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第14章 収容所長の密かな愉しみ【3】

美しい年上の少女を迎えて、B-13グループの少年たちは困惑していた。この収容所に入れられてから、本物の女性を見たのは初めてなのだ。15歳以上の収容者のように、共用奴隷を与えられるわけでもない彼らは、苦労して入手したエロ本を回し読みするくらいが、芽生えたばかりの性欲を満足させる方法だった。

そんな彼らに、ミニスカートから伸びた玲子の白い腿はあまりに刺激的だった。
少年たちの視線を感じて、玲子は居心地が悪そうだった。

「念のために言っておくが、この安藤玲子に猥褻な行為をするような者がいたら、グループ全体の責任として厳しい処罰が下るからな。指一本さわるんじゃないぞ。例えばこんなこととかな」

白石教官はそういうと、玲子に後ろから抱きついて、その小さな胸を揉みしだいた。

「きゃっ!」

玲子は驚いて悲鳴を上げる。抵抗しようとするが、大柄な白石の力にはかなわない。

「玲子は同じ収容者であって、共用奴隷ではないんだからな。ふふふ、可愛らしいおっぱいをしてるじゃないか、玲子」
「いや、や、止めて、下さい……」
「こういうことをしてはいけないぞ、お前たち。ふふふ」

少年たちはポカンと口を開けて、教官に胸を揉まれる少女の姿を見つめていた。

「まぁ、触るのはいけないが、見えるのはしょうがないよなぁ。見えてしまったらなぁ」

白石は右手を伸ばして玲子のスカートをまくり上げた。

「い、いやぁっ!」

白い下着に包まれた下半身が露になった。白くすべすべとした腿の付け根、やわらかな曲線を見せる下腹部と小さなへそ。それは少年たちにはあまりにも眩しい光景だった。

「や、止めて下さい……」

玲子は恥ずかしさに身をよじるが、がっちりと抑えこんでいる白石からは逃れられない。剥き出しになった下半身がくねくねと踊り、それが少年たちの欲情をさらにかきたてた。誰もが股間を手で押さえていた。興奮のあまり、鼻血を垂らしているものまでいた。

「見るのはいいが、こんなことをしてはいけなんだからな」

白石は玲子の股間へと手を伸ばした。白いショーツ越しに荒々しく、そこを指でまさぐる。

「あっ、いや……。やめて……」

玲子は恥辱に顔を歪める。年下の少年たちの前でこんな見世物にされるなど、プライドの高い玲子には、耐えられなかった。

「ふふふ、まぁ、そんなわけで、仲良くしてやってくれ。くれぐれも、あんまり仲良くしすぎないようにな」

白石は乱暴に玲子を突き飛ばすと、部屋を出ていった。

玲子は床に倒れ込んだ。少年たちは、突っ立ったままで玲子を見ていた。どうしていいのか、わからない。ただ、剥き出しになった白い腿から目が離せない。

やがて玲子は身体を起こす。目には涙がうっすらと浮かんでいるが、キッと少年たちを睨んだ。何か言いたそうだったが、言葉を飲み込む。

「あの、大丈夫ですか」

最初に新一が玲子に声をかけた。立ち上がるのに手を貸そうとしたが、白石の「指一本触るな」という言葉を思い出し、慌てて引っ込める。

「そういうことくらいはいいのよ。弱虫ね、あんた」

玲子は吐き捨てるように言って、自分で立ち上がる。

「あ、すいません。おれ、小山新一といいます。いちおうこのB-13のグループ長をやっています」
「そう。よろしくね」

玲子は新一とは目を合わせない。白石から辱めを受けている姿を少年たちに見られたことが、悔しいのだ。

「木村誠です。副グループ長です」
「林慶太です」
「赤塚信です」

少年たちは口々に自己紹介をはじめたが、玲子は興味なさそうに気のない返事をするばかりだった。


裏庭にある畑での農作業が、新一たちB-13グループに課せられた仕事だった。ずいぶんと放置されていたらしい畑は荒れ放題で、まずは雑草を抜いたり、石を除去したりといった作業が必要だった。

少年たちに混ざって、玲子も黙々と作業を行なっていた。できるだけ少年たちと口をきかないで済むようにしたいのか、隅のほうで一人で石を拾ったりしている。

白石教官は、畑の周りをうろうろしながら、少年たち、そして玲子を監視していた。

「どうだ、作業はつらいか?」

白石がしゃがみ込んで石を拾っている玲子に声をかける。スカートの丈が短いのでしゃがみ込むとショーツがチラチラと見えてしまうので、玲子は少年たちに背を向けて作業しているのだが、白石はわざと正面から股間を覗き込む。玲子はそれに気づくと、向きを替えて見られまいとする。

「ふふふ、ここに送られてくるまでに、たくさんの職員に、奥の奥までさんざん見られただろうに、まだ恥ずかしがってるのか。まぁ、そのほうが面白いがな」

白石のそんな言葉も、玲子は聞こえないように黙々と作業を続けている。白石はそれが気に入らないようで、さらにちょっかいを出す。

「ほら、そこの根っこも抜かないといけないなぁ。力入れて引っ張って抜かないと。ほら、股をおっぴろげて、ケツをあげないと力が出ないぞ、ははは」

白石がしつこく玲子に絡んでいるのを新一は苦々しく見ていた。なんだか、妙に腹が立つのだ。そして、ついこんな行動に出てしまった。

「あ、すいません」

白石の背後で、わざとつまずいたのだ。白石は突き飛ばされ、しかも新一が持っていたバケツの水を浴びてしまった。

畑に尻餅をつき、顔から泥水をかぶった白石の姿は無様だった。思わず、少年たちは笑った。玲子もクスリと小さく笑った。

「すいません。本当にすいません、教官。ちょっと足がもつれてしまって」

新一は謝ってみせる。これで教官から厳しく叱られるのは覚悟している。謹慎室に入れられるかもしれない。それでも、自分の気持ちは抑えられなかったのだ。

白石はハンカチで顔を拭きながら立ち上がった。

「そうか、小山。そうまでしてこの女にいいところを見せたいとは、度胸があるな」
「とんでもありません。本当に、うっかり転んでしまっただけで……」
「誰が信じるか。まぁ、いい。お前のミスは共同責任だ。実はな、この玲子をグループに入れたのは、意味があるんだ」
「え?」

何を言い出すのかと、新一も玲子も白石の顔を見た。

「これから、B-13の誰かが処罰されるようなことをした時は、すべて玲子が罰を受けることになる」
「そんな馬鹿な」
「どうしてそんな!」

少年たちは騒然とした。白石の言っている意味が理解できない。

それはもちろん玲子も同じだ。呆然と白石を見つめていた。

「これも実験でな。罰は集中させたほうが、グループの結束力と業務効率が上がるという学説があって、その実証をお前らB-13でやろうというわけだ。そのために玲子を入れたんだ。お仕置きされる専門要員としてな」
「でも、そんなのひどすぎます! 玲子さんが可哀想だ」

誠が叫んだ。もともと一本気で曲がった事が嫌いな性格の少年だ。こんな理不尽を許せるはずもない。

「なんだ、お前らにとってはいい話だろう? 何かやっても、自分は処罰されないでいいんだぞ。それどころか、むしろ目の保養になるぞ……」

白石は気味の悪い笑顔を浮かべた。

「でも……」
「木村、それ以上、おれに逆らうと、玲子への処罰がさらに重くなるぞ。いいのか?」
「う……」
「ふふふ、しかしそのうち、それを喜ぶようになるかもしれないがな」

玲子はこのとんでもない事態を、まだ理解できていない。ただ、呆然と突っ立って、目をパチクリさせている。

「よし、玲子。制服を没収する」
「は?」
「脱ぐんだよ。お前はこれから、しばらく下着姿で生活してもらう」
「どうしてですか……」
「うるさい。お前へのお仕置きは、担当の教官が自由に決めていいことになっているんだ。ほら、さっさと脱がないか。グズグズしてると、下着も全部脱いでもらうことになるぞ!」

白石なら本当にそんなことまでやりかねない。玲子は悔しさに唇を噛みしめながら、畑の中で収容者制服を脱いでいった。白い下着、そして白い肌が陽光の元に晒される。ただでさえ汗ばむ季節であり寒くはないが、少年たちの中で一人だけ下着姿になるのは、年頃の少女にとってはあまりにつらいことだった。

「よし、これは没収だ」
「あっ」

玲子の脱いだ制服を、白石が奪い取る。白いブラジャーとショーツ、そして黒い首輪だけになってしまった玲子は、思わず手で胸と股間を隠し、身体を小さくする。

その玲子の恥ずかしい姿から少年たちは目が離せなかった。玲子を助けようとした新一も誠も、目をそらすことなど出来なかった。

すべすべとした白い肌と、悩ましげな曲線は少年たちの劣情を激しく刺激した。自分の肉親以外の女性のこんな姿を間近で見るのは、みんな初めてなのだ。

「ほらほら、お前らは作業を続けろ。玲子、お前も石拾いなんて楽な作業じゃなくて、ちゃんと鍬を振るうんだ」
「は、はい……」

玲子は羞恥に身を震わせながら、白石の命令通りに、畑の真ん中で大きな鍬を振るって、土を耕す作業をすることになった。

玲子の細い腕に、大きな鍬は不似合いだった。しかし、玲子は力を振り絞って、鍬を振るう。

夏の陽射しが容赦なく照りつける。そしてこの重労働。必然的に、玲子の肌には汗がにじんでいく。少女の白い肌が汗で濡れていく様はなんともエロティックだった。

そして、その汗は下着を容赦なく湿らせていく。厚手に見えて、実は水分をよく吸収して透けやすいその下着の生地は、少しずつ透明度を高めていった。

肌にぴったりと貼り付き、その形状を浮かび上がらせる。乳首の形、そして陰毛の陰りが少年たちと教官の目に晒されていることに、作業に没頭している玲子は気づいていなかった。

少年たちは作業の手を止めて、少女のその恥ずかしい姿を見つめていた。それを白石も注意しない。

玲子が少年たちの視線に気づいたのは、それからずいぶん経ち、下着がさらに透明度を増してからのことだった。

「えっ……。いやぁっ!」

玲子は悲鳴を上げて、しゃがみこんだ。ブラジャーもショーツも、完全に濡れて透けてしまっていた。そんな姿で少年たちに見られていたなんて……。

しかし白石は残酷に命令する。

「なにやってるんだ、玲子。ちゃんと作業を続けるんだ」

そうして玲子は透けた下着姿のままで、少年たちの視線を浴びながら、厳しい作業を続けなければならなかった。あまりの恥辱に、目の前が真っ白になる。

しかし、それはこれから玲子が受けるお仕置きの数々に比べれば、遊びのようなものに過ぎなかったのだ。

(続く)

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12.01.23更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |