熱く語り、会場のファンに現今のピンク映画の魅力を力強くアピールした。


↑ピンク映画出演時代、田中氏に撮ってもらったというポスターを披露する早乙女さん。この映画では自ら志願してクレーンで45メートルの高さに吊るされたという。驚嘆の声が会場に轟く。

↑池上ゆたか氏が語る「優しい欣ちゃん」のエピソード。以前、男優をしていた池上氏の前貼りを「僕がやってあげるよ」と丁寧に貼ってくれたことがあるのだという。田中氏は「そんなことあったっけなぁ」と苦笑い。
聞いていると闇雲なパワーが感じられて心地いい。そう言えばエロって「スタミナ」と「活力」が基本だよなと、昨今薄れていた感覚が身体の内側から蘇ってくるようだ。

第二部では緊縛写真がテーマになり、ゲストに杉浦則夫氏が登場。個人的には一番楽しみにしていたのがここだった。田中氏が内に秘めた情熱をライティング等のテクニックに昇華させて撮る写真家だとすれば、杉浦氏はライティングを二の次にしてでも直感や熱気を優先させて撮る。そういう好対照な二人が目の前で互いの価値観をぶつけ合うのである。

「初めて衝撃を受けた緊縛写真」が実は杉浦氏のものだったと告白する田中氏は、過去に映画で学んだライティング方法を使って杉浦氏の撮るような緊縛写真を目指そうとして挫折したことがあったそうだ。「どうしても真似できませんでした」と頭を下げる田中氏に対し、「ライティングに時間をかけたくない。イメージを削りたくないから」と簡潔かつ穏やかに答える杉浦氏。その時、会場のスクリーンには本当に対照的な二人の写真が映し出され、目指してきた表現の違いと、しかし奥底で通じあう何かを静かに物語るのだった。


↑緊縛写真への熱い思いを語る杉浦則夫氏。「女性の髪の毛」に強いエロティシズムを感じているという。

たまらなく新鮮でスリリングな鑑賞タイム。ここには書ききれないが、二人はさらに被写体として好む女性のタイプや性的にグッとくるポイントなど、様々な面で好対照を際立たせつつ、そのことによって緊縛写真そのものの面白さを新しい観点から教えてくれた。もちろん拍手喝采の一幕である。

第三部では田中氏による緊縛撮影の実演が予定されていた。しかしトークで盛り上がり過ぎたためか「時間がない!」と運営スタッフが焦り気味に。あわや取りやめになるかと思われたが、そこに嬉しいハプニングが発生。偶然会場に遊びに来ていた鬼の女体調教師・志摩紫光氏が、「俺にまかせろ」とばかりステージに上がって手早くモデルを縛り終えると、連れていた自分の愛奴まで裸にして二人同時緊縛を披露してくれたのだ。それでも時間がないのには変わりなかったが、志摩氏の縄捌きの分だけ、やや駆け足ながら田中氏によるライティングの講習が行なわれ、約三時間のイベントは熱気の中で幕を閉じたのだった。

↑偶然会場に居合わせた志摩紫光氏が緊縛撮影実演のための縛りを買って出た。嬉しいハプニング。 ↑蛍光灯を様々に動かし、女体に出来る陰影とその意味を解説する田中氏。
終わってみればあっと言う間。何よりメンツがよかったと思う。肉眼で姿を見ながら直接声を聞く、イベントというものの意義を改めて感じさせられる夜だった。様々なイベントに行くたびに思うことだが、こういう熱のある「場」は、雑誌が「場」を提供しにくくなった今、読者の減少と反比例するように、かつてよりも強く求められるものになっている気がする。主催者によると今回の催しは第一弾にすぎないとのこと。次回以降のマッチメイクも楽しみにしておきたい。

文=井上文



↑会場に展示された田中氏の作品。物販コーナーでは生ポラロイドや写真集が販売された。


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CLASKA

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井上文 1971年生まれ。SM雑誌編集部に勤務後、フリー編集・ライターに。猥褻物を専門に、書籍・雑誌の裏方を務める。発明団体『BENRI編集室』顧問。

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09.04.02更新 | WEBスナイパー  >  イベント情報