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第13章 女上司・麻奈美【9】

陽太は、潤滑クリームを美幸に差し出した。せめてクリームでも使ってもらわなければ、せっかく治りかけている麻奈美の肛門が、また痛んでしまう。

「本来、奴隷にこんなものは贅沢だとは思うんだけど、麻奈美は会社の備品だものね。壊したら怒られちゃうか」

美幸はブツブツ言いながら、クリームを麻奈美の窄まりに塗りつけていく。数日前に北畠の巨大なペニスで蹂躙されたとは思えないほど、そこは可憐な佇まいを見せていた。

美幸は指の先端を少し沈めたり抜いたりと微妙な動きで窄まりを刺激した。

「あっ、あっ……」

麻奈美は思わず声を漏らす。麻奈美はすでに調教によってその部分を性感帯として開発されているのだ。

しかし、女たちは残酷に責め立てる。

「やだ、なに変な声出してるのよ」
「まさか、こんなとこで感じてるの?」
「お尻の穴で感じるなんて、やっぱり麻奈美って変態なのね。本当は奴隷になれて、喜んでるんじゃないの?」
「そうなの、麻奈美? なんとか言いなさいよ」

美幸は指先を思い切り中へと突き刺した。いくら潤滑クリームが塗られているとはいえ、それは麻奈美に苦痛をもたらした。

「ひっ!」
「ここが気持ちいいの? ねぇ?」

美幸は指先を折り曲げて、腸内をグリグリとかき混ぜる。

「あっ、あっ、すいません。麻奈美は、お尻の穴で感じる、へ、変態なんです。あっ、ですから、許して……」
「おかしいわね、お尻の穴で感じるなら、これだって気持ちいいんじゃないの?」
「で、でも、そんなに強くされたら……」
「まったくいちいちうるさい奴隷ね」

美幸は指を勢いよく引っこ抜く。その痛みに麻奈美はまた呻き声を漏らす。

「やだ、なに、これ、汚い!」

美幸の指先が微かに汚れていた。女たちは騒ぎ出す。

「きゃあ、汚い」
「やだぁ、こっちこないでよ」
「信じられなーい」

そんな言葉に麻奈美は顔を真っ赤にする。アナルプレイをする前には腸内を綺麗にしておく準備は必須なのだが、それをしないでいきなり指を挿入すれば、汚れがつくのは当たり前だ。しかし、同性にそれを嘲笑されるのは、奴隷としての運命を受け入れた麻奈美でも、やはり辛かった。

美幸はティッシュペーパーで指を拭う。

「やぁねぇ。拭いても匂いが取れないわよ。もう、信じられないわ。奴隷の癖に」
「申し訳ありません」

理不尽でも、謝らなければならない。なぜなら、麻奈美は奴隷だからだ。

「こんな汚いものがついちゃうんじゃ、お前のお尻で思い切り遊べないじゃない。みんなどうしてるの?」
「あの、それは……」

麻奈美は言いよどむ。それを口にするのは、さすがに恥ずかしかった。

「綺麗にしていただいています」
「綺麗にって、どうやって? この中にブラシでも突っ込んで、掃除するの?」
「ははは、それも面白そうね。血だらけになっちゃいそうだけど」

麻奈美は震え上がり、そんなことをされるよりはと恥ずかしいお願いを口にする。

「か、浣腸を、していただいています」
「えーっ、浣腸?!」

女たちはわざとらしく驚いたような声をあげる。下品にゲラゲラと笑う。

「あなた、みんなに浣腸してもらってるの?」
「すごいわね。そんなこと、お願いするなんてまともな人間ならできないわ。あ、麻奈美は奴隷だから人間じゃないのか」
「ねぇ、ねぇ、浣腸ってどうやるの?」

陽太は苦々しく思いながらも、浣腸の支度をしてやる。女たちの目の前に大きなガラス製の浣腸器、そしてぬるま湯で割ったグリセリン溶液を満たした洗面器を並べる。

「ねぇねぇ、私たち、浣腸プレイなんて変態的なこと、やったことないからわからないだけど、どうするの?」
「……その浣腸器に、溶液を吸い上げて、あの……入れてください」
「どこに入れるの? ちゃんと教えて」
「はい。……私の、お尻の穴に、先を挿入して、溶液を注入して下さい」
「この液、ずいぶんあるけど、どれくらい入れていいの?」
「二本分くらいで、十分です」
「ふうん、じゃあ、やってみようかしら」

もともと、うつ伏せになって腰を高く掲げて、自らの手で尻肉を開いているという浣腸には最適のポーズを取らされているのだ。

まず、紗香が浣腸器を構えた。陽太の注意により嘴管にも潤滑クリームが塗られている。

「なんかドキドキするわね」

紗香はゆっくりと嘴管を窄まりの中央に当て、そして力を入れて沈めていった。

「ん、んん……」

麻奈美が苦しげな声を漏らすが、紗香は構わずに嘴管を根本まで挿入すると、シリンダーを押した。薬液が麻奈美の腸内へ注入されていく。

「ああ、いやぁ……」

もう何度も体験はしているのだが、決して慣れることのない不快な感触だった。麻奈美は歯を食いしばって必死に耐える。

続いて美幸が二本目を注入する。

「ふふふ、なかなか楽しいわね。男の人が中出しする時って、こんな感じなのかしら」
「やだぁ、美幸。あんたいつもナマでやらせてるの?」

女たちは残酷に笑いあう。

「二本でいいって言うけど、せっかくだから私たちもやらせてもらうわよ」
「漏らしたら承知しないからね」

続いて、総務の雛子が浣腸器を受け取る。

そして、五人全員の注入が終わった。麻奈美の腹部は妊娠でもしたかのように膨れ上がってしまった。

「さて、あなたに言われた通りに、浣腸してあげたわ。するとどうなるの?」
「べ、便意が催されます……」

すでに大量の浣腸液が麻奈美の腹部の奥で暴れまわっている。その鈍く重い苦痛と、麻奈美は戦っていた。

「つまり、うんちが出そうになるってことよね。まさか、みんなの目の前でするの?」
「それは……。あの、トイレに行かせてくださる方もいますし……、ここでさせる方もいらっしゃいます」
「えーっ、本当に人前でそんなことするの? いくら奴隷でも、それはないわよね」
「はい、できればトイレに行かせていただければ……、お見苦しいものを、お、お見せしないで済みますので……」

麻奈美は激しい便意に襲われ、もうしゃべるのも苦しいほどだった。一瞬でも力を抜いたら崩壊してしまう。

「私たちだって、そんな汚いもの見たくないわよね」
「では、トイレに行ってよろしいでしょうか?」
「そうねぇ、どうしようかしら」
「でも、浣腸っていっぱい我慢させたほうが効果があるっていうわ」
「あんた、なんでそんなこと、知ってるのよ。自分でもそういうことしてるの?」
「バカ。一般常識よ」

女たちは、呑気にふざけあっているが、麻奈美はもう限界だった。凄まじい苦痛が下腹部を襲い、肌には脂汗がにじむ。

「お許し下さい。もう、もう限界なんです」

突き上げられた白い尻がブルブルと震えている。誰の目にも、麻奈美がもう数分と耐えられないことは明らかだった。

「ちょっと待ちなさいよ。でも、こんなところで漏らしたら承知しないわよ。全部、舐めさせて掃除させるからね」
「ははは、それも面白いかもね」
「あ、あ……、いや……」
「でも、もう、トイレまでもたないんじゃないの」

美幸の言う通りだった。もう、福利厚生室の奥の扉を開けて、さらにその奥のトイレにまで歩いていくのは不可能だった。もう、まともに立ち上がることすら出来ない。

もう限界だと判断した陽太は、用意してあるポータブル便器を麻奈美の股の間に置いた。

「あ、ありがとうございます……」

薄れ行く意識の中で、麻奈美はお礼の言葉を搾り出す。その上に腰を落とす。

「ちょっと待ってよ。あなた本当にここでそんなことする気?」

紗香がストップをかけた。

「ああ、もう、もう限界なんです。お許し下さい」
「ねぇ、私たちの前でうんちするの? 恥ずかしくないの?」
「恥ずかしいです。死ぬほど恥ずかしいです。でも、もう……。ああ、もう許して下さい」
「じゃあ、ちゃんとお願いしなさいよ」
「そうよ。これから麻奈美は汚いうんちをしますけど、見てくださいって」
「うんちするところを見られるのが好きっていうのも言って欲しいわね」
「だって変態だもんね」

それがどんなに屈辱的な言葉であろうと、もはや麻奈美には選択権はない。一秒でも早く、お許しを得るしかないのだ。

「ま、麻奈美は他人に、うんちをするところを見られるのが好きな変態奴隷です。これから汚いものを、お見せします。不愉快でございましょうが、どうか、よく見て下さい……。あ、ああ、もうだめですっ!」

屈辱の口上を言い終えるか終わらないかというところで、麻奈美は限界を迎えてしまった。可憐な窄まりがブルッと震え、そして口を開くと強烈な勢いの水流が噴き出し、ポータブル便器の底を叩いた。

「うわっ、すごいっ!」
「いやぁぁぁぁぁ、見ないで下さいっ!」

便器の上にしゃがみ込む姿勢で跨った麻奈美は手で顔を覆っていた。同性の目の前で排泄させられるのは初めての経験だった。そしてそれは、これまでに体験した強制排泄よりも、ずっと恥ずかしく、屈辱的だった。

「きったないわねぇ。そんなに勢いよくひり出すから、飛び散ってるわよ」
「うわぁ、いくらなんでも、人前でこんなことできるなんて、同じ女として信じられないわ。さすが奴隷は違うのねぇ」
「でも、この人がちょっと前までは社内の憧れだったのよね。まさか、人前でうんちするのが好きな変態だったなんてねぇ」

女たちの残酷さは、男たちの比ではなかった。その言葉のひとつひとつが、麻奈美を傷つけた。

長い長い排泄が終わり、麻奈美は泣きじゃくった顔のままで、自らが汚した便器と床を片付けさせられた。

「ほら、そっちも汚れてるわよ」
「ちゃんと拭きなさいよ」

四つん這いになって、雑巾で床を拭く。その度に白くむっちりした尻がプリプリと揺れる。ついさっき、あれだけの惨劇を見せつけた部分とは思えないほどに、それはエロティックなフォルムだった。

その美しさが女たちの嫉妬をかきたてる。麻奈美が自分たちよりも美しい肉体を持っているということが許せないのだ。

さぁ、どうやって、麻奈美を汚してやろう。女たちがそう考えている時だった。

ドアがノックされた。陽太がドアを小さく開ける。

「すいません、第三開発の大原ですが、木村チーフに緊急の連絡がありまして……」

ドアの隙間から顔を見せたのは大原剛士だった。陽太と同じ新入社員だ。

「なんだ、剛士か」
「ああ、木村さん、いる?」
「いるけど。ちょっと待って」

陽太が美幸を呼びに行っている間、剛士はドアの隙間から、四つん這いになって床を拭いている麻奈美の裸身を覗き見していた。その目は、牝を見る雄のそれだった。

(続く)

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11.12.12更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |