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第14章 収容所長の密かな愉しみ【2】

「あっ、いやっ」

玲子が初めて気弱な声を上げた。その表情を見て、男たちは目尻を下げる。女性が羞恥に悶える姿は、彼にとって何よりのごちそうなのだ。

鎖は強力なモーターの力で天井へと巻き上げられていく。非力な玲子がそれに抗えるわけもない。玲子の脚は、両足首につながれた鎖に引っ張られて、地面を離れた。腕も天井から吊られているため、玲子の身体は宙に浮いてしまう。しかも、脚を引っ張る鎖は左右に大きく離れて巻き上げられている。つまり、玲子は両脚をVの字状に開いて吊られてしまったのだ。

当然のことながら、恥ずかしい股間は、男たちの前に余すところなくさらけ出されることとなった。

「い、いや……」

玲子は顔を肩に埋めて、視線を避けようとする。しかし、男たちが最も見たい部分は、どうにも隠すことは出来ない。

細長い形状に密集した漆黒のヘアに縁取られた肉裂が剥き出しになる。陰唇は淡いピンク色で薄めの形状。脚を大きく広げられているために、その部分はうっすらと口を開いて、内側のピンク色の粘膜が顔を覗かせている。そしてその下の可憐な窄まりまでもが、男たちの淫らな視線の前に晒されているのだ。

井浦所長は立ち上がり、屈辱的な格好で吊られている玲子に近づいた。そしてその股間を覗き込んだ。

「いや……、見ないで」

玲子が思わず呻く。井浦はよだれをたらさんばかりの好色な笑みを浮かべつつ、少女の恥ずかしい部分に顔を近づけている。目をつぶっても、井浦の荒い鼻息がそこに感じられる。

「この資料によると、安藤玲子はレズビアンで女性との経験は豊富なようですが、男性との性体験はまだないとのことです。つまり処女ですね」

松本が手元の資料を読み上げた。

「ほう、これは処女のおまんこということですか。ふふふ、さすがに綺麗だ。しかし、そうなると……」

井浦は振り返って松本を見た。

「そうですね。向うに送るまで、処女は守ったほうが価値がありそうです」
「そうすか。それは残念ですが、まぁ、他にも色々愉しみ方はありますしね」

井浦はそう言って、玲子の股間に指を伸ばした。茂みの中の包皮に隠された敏感な蕾を指先で探りだし、嬲った。

「あっ、ああっ……」

玲子は苦痛に耐えるような声を漏らす。

「女とは経験豊富だということは、感度のほうはもう十分なんでしょう」

井浦は玲子の秘裂を押し開いたり、肉唇をつまんだりと指で嬲った。玲子は歯を食いしばって、その恥辱に耐えていた。

「なるほど、男に触られても、気持よくはならないということですか。全然、濡れてきませんね……。ふふふ、これはこれで面白いかもしれません」

しばらく玲子を弄んでいた井浦は、今度は真弓のほうに振り向く。真弓は玲子が吊り上げられ、嬲られるのを震えながら立って見ていた。両腕は手枷で拘束されているので、年齢の割りには豊満なその裸身は隠すことも出来ずに男たちの前に晒したままだ。

「さて、真弓ちゃんのほうは処女なのかな?」

井浦の粘着質な視線に、真弓は怯える。

「高梨真弓は、同級生の男子に犯されてますね。その件で相手の男子は逮捕されたわけですが。現段階では、学級奴隷への性交行為は禁止されているのです。本人は、担任教師や他のクラスメートにも犯されたと言っているようですが、その事実はなかったと警察は判断してますね」

松本が真弓の資料を見ながら説明した。すると真弓が叫んだ。おとなしい真弓が出した初めての大声に、男たち、そして玲子も驚いた。

「本当なんです。先生たち、みんなが嘘をついているんです。私、私、みんなに……」

叫びながら真弓の目には涙が浮かんでいた。今まで耐えていたものが一気に溢れでたようだった。

「まぁ、その真偽は私たちが判断するものではないですしね。とにかくあなたは奉仕期間にも拘わらず、脱走した。これは重大な罪であることは間違いないでしょう」
「ああ……」

真弓はがっくりと肩を落とす。

「さて、あなたたち二人は国家奉仕法違反者として、この第八特殊収容所へ送られてきたわけです。ここは未成年の反体制思想者を矯正するための施設です。特に国家奉仕法に対してのね。しかし、本来なら女子の受刑者は第十、もしくは第十一収容所に送られるんですね」

井浦は、玲子と真弓の顔を見た。好色でサディスティックな性格が表情ににじみ出ている。少女たちに恥辱を味わわせることが楽しくてしょうがないのだ。

「つまり、わかりますか? この第八特殊収容所は、男子受刑者のみの収容所なんですよ。そこにあなたたちは入るんです。男の中に女が二人だけね」
「そ、そんな!」

玲子と真弓は同時に叫んだ。そして、男たちは笑い出した。


第八特殊収容所は、他の特殊収容所とは違った意味を持った施設だった。国政にも大きな影響力を持つ奉仕庁の実質的支配者、北尾事務次官の隠れた活動拠点であり、そしてまた実験場でもあった。

今ではどこの収容所でも公務奴隷が導入され、収容者の性欲を発散させているが、それもまずこの第八特殊収容所で実験的に実施され、それから他の収容所への実施が広がっていった。

男子収容所の中に、奴隷ではなく同じ収容者として女子を入れてみるというのも、北尾から井浦所長へ指示された新たな実験だった。北尾がどんな意図でこの実験を行なおうとしているのかは井浦にはわからないし、それを探ろうとも思わなかった。井浦は、ただ北尾の命令に従うだけ。それでこれまでやってきたのだ。

かつて、真弓というお気に入りの奴隷がいたのを、北尾の命令で収容者あがりの若者に受け渡した時も、井浦は逆らわなかった。

北尾の命令なら、所長は靴の裏でも舐めるし、ケツだって貸すだろう、他の職員たちに影でそう笑われているのを知っていても、井浦は気にしなかった。たぶん、北尾がそう言うなら、そうするだろうと思うからだ。

もともとは一介の職員に過ぎなかった自分に、同郷というだけで目をかけてくれた北尾に井浦はひたすら従属した。北尾のどんな無茶な要求にも応えるようにした。

そして、北尾は井浦を収容所の所長の座にまで引き上げてくれたのだ。北尾は井浦にとって、主人と仰ぐに相応しい存在なのだ。


第八特殊収容所の収容者たちは、それぞれ10人ほどのグループに分けられていた。関口新一は、B-13というグループに所属している。グループはAからDまでのランクがあり、Bはそこそこ素行のいい収容者ということになる。ここからAランクに上がれれば、出所も近いということだ。

新一は、奉仕庁を揶揄する小冊子の制作に関わったということで二カ月ほど前に逮捕され、収容された。本人に奉仕庁に対する反感は特になく、軽い気持ちで友人の作業を手伝ったに過ぎなかったのだが、それでもこの国では重罪だった。その制作の中心であった友人などは、もっと厳しいところへ送られたと聞いている。

B-13は新一と同じく中学生の収容者ばかりが10人のグループだ。13歳が4人、14歳が6人。そんな年齢なので反体制の立派な思想を持っている者など一人もおらず、たいていが新一と同じように、事件に巻き込まれた口だ。それでも他の中学生グループの中には荒々しい者も少なくないようだが、B-13はたまたまなのか、そう仕分けられたのか、おとなしい性格の少年ばかりが集まっていた。

通達はその朝、唐突に告げられた。

「今日からお前たちB-13は、しばらく北沼エリアでの出張作業に出ることになった。向こうで寝泊まりすることになるので、準備するように」

教官はそれ以上の説明をしてくれなかった。北沼エリアといえば、この収容所から10kmは離れた、さらに山奥だ。確か以前は、教官でも手を焼く凶暴な収容者を隔離しているようなところだったはず。当然、環境も劣悪だ。

「え、おれたち、何か悪いことしましたか?」

おとなしく従順なB-13のメンバーはその指示に驚いた。そんな遠隔地に飛ばされることになる理由は全く思い当たらない。

「別にそういう意味ではない。ちょっとあそこで作業しなければならない事案が出来ただけだ。さぁ、さっさと準備するんだ。一時間後には出発するぞ」

新一たちは、ぶつぶつ言いながらもおとなしく準備にとりかかった。といっても、私物らしい私物はほとんどない。ちょっとした着替えくらいのものだ。

「おい、あれ、持っていったほうがいいよな?」

誠が新一に囁いた。B-13で新一と一番仲のいい少年だ。

「でも、見つかるなよ。バレたら、北沼エリアから帰ってこれなくなるかもしれないぜ」
「大丈夫、大丈夫」

誠が言った「あれ」とは、いわゆるエロ本だった。それもヌードグラビアと体験告白記事が載っている実話誌だ。ネットが普及している現在、中学生でもこんなソフトなエロ本では満足しないだろう。

しかし、そうした情報から遮断されている収容所の中では、こんな雑誌でも重要な「ネタ」だった。

特殊収容所では15歳以上の収容者なら、共用奴隷を相手に性欲を発散することが出来るのだが、彼らのような14歳以下の収容者には、それは許されていなかった。だから、かれらのような年少組はいつも悶々と育ちはじめた性欲を持て余していたのだ。

3時間以上、山道を歩かされて、B-13の少年たちは北沼エリアに到達した。北沼という大きな沼のほとりに、半分朽ちたような鉄筋の建物があった。ここが彼らがこれから暮らす施設なのだ。

「まじかよ、こんなところで生活できるのかよ……」

誠がつぶやく。いくつもの窓はガラスが割れたまま。まるで廃墟のような建物だった。

それでも、彼らに与えられた部屋は、それなりに整備がなされていた。今までB-13に与えられていた部屋よりも、少し広いほどだ。

少年たちは荷物をそれぞれの戸棚に入れ、しばしの休息をとろうとしていた。

その時、ドアが開き、彼らをここまで引率してきた白石教官が入ってきた。

「全員いるな。よーし、聞け」

教官は10人の少年たちの顔を見渡す。

「これからこのB-13に新しいメンバーが加わることになった」

少年たちはどよめく。

「え、11人になるんですか?」

どのグループも常に10人というのが収容所の決まりだった。出所などでメンバーが一人減れば一人追加されることになっている。

「おい、来い。みんなに挨拶するんだ」

教官に呼ばれて、部屋に入ってきた者を見て、少年たちはどよめいた。

それは美しい少女だった。自分たちよりも少し年上だろうか。シャープな整った顔立ちで、身体つきはほっそりとしている。

そして彼女が着ているのは自分たちと同じ武骨な収容者の制服なのだが、下半身は同じ生地のミニスカートなのだ。裾から伸びたスラリとした白い腿に、少年たちは目をパチクリさせた。

「は、はじめまして。安藤玲子と申します。これからみなさんの仲間にさせていただきます」

玲子は頭を下げた。

(続く)

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01.16更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |

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