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全ての国民は2年間、国に全てを捧げて奉仕する義務がある――。日本によく似た、しかし異なる某国で「奉仕者」の立場に転落した女たちが辿る、絶対服従の日々。飼育・調教が法律によって認められた世界で繰り広げられる、異色エロティックロマン!
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第14章 収容所長の密かな愉しみ【4】

夕方、農作業を終えて少年たちと玲子は宿舎へ戻った。もちろん玲子は下着姿のままだ。汗で濡れた下着は乾き、もう透けてはいなかったが、それでもそんな格好でいるのは、玲子にとっては、たまらなく恥ずかしく、辛いことだった。しかも、自分より年下の10人の少年に囲まれているという状況なのだ。

気にしないようにしようとしても、少年たちがチラチラと自分の身体にいやらしい視線を向けているのがわかってしまう。本来、同性愛者としての資質が強い玲子にとって、少年たちのそうした性欲はおぞましくてならなかった。

少年たちは、表向きは親切に何かと世話を焼いてくれようとしたが、玲子はそっけない態度を取り、決してガードを崩さなかった。

就寝の時も、一人だけ布団を離して敷いた。トイレの前で悪臭がひどかったが、それでも少年たちの体臭を感じながら眠るよりはましだった。そして、もしかしたら、襲われてしまうかもしれないという警戒心から、なかなか熟睡できなかった。


翌日の午前中は農作業ではなく、「学習」の時間に当てられた。東京国にとって、国民奉仕法という法律がいかに重要で、守らねばならないものかを叩きこまれる思想教育だ。

学校のように机の並んだ教室で、教官の指導の元、国民奉仕法の意義について書かれた教科書を何度も朗読させられる。

「国家とは国民一人一人の集合体であり、特定の個人のためのものではない。つまり国民が国家に奉仕するということは、すなわち国民自身に奉仕することである……」

少年たちは朗々とした声を揃えて教科書を読みあげていく。玲子もそれに習う。ここで、やる気のない素振りでも見せようものなら、大変なことになることは玲子もわかっている。

そして朗読の途中に一人の少年が大きなくしゃみをした。13歳で、B-13の中でも一番身体の小さい慶太という少年だった。

白石教官がじろりと慶太を睨んだ。

「大切な朗読中に、そんなくしゃみをするとは、お前はずいぶんたるんでいるようだな」
「す、すいましぇん」

怯えた慶太は、思わず変な返事をしてしまう。少年たちはゲラゲラと笑った。教室のムードが一気に緩み、白石は不愉快そうに眉をひそめた。

「お前ら、最も重要な国民奉仕法の学習中に、どういうつもりだ!」

白石の怒鳴り声に、少年たちは一斉に黙りこみ肩をすくめた。

「これは罰が必要だな。おい、玲子!」

突然、名前を呼ばれて玲子はきょとんとした表情になる。

「B-13の罰だ。下着を一枚取れ」
「えっ!?」

教室は騒然となる。

「昨日言ったはずだろう。B-13の誰かが処罰されるようなことがあれば、すべて玲子が罰を受けるんだと」
「で、でも、そんな……」
「早くしろ。言うことを聞かないと、罪はどんどん重くなるぞ」

玲子の顔から血の気が引く。この場において白石教官の命令は絶対なのだ。どんな理不尽であろうと、逆らうことは許されない。それはわかっている。しかし、下着を一枚脱ぐということは、少年たちと白石に乳房を晒すということだ。そんな恥ずかしい格好にならなければいけないのか。

玲子はしばらく逡巡した後に、おずおずと右手を背中に回した。左手を胸に当て、ブラジャーを押さえながら、ホックを外した。

少年たちが唾を飲み込む音が聞こえた。玲子は両手で一枚の布切れとなってしまったブラジャーを胸で押さえ、その乳房を隠していた。今、手を外したら、ブラジャーは床へ落ちて、乳房が露になってしまうのだ。

恥ずかしさに震える玲子に、白石は容赦なく追い打ちをかける。

「おい、玲子。立って、そのブラジャーをこっちによこせ。没収する」

玲子は黙って立ち上がり、白石にブラジャーを渡した。しかし、胸はしっかりと手で隠している。乳房の膨らみは見えてしまっているが、なんとか乳輪と乳首は死守できている。

しかし、少年たちの視線が自分の胸元に集中していると思うと、玲子は恥ずかしさで身体が熱くなってしまう。

「ふふふ、そんなに一生懸命隠して、そんなに恥ずかしいのか。まぁ、いい。そうやって隠している姿もエロいからな。その手をどけろとは言わないよ。どこまで隠していられるかは見物だがな」

玲子は顔を真っ赤にしながら、椅子に座った。もちろん胸は両手で覆ったままだ。そこからはみでる乳房は決して大きくはないが張りがあり、その悩ましげな曲線は少年たちの劣情を誘うには十分だった。

「ほら、右手でちゃんと教科書を持つんだ。朗読を再開するぞ」
「は、はい……」

玲子は右手を胸から外して教科書を持った。それでも左手でしっかりガードしているので、乳首は見えない。

教科書の朗読は再開されたが、少年たちの声は明らかにさっきよりも小さくなっている。玲子の胸のほうに意識が行ってしまっているのだ。まだ見たことのない、生の女の乳房が気になってしょうがない。

その時、また大きなくしゃみが起きた。教室に緊張が走る。くしゃみの主は14歳の拓巳だった。

「すいませーん」

拓巳はニヤニヤ笑いを浮かべながら頭を下げた。その時、B-13の全員が拓巳の考えを理解した。もちろん玲子も、だ。

玲子はキッと拓巳を睨んだ。

「またか。しょうがないな。よし、またB-13の罰だ。玲子、下着をもう一枚脱ぐんだ」

教室内に歓声が上がった。


「どうですか、真弓ちゃん。この第八特殊収容所の生活は?」

所長室に呼び出された真弓は、何かに怯えているようだった。井浦所長はそんな真弓を楽しそうに眺めている。

「つ、辛いです……」

真弓の声は震えていた。目には涙も浮かんでいる。顔色も悪い。

真弓はD-3というグループに編入させられた。そこはこの収容所でも、19 歳という最も年齢が上で、最も素行の悪い収容生ばかりが集められたグループだった。

この収容所では、日頃の態度がよく思想の矯正が認められる者は週に1回、公務奴隷を利用することが出来る。公務奴隷とは、奉仕者となるも入札がなかった者、つまりご主人様のなり手がなかった奴隷が堕とされる身分だ。たいていは、あまり器量がよくない女性ということになる。それでも、若い性欲を有り余らせている少年たちにとっては、貴重な発散相手である。

そしてさらに器量の悪い公務奴隷は、共用奉仕所に送られる。そこでは壁の穴から股間だけを剥き出しにした格好で、公務奴隷が並べられている。収容生は、誰でもいつでも、そこへペニスを挿入して性欲を処理できる。ここへ送られる女は、人間扱いすらしてもらえないのだ。

D-3の少年たちは、当然のことながら公務奴隷の使用とは無縁だ。共用奉仕所が唯一の性欲の発散となっている。

そんな彼らに、年齢以上に豊満な肉体を持った14歳の少女を与えたのだ。我慢できるはずがない。少年といっても、もう成年間近であり、身体も大きく、そして性欲も力もありあまっている。

一切の猥褻行為を禁じるという命令など、彼らには通用しなかった。10人の収容生は一斉に真弓に襲いかかった。何本ものペニスを口に咥えさせられ、そして次々と犯された。

見回りに来た教官に、真弓が助けを求めようとすると、彼らは口裏を合わせて、犯した事実などないと言った。そして教官は見て見ぬふりをした。輪姦は夜が明けるまで続いた。溜りに溜まった彼らの欲望は果てしなく爆発を続けた。

二日目にして、真弓は倒れ、医務室に運ばれた。そして、ようやく体力を回復した真弓は、所長室に呼び出されたのだ。

「もう身体のほうが大丈夫なら、またD-3に戻ってもらうことになるわけですが……」

真弓は泣き出しそうな顔になる。

「いやです。もうあそこだけは許して下さい。私、死んじゃいます……」
「そう言っても、あなたはD-3に編入されたのですから、あそこで仲良くなってもらわないといけないんですよ」
「でも、それなら、もうあんなことしないように見張っていて下さい。あんなことしてはいけないって、教官さんは言ってたのに」
「そんなことは出来ませんよ。そんなことに人手を避けるほど、教官が余っているわけではないんですからね」
「お願いします。お願いします。あそこに戻すことだけは許してください」
「ふふふ、そう言われても困りますね。あなたたちを男子収容生と一緒に生活させるというのは、奉仕庁からの指示なのですからね」
「でも……。お願いします。何でもします。何でもしますから……」

真弓は床に這いつくばって土下座した。震えながら額を所長室の床に敷かれたカーペットにこすりつける。

「しょうがないですね」

井浦は不気味な笑みを浮かべた。

「まぁ、しばらくは私があなたの身分を預かることにしましょうか。まだ体力が回復していないということでね」
「あ、ありがとうございます」

真弓は飛び上がらんばかりに喜んだ。10人もの男たちに輪姦されるよりは、この中年男一人にオモチャにされるほうがずっとましだ。

「さぁ、立ちなさい、真弓ちゃん」
「はい……」

真弓は言われた通りに立ち上がる。野暮ったい生地の収容服だが、彼女たちの着ている女性用は必要以上に裾の短いミニスカートになっていて、そこから覗く若々しい少女の生の腿は、なんとも扇情的なのだ。D-3の少年たちが、我慢できなくなったのも仕方がない。

開いた胸元には、しっかりと谷間ができている。顔立ちは14歳らしく幼いのに、胸は十分に発育している。そのギャップがまた真弓をより魅力的に見せている。

そして首には、無骨な黒い首輪がつけられたままだった。

入所時に全裸の姿をチェックしてはいたが、井浦は改めて真弓の全身に舐めるようにして眺めた。

その粘着質な視線にゾッとしたが、真弓はそれをおくびにも出さない。今、真弓が頼れるのは、この男だけなのだから。

「やはり胸が大きすぎるのが気になるが……」

井浦のその小さなつぶやきを真弓は聞き逃さなかった。これまで、ほとんどの男が自分の胸の大きさを賞賛してきた。それは恥ずかしさを伴い、嫌に思うことも少なくなかったが、それでも真弓の密かな自慢でもあった。それを否定されたのは、なんだか不満だった。

所長さんは、胸が大きいの、好きじゃないのかな……。真弓は少し不安になる。今、所長に嫌われるわけにはいかないのだ。

「もしかしたら、これだとサイズが合わないかもしれないねぇ」

井浦は戸棚の奥から、何か服のようなものを持ちだしてきた。

「これを着てごらん」

真弓が渡されたのは、夏服のセーラー服だった。白と紺のシンプルなデザインの半袖服。真弓がかつて着ていた黎明学園の制服とよく似ていた。

「はい……」

真弓はゆっくりと収容服を脱ぎ、下着姿になる。井浦の視線が恥ずかしかったが、文句を言うわけにはいかない。できるだけ素早くセーラー服を身につける。

「おお、さすがは現役だ。よく似合う……」

井浦は、真弓のセーラー服姿を見て、目を細めた。

(続く)

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12.01.30更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |