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第13章 女上司・麻奈美【8】

それは快楽の声というよりも半ば悲鳴のようだった。北畠が勢いよく腰を打ち付ける度に、麻奈美は辛そうな声を上げる。しかし、北畠は気に止めずに腰を動かし続ける。いや、むしろ麻奈美が苦しんでいる様を楽しんでいるかのようだった。

陽太の三年先輩にあたる北畠も柔道部出身で、そのガッシリした身体付きにふさわしく、かなりの巨根の持ち主で本人もそれを自慢していた。その太く長いものが、麻奈美の肛門に激しく出入りしていた。限界以上のものをくわえ込まされた窄まりは、皺が伸びきってしまいそうに広げられている。

うつ伏せで尻を突き上げた姿勢で、後ろから貫かれている麻奈美の肌は、真っ赤に上気し細かい汗がびっしりと浮かんでいる。

「ああ、もう、もう勘弁して下さい。お尻が、お尻が壊れてしまいます」

麻奈美の哀願も北畠のサディスティックな興奮をかきたてるばかりだった。

「ははは、痛いか? 痛いだろう。おれのは特別製だからな。お前の尻の穴が伸びきってしまうかもな!」
「ああっ、ああっ、ああああ!」

それからしばらくして、北畠は麻奈美の腸内深くへ大量の精液を射精した。そして息も絶え絶えの麻奈美の顔の前に抜いたペニスを突き出す。麻奈美は、悲しげな表情で、だまってそれに舌を這わせて綺麗に掃除する。事前に腸内を洗浄されているために汚物がついているわけではないが、あまりにも屈辱的な作業である。

「ふふふ、アナルファックってのは初めてだったが、なかなかよかったぜ。さすがに前も後ろも上等な奴隷だな、麻奈美」

そういって北畠は、福利厚生室を出ていった。扉が閉まると同時に麻奈美は床に倒れこむ。もう限界だった。今日は残業と称して、終業後に5人の男たちに連続で犯された。そして膣が痛いので、後日にしてもらえないかと最後に残った北畠に頼んだら、前が使えないなら後ろだと、肛門を犯されてしまったのだ。アナルファックは初めてではなかったが、北畠ほどの巨根をそこに受け入れるのは初めてのことだった。そこが燃え上がるように熱くズキズキと痛む。全身の骨がバラバラになってしまったのように力が入らない。

麻奈美の社員への「奉仕」は、フェラチオだけの奉仕に留めるという規則だったが、やがてそれはなし崩しになった。佳織がもっと麻奈美を苦しめたいと思っていたからだ。自分の夫をたぶらかした麻奈美を徹底的に辱めたかった。社員の全てから最低の肉奴隷だと蔑まれるようにしたかったのだ。社員全員の前で排泄姿を晒すようなことまでさせた。

当初はかつての麻奈美のイメージから、憧れの目で見ている社員もいたが、奴隷生活が数カ月も過ぎると、その風向きも変わってきた。男性社員も女性社員も、何の遠慮もなく己のサディスティックな欲望を麻奈美の肉体にぶつけるようになっていた。

そんなかつての愛人の姿を見ることに耐えかねたのか、林原社長はほとんどオフィスに姿を現わすことがなくなっていった。噂によれば自宅でも部屋に閉じこもったきりだという。夫がそんな状態になっているのに、佳織の狂気は止まらなかった。

「大丈夫ですか」

福利厚生室に飛び込んできたのは陽太だった。床に倒れている麻奈美を抱き起こす。

「はい、大丈夫です……。ありがとうございます」

焦点の定まらない目で、麻奈美は陽太を見つめ、力なく微笑む。

「北畠さん、無理矢理後ろに入れたんですか。ひどいことを……」

陽太は麻奈美を抱き運びソファの上に寝かせる。

「傷ついていないか、調べますね。失礼しますよ」

陽太は麻奈美の脚を持ち上げ、左右に開き、股間へと顔を近づける。

「あっ、恥ずかしいです……」
「すいません、でも、もし傷ついていたら治療しないと」

世話係を任命されている陽太は、この会社の中でたった一人の麻奈美の味方だった。他の人間がいる時はともかく、二人の時は麻奈美がかつて上司だった時のように敬語を使った。それは陽太なりの佳織に対する精一杯の抵抗だったのかもしれないし、こんな地獄の中で戦っている麻奈美への敬意でもあった。

北畠以前に連続で5人の男に射精された肉裂も赤く腫れ上がり、愛液と精液でひどく汚れていた。陽太は麻奈美が痛がらないように気をつけながら、ティッシュペーパーでそこを拭った。

「ん、んん……」

痛みのためなのか、羞恥のためなのか、麻奈美は声を押し殺しながら、身をよじった。

「ああ、こんなに赤くなってる……。でも、裂けてはいないみたいですね」

陽太に腫れ上がった肛門を観察される羞恥に、麻奈美は顔を真っ赤にする。人間としての尊厳を全て奪われたようなこんな状況の中でも、陽太だけは麻奈美を女として扱ってくれる。だから麻奈美も陽太に対してだけは、強い羞恥を感じてしまうのだ。

「薬を塗っておきますね」

陽太は腫れ上がって敏感になった肉裂の部分と、窄まりに丁寧に軟膏を塗りつけていく。

「あ、ああん……」

麻奈美は思わず声を漏らす。

「痛いですか? すいません。でも、ちゃんと塗っておかないと」

軟膏を塗っていく指に湿り気が感じられる。その部分が濡れそぼっていくことに陽太は気づいていたが黙っていた。

「あっ、ああっ……」

麻奈美は切なげな声を漏らしている。濡れ方はどんどん激しくなる。

陽太が興奮していないかといえば嘘になる。スラックスの下では、ペニスは固く脈打っている。しかし、これだけ傷ついた麻奈美に己の欲望をぶつけるようなことは陽太にはできなかった。

世話係となった当初は、佳織の命令もあり、麻奈美を毎晩のように抱いていたが、社員への奉仕が始まってからは、気が引けて手を出せなくなっていた。せめて自分といる時は、身体を休ませてあげたかったのだ。

佳織も飽きたのか、今は監視カメラもつけていないようだった。ならば陽太も無理に麻奈美に厳しく接する必要はない。

「とりあえず、これで様子を見ましょう。もし明日にも治らなかったら、少し休ませてもらうように佳織さんにお願いします。ひどくなってしまったら、困りますから」
「ありがとうございます」
「でも……」

陽太は少し言い淀んで、麻奈美の顔を見る。

「こんなことを続けていたら、麻奈美さんが壊れてしまう」
「大丈夫です。もうあと半年ほどの辛抱ですから」

国民奉仕法に定められた通常の奉仕期間は2年だが、多数の「ご主人様」に奉仕する共同奴隷は1年間と、期間が半分となっている。しかしその辛さは二倍以上だ。

「そんな、あと半年なんて、とても保つはずがないよ!」

陽太は思わず声を荒らげた。麻奈美は驚いて陽太の顔を見る。

「大丈夫です。私は大丈夫ですから」

麻奈美は自分に言い聞かせるように、そうつぶやいた。それから二人はしばらく黙っていた。


ハイライズの業績は目に見えて伸びていた。社内のムードも穏やかになり、チークワークもよくなっている。社員間のストレスが軽減されていたのだ。

それは明らかに「企業奴隷」導入の効果だった。そのストレスを麻奈美に発散することで、社員たちは精神的な抑制から解放されたのだった。

特に女子社員たちは、みんなで一緒になって麻奈美をいじめることで、仲間意識を強めていった。

今日の終業後は、紗香たちのグループの順番だった。もともと麻奈美のアシスタントを勤めていた紗香は、すっかりサディスティックな性癖に目覚めてしまい、率先して様々な責めを考案していた。

紗香たちのグループは5人。狭い福利厚生室はすし詰め状態だ。彼女たちが暴走して麻奈美の肉体を傷つけることがないように、部屋の隅には監視役として陽太が同席しているので、なおさらだ。

「じゃあ、まずご挨拶からね」

腕を組んだ紗香たちに取り囲まれた麻奈美は、床に額を擦りつけるようにして土下座して、屈辱的な「ご挨拶」を口にする。

「お忙しい中、奴隷・麻奈美の調教に参加いただきましてありがとうございます。本日も麻奈美のいやらしい身体で思う存分お遊び下さいませ」
「そういえば、この間、北畠に掘られてお尻の穴、痛めたんですって? どうなったのか見せてごらん」
「は、はい……」

麻奈美は床の上にうつぶせになり、尻を高くあげた。そして両手を後ろに回し、自ら尻肉を左右に割り開いた。可憐な窄まりと、その下の無毛の肉裂が露になる。数日前に真っ赤に腫れ上がっていたその二つの器官は、すでに元の美しい佇まいを取り戻していた。

「あら、全然大丈夫じゃない」
「どれどれ、見せて」

女たちは、突き出された麻奈美のその部分を覗き込む。

「本当だ。もうこれなら遊んでも大丈夫みたいね」
「でも、相変わらず麻奈美のここは綺麗よね。あんなに毎日色んな男にぶち込まれてるのに、全然汚くなってないんだもん」
「あんたなんか、全然使ってないのに真っ黒だもんね」
「え、見たの?」

女たちは下品に笑いあう。部屋の隅でそれを聞いている陽太は耳を塞ぎたくなる。

「ねぇ、北畠のって、すごい大きいって本当なの? 噂だとビール瓶みたいだって」
「えー、そんなのよくこの小さい穴に入ったわね」
「あっ!」

麻奈美の一年後輩だった美幸が、窄まりに強引に人指し指を突っ込んだ。その痛みに麻奈美は悲鳴を漏らす。

「ねぇ、どうなの? そんなに太かったの?」

美幸は指を第二関節まで挿入すると、乱暴にグリグリと左右に回した。すでに肛門は調教されている麻奈美だが、潤滑剤もなしにいきなり挿入されてはたまらない。しかし、麻奈美は歯を食いしばって耐える。

「す、すいません。他のご主人様のことは、話すことができないのです……」
「何、生意気なこといってんのよ、奴隷のくせに」

美幸はさらに乱暴に指を動かした。

「あっ、ああっ」

麻奈美の表情が歪む。

「まぁ、いいじゃない。私たちのことも、ペラペラ他の社員にしゃべられてたら、たまらないでしょ? 口が固いのはいいことよね、麻奈美」
「はい、ありがとうございます……」
「でも、なんかむかつくのよね。今日は覚悟しなさいよ」

美幸はとどめとばかりに指で腸内をかきまぜて、乱暴に引きぬいた。

「あっ、ああっ!」

さすがの麻奈美も、あまりの苦痛に膝を崩して床に倒れこむ。

「ちょ、ちょっと。まだ治りかけなんですから、少しは加減して下さいよ」

たまらずに陽太が注意した。女たちはジロリと陽太を睨む。

「わかってるわよ。あんたは黙って見てなさいよ」

単純に性欲を発散したいだけの男性社員たちとは違って、女性社員たちのプレイは、いつも恐ろしいものを陽太は感じていた。

(続く)

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11.12.05更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |