2009.6.1 Mon
- 6.13 Sat
at vanilla gallery
田亀源五郎=監修
伊藤文学コレクション〜薔薇族周辺のゲイ・エロティックアート
6月1日(月)〜6月13日(土)
東京・銀座「ヴァニラ画廊」にて開催
at vanilla gallery
画=平野剛 |
田亀源五郎=監修
伊藤文学コレクション〜薔薇族周辺のゲイ・エロティックアート
6月1日(月)〜6月13日(土)
東京・銀座「ヴァニラ画廊」にて開催
『薔薇族』周辺のゲイ・エロティック・アート
1971年、本邦初の商業ゲイ雑誌『薔薇族』の創刊によって、日本のゲイ・エロティック・アート史は大きな転機を迎えた。
日本において、ゲイ・エロティック・アートは『薔薇族』創刊以前にも存在していた。しかし、それらが見られるのは、会員制の同人誌(『アドニス』『薔薇』等)や、総合<変態性欲>誌(『風俗奇譚』等)の片隅といった、極めて限られた場のみであった。
そういった助走を経て、『薔薇族』という日本初の「ゲイのためだけの商業メディア」が誕生した。
これは、自分の作品を世に出したいと願う作家にとって、また、それを愛好するファンにとって、どれだけ大きな意味があったことか。残念ながら筆者は、それにリアルタイムで立ち会っていた世代ではないが、想像するにその感覚は、大げさに例えれば、少数民族が独立国家を得たようなものであったのかもしれない。
かくして『薔薇族』には、綺羅星の如くアーティストたちが集結した。
出展作家では、大川辰次・三島剛・船山三四は、会員誌や総合<変態性欲>誌時代から活躍し、後に発表の場を『薔薇族』に移した作家である。
平野剛も同様であるが、前述の三者とは異なり、その才能が本格的に花開くのは、『薔薇族』に描くようになってからである。前述した前時代からの継続組と、後述する生え抜き作家たちとの、いわば中間地点にいる作家である。
それとは逆に、小田利美は、総合<変態性欲>誌のみで活躍し、ゲイ雑誌に登場することはなかった作家である。厳密に言えば「『薔薇族』周辺」とは言い難いのだが、ゲイ雑誌が誕生する以前のゲイ・エロティック・アートの一例として、また、前述の継続組と比較する意味合いも兼ねて出展することにした。
遠山実・木村べん・児夢(GYM)・長谷川サダオは、『薔薇族』創刊以降に登場した、ゲイ雑誌生え抜きの作家たちである。稲垣征次・三上風太も同様ではあるが、ゲイ雑誌生え抜き組からも薫陶を受けているという点で、世代としては一つ後に分類すべきであろう。筆者もまた、この世代に相当する。
『薔薇族』の成功は、その後追い雑誌の誕生という形で、更に日本のゲイ・エロティック・アート文化の拡大を招く。
創刊にあたって『薔薇族』から三島剛を迎え入れた『さぶ』、創刊した人物がそもそも『薔薇族』の関係者であった『アドン』といった、今はなき二誌はもとより、現在刊行が続いている『サムソン』や『バディ』や『ジーメン』といった雑誌も、そこに寄稿した作家を見れば、何らかの形で『薔薇族』との繋がりを発見することができる。
こうして振り返ってみると、『薔薇族』というのは、日本のゲイ・エロティック・アート史において、未開の地を開墾して造られた、最初の畑のようなものだったのかもしれない。
それまでは、路傍で小さな花を咲かせるのが精一杯だった「種」たちが、最初の畑に飛んできて根付き、また、そこから新たな種子が、新たな畑を目指して旅立つ。畑は増え、作物の種類も豊富になっていく。それが、日本のゲイ・エロティック・アートの歴史となった。
そして、その最初の畑の開墾者こそが、伊藤文學氏なのである。
田亀源五郎
田亀源五郎=監修
ヴァニラ画廊 伊藤文学コレクション〜薔薇族周辺のゲイ・エロティックアート
画=遠山実 |
開催日時=6月1日(月)〜6月13日(土)
平日12時〜19時
土曜12時〜17時(日曜休廊)
特別展示入場料=500円
6月7日(日)15時〜、伊藤文學氏・田亀源五郎氏による特別トークショー
※入場料1,500円(1ドリンク付)
出展作家=田亀源五郎 三島剛 船山三四 小田利美 遠山実 児夢(GYM) 長谷川サダオ、木村べん、平野剛、大川辰次、稲垣征次、三上風太
出展協力=田亀源五郎 城平海 荻崎正広
監修=田亀源五郎
企画・プロデュース=Malpu Design 清水良洋
会場・問い合わせ先=
東京・銀座『ヴァニラ画廊』
〒104-0061
中央区銀座6-10-10 第二蒲田ビル4階
電話 03-5568-1233
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