月花&一鬼のこPresents 『桃色★鬼祭り』レポート!!
SM女王現役時代、「人間プリクラ」をしたことがあります。あっ、いや〜、医療用メスで、奴隷のお腹にその日の日付を入れただけなんですけど……それってプリクラとは言わない? 今日の日付が入ってれば何でもプリクラって呼んでいいわけじゃない?(←プリクラを履き違えている) じゃあ人間記念写真? まぁ何ていうかわかりませんけど(そんなものを表す日本語はありません)、とにかくメモリアルなカッティングをしたわけですよ。
それから数年経ってもその人のお腹の文字はなかなか消えなかったので、カッティングってスゲーなと漠然と思っていたのですが、今回、渋谷のハプニングバー「眠れる森の美女」さん主催のイベント「桃色☆鬼祭り」でその「スゲー」の真髄をまざまざと見せつけられてきました。
見せつけて下さいましたのは何とあのルーカス・スピラ氏! じつはけっこう血が苦手な私でも知っている(じゃあカッティングすんなや)フランス人の人体改造アーティストです。彼がスカリフィケイション(医療用メスを使って体に傷をつけることで絵柄を施していく技術)やインプラント(皮膚の中に直接金属等を埋め込んで、その模様を浮き上がらせる技術)の第一人者であることは知っていましたが、まさかこうやってそのワザを直接目にする機会がやって来ようとは……。
このイベントは、「眠れる森の美女」の一鬼のこさんと月花女王様主催による「桃色☆鬼祭り」。ルーカス氏はライターのケロッピー前田さんの招聘によりこちらのイベントにゲストとして参加。しかし、ただ参加してくれたわけじゃありません。なんとルーカス氏、自身のブースで希望者に向けて実際スカリフィケイション施術まで行なってくれたんです。当然、参加者見放題で。
施術の様子はこんな感じ。周囲はすごい人だかりです。医療用メスを使って、真剣なまなざしで慎重に絵を彫り進めていくルーカス氏。彼のまわりだけは静寂に包まれているかのような緊張感でした。
ルーカス氏のスカリフィケイションが始まったのと同じタイミングでステージでは女体盛りショーもスタート。みんなどちらを見に行くか迷いげ(笑)。
"実際に施術を受けたたまきさん(写真)によると、「痛みはタトゥよりもちょっと痛いぐらい? でも思ったよりも痛くなかった」とのこと。彼女はリアルな蠍の図柄を彫ってもらっていました。
ちなみにこの日、ルーカス氏と一緒に来ていたボディサスペンション(皮膚に直接フックなどを貫通させ、そのフックで体を吊り上げる)の日本での第一人者・蠍さんもルーカス氏の施術を受けたひとり。スカリフィケイションとは要するに皮膚の表面に傷をつける行為なので、人によってはすぐに消えてしまうこともあるそうですが、蠍さんの施術は5年以上前に行なわれたにも関わらず、絵柄はまだ残っているとのこと。絵柄を長く楽しむコツは? と伺うと、
「あくまでも一説によると、ですが、刺激を与えるといいと言われています。レモン汁を刷り込んだりとか、叩いたりとか。私は試していませんが……」 とのこと。……ひいぃぃぃ。
その後も盛況だったルーカス氏のブース。トップバッターだったたまきさんの後には早くも次の女性が施術を受けていました。
奥様である、元jail大阪所属のヴィヴィアンさんもお手伝いに駆けつけていました。仲睦まじい夫婦ぶりです。
しかし、イベントの華はルーカス氏だけではありません。ステージ上には我も負けじと次々と出演者が登場。
圧巻だったのはやはり一鬼のこさんにより緊縛ショー。イベント主催者、バーのマスターの看板を背負った気合いと誇りを感じました。
鬼のこさんのショーは言うなれば「エンターテインメントの極み」。どこを取ってもひとつとして、目を離せるところがありません。もちろん、それは技術をおざなりにした小手先の見せかけや、観客を驚かせてやれればいいという猫だまし的な感覚でもありません。
最近、いろんな緊縛ショーを見てきて常々思うのですが、みんなすっごくうまいですよね。うまいのが当たり前、ぐらいになっていますよね。緊縛は、少なくとも日本においては今はもう確実にひとつの文化として成熟・完成したものになっていると思います。
そうなると今度は緊縛そのものよりも、緊縛を通していかに自分の個性や自分の生き様、価値観といったものを見せられるか、が重要になってくるのだという気がします。上手に逆海老吊りができました、だけではもはや誰も見向きもしません。そうじゃなくて、逆海老吊りをした後に何をするか、もしくはしながら何をするか、もしくはどんなふうにするか……そんな「緊縛以前」にあるその人の個性さえ問われるのが日本緊縛文化の現在の姿だと思います。
そう言えば昔からご活躍されている縄師さんや責め師さんって、やっぱり個性や好みがはっきりした方が多いですよね。
プロの女性モデルを多く撮っている、あるカメラマンさんに聞いたのですが、レンズをモデルに向けたときには、もうすべてが「遅すぎる」のだそうです。向けられたモデルがそれまでにどんなふうに生きてきたか、それをどんな個性に変えてきたのか、「勝負」はすでにレンズを向ける前についており、カメラはあくまでもその勝負の様子の一部を切り取るもの。
この話を初めて伺ったときに、何だかSMに近いものを感じると思ったのですが(まぁ結構たくさんのことが当てはまりそうな気もしますけど)、緊縛ショーという細分化の先端にある分野にも、ただうまいだけではない、そういった個性が求められる時代になってきたのかもしれません。今までは細分化された分野は、細分化された存在であるというだけで価値があったんですけどね。しょうがないですよ、インターネットとか発達しちゃったし。
聞けば鬼のこさんは「眠れる森の美女」を開かれる前は、カジノのディーラーとしてエンターテインメント業界の真っ只中にいらっしゃったとか。どうやら彼の一直線なエンターテインメント性は、そこから生まれ出でたもののようです。
そういう意味では鬼のこさんのショーの後に行なわれた「エア緊縛」も、新たな地平が見え隠れしていたものでしたが、まぁそれは後に置いておいて。
前置きが長くなりましたが、まずはテクノの轟音とともに鬼のこさんが登場。
モデル女性の髪をひっつかんで威勢良く舞台に上がります。歌舞伎役者みたいな凛々しい仕草です。
そのまま間髪入れず、一本鞭を乱打。いきなりボルテージ高めです! やっと終わったと思いきや、今度は服を脱がせて緊縛開始。
しかも服は、モデルの頭に巻きつけられています。まるで異形の生き物のようにされた女性が縛られていく様は、「O嬢の物語」のラストを彷彿とさせます。顔はその人の言わば人格の象徴、それを覆われてしまったわけです。エロティックなだけでなく、詩的ですらあります。
着々と縛られ、吊るされていくモデル。写真ではわかりにくいかもしれませんが、縄尻に蛍光のビーズのようなものがついており、鬼のこさんの大振りな動きに合わせてヒュンヒュンと宙を舞い、モデルの体に巻きついていく。ス、スペースマウンテンもかくや……ホントきれいです。
あまりのスピードとアクションに観客は釘付け。どこで目を離したらいいのかわかりません。少なくとも私はわかりませんでした。
ついに宙吊りになったモデル。ここからが鬼のこさんの本領発揮です。
照明を落とした会場に、これまた蛍光色の吊り代が浮かび上がります。鬼のこさんが吊り上げたモデルをクルクル回すと、吊り代も光を放ちながらクルクル。「地下世界のシルク・ド・ソレイユ」と名づけたい(←直訳すると「太陽のサーカス」だから矛盾しているけどこの際細かいことは……)。
さらに照明を落とした状態のまま、今度はロウソク責め。炎のゆらめきにモデルの体が浮かび上がります。あちこちからロウが垂れ、うめき声をあげながら悶えるものの、どうにもできません。
やっと終わった……と思いきや、今度は新たな展開へ。脚を高々と上げます。
最終的には逆さ吊りに……モデルの顔が苦痛に歪んでいます。
そのまま再度照明が落とされ、出てきたのは……
どっぎゃーん!何だコレ!暗くて見えにくいですが、ファイナルファンタジーVIIのクラウドが持ってるみたいな(ごめん誰もが知っているわけじゃないという意味でこの喩えが的確だとは思えないけど、そこをクリアすればかなり正確な喩えだと思う)剣。中に発火剤?が入っていて、火をつけると剣の中をどんどん燃え広がっていきます。
燃え広がったところはこんな感じ。
これでモデルさんの脚の間を突く! 突く! 突く! 熱伝導率のよさそうな素材だったので、かなり熱いのでは……実際悲鳴上げてたし。さらにこの武器、反対側がスタンガンみたいにバチバチと電流が流れるようになっている(ように見える)。そこでも突く! 突く! 突く! ひえぇぇ!
ちなみに全然関係ないんですけど「スタンガン」という言葉がどうしても思い出せなくて、Googleで30分ぐらい検索にいそしみました。その間打ち込んだワードは「電流、電気、危険、夜道、安全のために、女性、犯罪、失神、護身」など。便利な世の中だなぁ。
無事に下ろしてもらったモデル女性。その上で鬼のこさんが何やら光る玉をグルグルと回しています。どうやらザオリクのようです。そういえば鬼のこさん、賢者っぽい(僧侶じゃなくて)。
すべて終わってほっと一息。鬼のこさん、すっかりリラックスした表情に。
こうして幕を閉じた驚異のエンターテインメント緊縛ショー……と思いきや、もうひとつ大穴がありました。それは「エア緊縛!」
エアギター、エアセックスに続いてエア界に殴り込みをかけたのは、なんと我らが緊縛でした! エア緊縛はコンテスト方式で6組が参加。亀甲あり(縄ないけど)、吊りあり(縄ないけど)、自吊りあり(縄ないけど)とバラエティに富んだ内容。私、縄が……見えました……。
トップバッターの彼女。無理な縛りをされて(気合いで見える)、顔が苦痛に歪んでいます。痛そうな奇声も発していました。
ワイレア出版「クリーム」チームは羞恥責めで勝負。でも「宣伝色が強すぎる」という理由で最下位でした……。
両腕を拘束された上(気合いで見える)、亀甲縛りを施された(気合いで見える)囚われの少女(気合いで見える)。
黒子が大活躍していた自吊り。ただの逆立ちではありません。腰縄を吊り代に引っ掛けた時にちょっと背伸び状態になるなど細かい演出が憎い。回っている間にガムテの間からだんだんこぼれてきました。玉が。
他にもショーでは、神田つばきさんや「サスペンション王子」ことナミキさん、そしてなぜかモノマネ芸人さんまで出演。しかもこの芸人さん、モノマネの特番で優勝経験もあるそうです。もちろん、月花さんの残酷ショーも健在でした。
まさに「エロのテーマパーク」と呼ぶに相応しいここ「眠れる森の美女」ならではの、いや、「眠れる森の美女」でなくてはできないイベントでしょう。私もプライベートで何度かお邪魔したことがありますが、また全然違った面白さでした。
個人的には海外の、日本のSMに興味がある人たちを連れていってあげたいですね。本誌でおなじみのアニエス・ジアールとか。間っ違いなく日本のSMイベントの最先端を行ってますもん。特に緊縛マニアにエア緊縛を見せたいです(笑)。ある意味拷問に近いものもあるかと思いますが、価値観変わるんじゃないでしょうか。
取材協力=東京・渋谷ハプニングバー「眠れる森の美女」
4月25日(金)月花&一鬼のこPresents 『桃色★鬼祭り』開催!
同時開催『フードファイト』他サプライズ企画も予定! 詳細はHPをご確認下さい!
オールタイム料金表(時間に関係なくご利用の場合)
入会金:
=カップル(男性5,000円 女性1,000円)
=単独男性 5,000円
=単独女性 1,000円
チャージ料金(入場料・ドリンク&フードチケット3,000 円分サービス):
=カップル お二人で6,000円
=単独男性 15,000円
=単独女性 無料
※料金システムの詳細は店舗までお問い合わせ下さいませ。
フリータイム、テキーラのショットのみフリー
新規にご入会する単独女性様には、素敵なプレゼント付き!!
※ご入会時、ご確認の為に、ご署名、及び身分証明書をご呈示いただきます。
必ず身分証明書ご持参してください。
身分証明書をお持ちで無い場合は、ご入店をお断りしております。
ここでいう身分証明書とは、運転免許証・健康保険証・パスポート等の
公的に通用する身分証明書のことです。
(当店の規定で、ご自身の社員証、名刺、クレジットカード等は身分証明書とは認めません)
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ハプニングバー「眠れる森の美女」
緊縛師・一鬼のこ「不思議なキノコの世界」
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番外編 マエストロ、再びハプバーへ行く 【前編】 【後編】
↑一鬼のこさんによる緊縛ショー。見事な手さばき……そのスピードに目が離せません! |
2008.3.28.Fri ハプニングバー 眠れる森の美女 月花&一 鬼のこPresents 『桃色★鬼祭り』レポート!! 取材・文=早川 舞 ルーカス・スピラ氏のスカリフィケイションからエア緊縛(!?)まで、SMイベントの最先端を早川舞さんがレポート! |
SM女王現役時代、「人間プリクラ」をしたことがあります。あっ、いや〜、医療用メスで、奴隷のお腹にその日の日付を入れただけなんですけど……それってプリクラとは言わない? 今日の日付が入ってれば何でもプリクラって呼んでいいわけじゃない?(←プリクラを履き違えている) じゃあ人間記念写真? まぁ何ていうかわかりませんけど(そんなものを表す日本語はありません)、とにかくメモリアルなカッティングをしたわけですよ。
それから数年経ってもその人のお腹の文字はなかなか消えなかったので、カッティングってスゲーなと漠然と思っていたのですが、今回、渋谷のハプニングバー「眠れる森の美女」さん主催のイベント「桃色☆鬼祭り」でその「スゲー」の真髄をまざまざと見せつけられてきました。
見せつけて下さいましたのは何とあのルーカス・スピラ氏! じつはけっこう血が苦手な私でも知っている(じゃあカッティングすんなや)フランス人の人体改造アーティストです。彼がスカリフィケイション(医療用メスを使って体に傷をつけることで絵柄を施していく技術)やインプラント(皮膚の中に直接金属等を埋め込んで、その模様を浮き上がらせる技術)の第一人者であることは知っていましたが、まさかこうやってそのワザを直接目にする機会がやって来ようとは……。
このイベントは、「眠れる森の美女」の一鬼のこさんと月花女王様主催による「桃色☆鬼祭り」。ルーカス氏はライターのケロッピー前田さんの招聘によりこちらのイベントにゲストとして参加。しかし、ただ参加してくれたわけじゃありません。なんとルーカス氏、自身のブースで希望者に向けて実際スカリフィケイション施術まで行なってくれたんです。当然、参加者見放題で。
施術の様子はこんな感じ。周囲はすごい人だかりです。医療用メスを使って、真剣なまなざしで慎重に絵を彫り進めていくルーカス氏。彼のまわりだけは静寂に包まれているかのような緊張感でした。
ルーカス氏のスカリフィケイションが始まったのと同じタイミングでステージでは女体盛りショーもスタート。みんなどちらを見に行くか迷いげ(笑)。
"実際に施術を受けたたまきさん(写真)によると、「痛みはタトゥよりもちょっと痛いぐらい? でも思ったよりも痛くなかった」とのこと。彼女はリアルな蠍の図柄を彫ってもらっていました。
ちなみにこの日、ルーカス氏と一緒に来ていたボディサスペンション(皮膚に直接フックなどを貫通させ、そのフックで体を吊り上げる)の日本での第一人者・蠍さんもルーカス氏の施術を受けたひとり。スカリフィケイションとは要するに皮膚の表面に傷をつける行為なので、人によってはすぐに消えてしまうこともあるそうですが、蠍さんの施術は5年以上前に行なわれたにも関わらず、絵柄はまだ残っているとのこと。絵柄を長く楽しむコツは? と伺うと、
「あくまでも一説によると、ですが、刺激を与えるといいと言われています。レモン汁を刷り込んだりとか、叩いたりとか。私は試していませんが……」 とのこと。……ひいぃぃぃ。
その後も盛況だったルーカス氏のブース。トップバッターだったたまきさんの後には早くも次の女性が施術を受けていました。
奥様である、元jail大阪所属のヴィヴィアンさんもお手伝いに駆けつけていました。仲睦まじい夫婦ぶりです。
しかし、イベントの華はルーカス氏だけではありません。ステージ上には我も負けじと次々と出演者が登場。
圧巻だったのはやはり一鬼のこさんにより緊縛ショー。イベント主催者、バーのマスターの看板を背負った気合いと誇りを感じました。
鬼のこさんのショーは言うなれば「エンターテインメントの極み」。どこを取ってもひとつとして、目を離せるところがありません。もちろん、それは技術をおざなりにした小手先の見せかけや、観客を驚かせてやれればいいという猫だまし的な感覚でもありません。
最近、いろんな緊縛ショーを見てきて常々思うのですが、みんなすっごくうまいですよね。うまいのが当たり前、ぐらいになっていますよね。緊縛は、少なくとも日本においては今はもう確実にひとつの文化として成熟・完成したものになっていると思います。
そうなると今度は緊縛そのものよりも、緊縛を通していかに自分の個性や自分の生き様、価値観といったものを見せられるか、が重要になってくるのだという気がします。上手に逆海老吊りができました、だけではもはや誰も見向きもしません。そうじゃなくて、逆海老吊りをした後に何をするか、もしくはしながら何をするか、もしくはどんなふうにするか……そんな「緊縛以前」にあるその人の個性さえ問われるのが日本緊縛文化の現在の姿だと思います。
そう言えば昔からご活躍されている縄師さんや責め師さんって、やっぱり個性や好みがはっきりした方が多いですよね。
プロの女性モデルを多く撮っている、あるカメラマンさんに聞いたのですが、レンズをモデルに向けたときには、もうすべてが「遅すぎる」のだそうです。向けられたモデルがそれまでにどんなふうに生きてきたか、それをどんな個性に変えてきたのか、「勝負」はすでにレンズを向ける前についており、カメラはあくまでもその勝負の様子の一部を切り取るもの。
この話を初めて伺ったときに、何だかSMに近いものを感じると思ったのですが(まぁ結構たくさんのことが当てはまりそうな気もしますけど)、緊縛ショーという細分化の先端にある分野にも、ただうまいだけではない、そういった個性が求められる時代になってきたのかもしれません。今までは細分化された分野は、細分化された存在であるというだけで価値があったんですけどね。しょうがないですよ、インターネットとか発達しちゃったし。
聞けば鬼のこさんは「眠れる森の美女」を開かれる前は、カジノのディーラーとしてエンターテインメント業界の真っ只中にいらっしゃったとか。どうやら彼の一直線なエンターテインメント性は、そこから生まれ出でたもののようです。
そういう意味では鬼のこさんのショーの後に行なわれた「エア緊縛」も、新たな地平が見え隠れしていたものでしたが、まぁそれは後に置いておいて。
前置きが長くなりましたが、まずはテクノの轟音とともに鬼のこさんが登場。
モデル女性の髪をひっつかんで威勢良く舞台に上がります。歌舞伎役者みたいな凛々しい仕草です。
そのまま間髪入れず、一本鞭を乱打。いきなりボルテージ高めです! やっと終わったと思いきや、今度は服を脱がせて緊縛開始。
しかも服は、モデルの頭に巻きつけられています。まるで異形の生き物のようにされた女性が縛られていく様は、「O嬢の物語」のラストを彷彿とさせます。顔はその人の言わば人格の象徴、それを覆われてしまったわけです。エロティックなだけでなく、詩的ですらあります。
着々と縛られ、吊るされていくモデル。写真ではわかりにくいかもしれませんが、縄尻に蛍光のビーズのようなものがついており、鬼のこさんの大振りな動きに合わせてヒュンヒュンと宙を舞い、モデルの体に巻きついていく。ス、スペースマウンテンもかくや……ホントきれいです。
あまりのスピードとアクションに観客は釘付け。どこで目を離したらいいのかわかりません。少なくとも私はわかりませんでした。
ついに宙吊りになったモデル。ここからが鬼のこさんの本領発揮です。
照明を落とした会場に、これまた蛍光色の吊り代が浮かび上がります。鬼のこさんが吊り上げたモデルをクルクル回すと、吊り代も光を放ちながらクルクル。「地下世界のシルク・ド・ソレイユ」と名づけたい(←直訳すると「太陽のサーカス」だから矛盾しているけどこの際細かいことは……)。
さらに照明を落とした状態のまま、今度はロウソク責め。炎のゆらめきにモデルの体が浮かび上がります。あちこちからロウが垂れ、うめき声をあげながら悶えるものの、どうにもできません。
やっと終わった……と思いきや、今度は新たな展開へ。脚を高々と上げます。
最終的には逆さ吊りに……モデルの顔が苦痛に歪んでいます。
そのまま再度照明が落とされ、出てきたのは……
どっぎゃーん!何だコレ!暗くて見えにくいですが、ファイナルファンタジーVIIのクラウドが持ってるみたいな(ごめん誰もが知っているわけじゃないという意味でこの喩えが的確だとは思えないけど、そこをクリアすればかなり正確な喩えだと思う)剣。中に発火剤?が入っていて、火をつけると剣の中をどんどん燃え広がっていきます。
燃え広がったところはこんな感じ。
これでモデルさんの脚の間を突く! 突く! 突く! 熱伝導率のよさそうな素材だったので、かなり熱いのでは……実際悲鳴上げてたし。さらにこの武器、反対側がスタンガンみたいにバチバチと電流が流れるようになっている(ように見える)。そこでも突く! 突く! 突く! ひえぇぇ!
ちなみに全然関係ないんですけど「スタンガン」という言葉がどうしても思い出せなくて、Googleで30分ぐらい検索にいそしみました。その間打ち込んだワードは「電流、電気、危険、夜道、安全のために、女性、犯罪、失神、護身」など。便利な世の中だなぁ。
無事に下ろしてもらったモデル女性。その上で鬼のこさんが何やら光る玉をグルグルと回しています。どうやらザオリクのようです。そういえば鬼のこさん、賢者っぽい(僧侶じゃなくて)。
すべて終わってほっと一息。鬼のこさん、すっかりリラックスした表情に。
こうして幕を閉じた驚異のエンターテインメント緊縛ショー……と思いきや、もうひとつ大穴がありました。それは「エア緊縛!」
エアギター、エアセックスに続いてエア界に殴り込みをかけたのは、なんと我らが緊縛でした! エア緊縛はコンテスト方式で6組が参加。亀甲あり(縄ないけど)、吊りあり(縄ないけど)、自吊りあり(縄ないけど)とバラエティに富んだ内容。私、縄が……見えました……。
トップバッターの彼女。無理な縛りをされて(気合いで見える)、顔が苦痛に歪んでいます。痛そうな奇声も発していました。
ワイレア出版「クリーム」チームは羞恥責めで勝負。でも「宣伝色が強すぎる」という理由で最下位でした……。
両腕を拘束された上(気合いで見える)、亀甲縛りを施された(気合いで見える)囚われの少女(気合いで見える)。
黒子が大活躍していた自吊り。ただの逆立ちではありません。腰縄を吊り代に引っ掛けた時にちょっと背伸び状態になるなど細かい演出が憎い。回っている間にガムテの間からだんだんこぼれてきました。玉が。
他にもショーでは、神田つばきさんや「サスペンション王子」ことナミキさん、そしてなぜかモノマネ芸人さんまで出演。しかもこの芸人さん、モノマネの特番で優勝経験もあるそうです。もちろん、月花さんの残酷ショーも健在でした。
まさに「エロのテーマパーク」と呼ぶに相応しいここ「眠れる森の美女」ならではの、いや、「眠れる森の美女」でなくてはできないイベントでしょう。私もプライベートで何度かお邪魔したことがありますが、また全然違った面白さでした。
個人的には海外の、日本のSMに興味がある人たちを連れていってあげたいですね。本誌でおなじみのアニエス・ジアールとか。間っ違いなく日本のSMイベントの最先端を行ってますもん。特に緊縛マニアにエア緊縛を見せたいです(笑)。ある意味拷問に近いものもあるかと思いますが、価値観変わるんじゃないでしょうか。
取材協力=東京・渋谷ハプニングバー「眠れる森の美女」
4月25日(金)月花&一鬼のこPresents 『桃色★鬼祭り』開催!
同時開催『フードファイト』他サプライズ企画も予定! 詳細はHPをご確認下さい!
オールタイム料金表(時間に関係なくご利用の場合)
入会金:
=カップル(男性5,000円 女性1,000円)
=単独男性 5,000円
=単独女性 1,000円
チャージ料金(入場料・ドリンク&フードチケット3,000 円分サービス):
=カップル お二人で6,000円
=単独男性 15,000円
=単独女性 無料
※料金システムの詳細は店舗までお問い合わせ下さいませ。
フリータイム、テキーラのショットのみフリー
新規にご入会する単独女性様には、素敵なプレゼント付き!!
※ご入会時、ご確認の為に、ご署名、及び身分証明書をご呈示いただきます。
必ず身分証明書ご持参してください。
身分証明書をお持ちで無い場合は、ご入店をお断りしております。
ここでいう身分証明書とは、運転免許証・健康保険証・パスポート等の
公的に通用する身分証明書のことです。
(当店の規定で、ご自身の社員証、名刺、クレジットカード等は身分証明書とは認めません)
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早川舞 世界、特にヨーロッパのフェティッシュ・カルチャー関係者との交流も深い、元SM女王様フリーライター。だが取材&執筆はエロはもとよりサブカルからお笑い、健康関係まで幅広く?こなす。SMの女王様で構成されたフェミ系女権ラウドロックバンド「SEXLESS」ではボーカルとパフォーマンスを担当。 現在、フェティッシュ・ミックス・バー「ピンク・クリスタル」に毎週木曜出勤。
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08.04.24更新 |
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