2009.1.12.mon at LIVE GATE TOKYO
by 「P.C.W (PureOne Corset Works)」
特別フォトレポート!「P.C.W 2009 COLLECTION FASHION SHOW」
男性のコルセット職人を「コルセティエ」と呼びます。フェティッシュ・アイテムとしてのコルセットにこだわらず、深い伝統と格式に裏づけられたコルセットを模索する新進気鋭のコルセティエ、「Pure One Corset Works」のPureOne氏。そんな彼の代表的なコルセットが一堂に会する豪華なファッションショーの中味とは? 今回はショーにも出演したモデル、真白さんが現場レポートをお届けします!
by 「P.C.W (PureOne Corset Works)」
特別フォトレポート!「P.C.W 2009 COLLECTION FASHION SHOW」
男性のコルセット職人を「コルセティエ」と呼びます。フェティッシュ・アイテムとしてのコルセットにこだわらず、深い伝統と格式に裏づけられたコルセットを模索する新進気鋭のコルセティエ、「Pure One Corset Works」のPureOne氏。そんな彼の代表的なコルセットが一堂に会する豪華なファッションショーの中味とは? 今回はショーにも出演したモデル、真白さんが現場レポートをお届けします!
ゴシック界屈指のアーティスト陣が顔を連ねる「Club Theatic Show」。アンダーグラウンドイベントを多数主催する「ARTiSM」が催す人気イベントのひとつです。ゴシックファッション、ゴシック思想を愛好する人々のなかでもコアで硬派な者たちが集まります。
その目玉として開催されたのが「P.C.W 2009 COLLECTION FASHION SHOW」。新進気鋭のコルセティエ「P.C.W(PureOne Corset Works)」によるコルセットファッションショーです。このたびモデルとして出演した真白がレポートさせていただくことになりました。なにしろショーに出ていた人間が書くのですから、あくまでも控え室から感じた会場の雰囲気と写真を観たうえでのレポートになります。なにとぞご理解、ご了承いただきたいと願います。
各アーティストのライブ、DJタイムが盛大に繰り広げられ、いよいよクライマックスといった雰囲気のなかショーは始まりました。
一番手のモデルは、サテンにラッセルレースをあしらったシンプルなコルセットで現われました。均整の取れたプロポーションに、デコルテやウエストの曲線がしなやかです。チュールがヒップに広がったロングスカートはバッスルスタイルのドレスを思わせ、全体のシルエットを華やかに盛り上げます。ショーのトップバッターに相応しい、オーソドックスかつ完成度の高いコーディネートとなりました。
間を空けず次のモデルが登場します。華奢な肢体をさらに締め付けるコルセットは一見黒い色のように見えますが、実際は明度のごく低いグリーン。編み上げのリボンはハッキリとしたグリーン色で、バックスタイルを鮮やかに彩ります。小柄な背丈と膝下までふんわり広がったスカートが少女性を匂わせつつ、堂々としたウォーキングや引き締まった表情は貴婦人そのものでした。
少々変わり種のコルセットもあります。黒のビニル素材の上に透明なドット柄を載せた、どこか近未来的なデザイン。見る角度によって柄が微妙に変わる不思議な模様に、エクステのブルーの鮮やかさが絶妙な調和を見せています。他のアイテムはシンプルなもので主張を抑え、個性の強いデザインを効果的に強調させました。
ショーのなかでもっともアクのないデザインと言えるのが、こちらのモデルが着用しているコルセットでしょう。素材は牛革で、縦のライン以外にポイントやアクセントは見当たらず、一歩間違えると平凡な印象を与えてしまいそうです。しかし全身を同色で揃えることにより統一感をもたせ、さらに素材に変化を付け重くなり過ぎないように調節。シンプルながらも高度な技を駆使した、ぜひとも参考にしたいコーディネートです。
これまで黒を基調とした王道なスタイルが続きましたが、そのまま単調に終わらすようなショーではありません。次のモデルから徐々に装飾が華やかになり、バリエーション豊かな展開を見せることになります。
ここで、ショー唯一の男性モデルが登場です。といっても、この方をパッと見で男性だと判断する方がいるでしょうか。ベルベットの素材がコルセットに高級感をもたせ、タックギャザーのボルドー色がその気品をより一層引き立てます。レースが幾重にも重ねられたロングスカートからのぞくチュールストッキングの艶っぽさもさることながら、くの字にくびれたウエストのラインも扇情的です。コルセットとは男女関わらず身体のラインを極限まで美しく見せるものなのだと、改めて思い知らされました。
続いて登場したモデルも、こだわりの装飾で私たちを楽しませてくれます。ダメージ加工が施されたコルセットは退廃的な印象を与えつつも、ダメージ部分から飛び出す赤い色がパンキッシュさをも漂わせます。ウィッグとコルセットの色合いはピッタリで、トータルバランスも抜群。真っ赤な編み上げのリボンと背中一面のタトゥーが相まって、バックスタイルも圧巻の迫力がありました。
まだまだ個性的なコーディネートの快進撃は続きます。細かい網目のトップスに朱色がかった蛇柄コルセットを重ねたモデルは、大ぶりのウィッグと鋲の着いたグローブでハードな世界を演出。挑発的なポージングで観客を圧倒させます。コルセットの下にベルトを付けるという斬新な組み合わせがバッチリ決まってしまうのは、モデルの優れた器量と洗練されたセンスあってのことですね。
こちらは筆者でありまして、自分のことを自分で書くのもなかなか抵抗があるものですが、だからといって触れないわけにもいきませんので、恐縮ながら紹介させていただきます。この赤チェックコルセットは市販のシャツをリメイクした完全一点もの。「P.C.W」には珍しくポップでカジュアルなテイストです。シックでゴージャスなコルセットばかりではないということを主張したく、あえて可愛らしいコーディネートに仕上げました。
続いて毛皮のコルセットが登場。毛皮というと連想するのは狐などの直毛のものと思いますが、なんとここで使用したのは羊の毛皮。それも子羊6頭分というのだから驚きです。コーディネートの難しそうな一品ですが、相性の良い素材やアクセサリーを見抜いてうまく合わせれば、世界中のだれともかぶらない唯一無二のスタイルが出来上がります。
モデル陣の色彩もだいぶ豊かになってきたところで、青い薔薇のコルセットの登場です。このショー唯一の花柄コルセット。大ぶりの花模様がエレガンスな気品を醸し出しています。黒のブラウスと黒のロングスカートで合わせればゴシックテイストの強いものに仕上がり、白を基調とするなら清楚で可憐なスタイルも可能です。ひとつで様々な表情が楽しめるコルセットだといえるでしょう。
目を疑ってしまうほど細いウエストの持ち主は、エメラルドグリーンのコルセットを着用して現れます。もとの細さももちろんのこと、大きく広がったドレッシーなスカートの存在も、よりそれを強調させます。胸元の黒いチュールはバストラインを美しく整え、装飾としても体のラインを綺麗に見せる意味でも、効果を存分に発揮しています。
コルセットを着用した際のボトムといえば、ドロワースも定番のひとつでしょう。こちらのコルセットはこれまでに登場したものよりも、シルエットがストレートで丈が長いものとなっています。デザイナーの米山氏いわく、1900年初期のエドワード調コルセットに倣ったのだそうです。アンティーク感を出す為に付けられたハシゴレースが、スッキリしたシルエットのなかで活きています。
端整な顔立ちのモデルは、ショッキングピンクのコルセットをブラックのアイテムで引き締めます。コルセットにふんだんにあしらわれたレースと巻き髪との相乗効果で、コケティッシュなオーラを放ちます。チュールストッキングを破ることでハードさも出し、甘くなり過ぎません。巻き髪とミニスカートの組み合わせはどこか現代的で、街中でも通用しそうに洗練された感がありました。
さて、ショーもいよいよ大詰め。最後のモデルが、先ほどと同じ型でカラー違いのものを着用して現れました。ゴージャスでセクシーな前者と比べ、爽やかでフェミニンな印象ですね。アップのヘアスタイルも楚々とした感じを引き立てています。ボーンの渡しにあるクロスのリボンはフロッシングといい、ボーンの固定と装飾を兼ねたテクニック。ポイント付けとして加えれば、白を基調としたコルセットもグッと締まった印象になります。
モデルのウォーキングはこれにて終了。ラストは全員がステージに並び、米山氏を中心に観客の皆さまへお辞儀をします。これほど気合いの入ったコルセット女子たちが一堂に会することもないでしょうから、私も観客席からその様子を眺めてみたいぐらいでした。
熱い拍手を浴びる米山氏とモデルの面々。シンプルからゴージャス、定番から変わり種まで様々なコルセットを自在に生み出す「P.C.W」のさらなる躍進を予感させるショーとなりました。
文=真白
関連リンク
「ARTiSM」
「Pure One Corset Works」
LIVE GATE TOKYO
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第1回 「レザーコルセット」
第2回 「ムートンコルセット」
真白 ビジネス系専門学校にて、編集・出版を学ぶ。 2007年2月より、趣味で被写体の活動を開始。 自作HPにて、文章、写真を公開。 ほか活動は、ゴシック、フェティッシュ系のイベントに、ダンサーとしての出演など。 赤 裸 々 P a 4 マ й 素 |
09.04.09更新 |
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