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最終章 奴隷の王【7】

東京国と日本共和国の間の緊張が高まっていた。共和国きってのタカ派として知られている鈴木太郎が政治的地位を確立しつつあるのだ。もし彼が政権を掌握することになれば、かねてから主張している東京への侵攻は避けられないだろう。

共和国の国内でも、開戦を求めるムードが高まっているという。

治安維持庁のキャリアである北尾も忙しくなってきた。こんな時期だからこそ、国内の治安に力を入れなくてはならない。北尾は各地方を飛び回ることになり、相楽健吉の屋敷へ通うという任務も、しばらく中断していた。当然、麻由里と会うことも出来なかった。

一度だけ、当時の総理大臣である影山芳雄が極秘に健吉の屋敷を訪れた際に、同行したことがあった。しかし、当然のように影山と健吉の会談に同席できるわけもなく、別室で待っていただけだ。健吉も、麻由里もチラリと顔を合わせただけで、会話を交わすことはできなかった。

北尾から麻由里に連絡を取ることは出来ず、麻由里からも連絡はなかった。北尾は麻由里への想いを薄れさせたわけではなかったが、激務に忙殺され、それどころではなくなったというのが正直なところだった。

そんなある日、上司から急いで健吉の屋敷へ行くようにという命令が下った。その理由は知らされない。

「おれにはよくわからないが、とにかくすぐに来いということだ。お前、何かやらかしたのか?」

上司の吉田が不安そうな顔でいう。どうやら吉田より上の方からの命令らしい。

「そんなこといっても、もうずいぶんご老人にはお会いしてないですからね。……いったい何だろう?」

北尾は首をかしげる。自分に用事があるなら、直接電話をかけてくればいいのに。足しげく屋敷に通っていた時は、何かあると夜中でも北尾の自宅に電話をかけてきて、呼び出されたものだ。たいていは、責めの助手をやれということや、飲みの相手をしろなどという用件だったが。

「とりあえず、急いで行け。お前の方の仕事はこっちで全部やっておくから」
「わかりました。よろしくお願いします」

とるものもとりあえず、北尾は健吉の屋敷へと向かう。

久しぶりに、麻由里に会える。そう思うと心が浮き立った。あの滑らかな白い肌の感触を思い出し、ハンドルを握りながら、密かに勃起してしまう。



「いらっしゃいませ。どうぞ、こちらへ」

北尾を出迎えたのは、女中の明子だった。もちろん健吉の調教済みだ。北尾も調教に立ち会ったことがあるが、小柄で地味な印象の女なのに、服を脱ぐと意外なほどにボリュームがあり、急に強烈なフェロモンを放つのに、驚かされた。

すっかり馴染みとなった土蔵へと連れて行かれる。なにも明子に案内されなくても、もはや勝手知ったる他人の家なのだが。

分厚い鋼鉄の扉を開いて中に入る。ムッとする生温かい空気と、赤い光。

白い褌一丁になった健吉がそこにいた。浅黒い肌には汗がびっしょりと濡れ光っている。もう相当な年齢のはずだが、肌の皺は少なく、色艶も悪くない。

「おお、来たか。久しぶりだな、北尾」

健吉が振り向いてニヤリと笑う。

「ご無沙汰してます。先生。……あっ」

北尾は、健吉の前で蠢いている白い肉体を見て、思わず声を出した。

台の上にうつ伏せで尻を高く突き上げるポーズで縛られている女体。両腕は背中でくくられ、両脚は大きく開かれている。白くむっちりとした尻肉の間で、無毛の肉裂と、可憐な窄まりが顔を覗かせている。

麻由里だった。振り向いた汗まみれの顔は、苦悶の表情を浮かべている。身体も細かく震えている。

北尾は麻由里の腹が大きく膨れ上がっていることに気づいた。そして窄まりに透明な液が滲んでいる。

麻由里は大量の浣腸液を注入されたに違いない。

「北尾、ほれ、お前も入れてやれ」

健吉は大きなガラスの浣腸器を北尾に手渡した。中には透明な薬液で満たされている。500ccだ。そして、麻由里の腹の膨れ具合から見ると、すでにそれが何本も注入されていることがわかる。

他の女には、激しい肛門責めをしていた健吉だったが、麻由里のそこにはあまり手を出さなかった。北尾が助手を務めていた時では、せいぜい指を入れたくらいしか覚えがない。麻由里はあまりそこを責められるのが得意ではないと判断していたのかもしれない。

それだけに、これだけ激しい浣腸責めをしているというのは、意外だった。

「麻由里、お前もお願いせんか。愛しい北尾に浣腸してもらいたいだろう」

健吉に言われて、麻由里は吐息混じりの声を出す。それは感じている声にも、苦しげな声にも聞こえた。

「あ、あ……。北尾さん。お願いです。麻由里に、麻由里のお尻の穴に、浣腸して下さい……。麻由里は、北尾さんに、浣腸して欲しいんです」

しかし、北尾は戸惑う。腹の膨れ具合や表情の苦しさから、もう麻由里が限界だということは見て取れる。そんな状態なのに、さらに500ccもの浣腸液を注入してしまったら。

浣腸器を手にしたまま立ち尽くす北尾に苛立つように、健吉は言う。

「麻由里、お前のお願いが伝わっていないようだぞ」
「ああ、北尾さん。麻由里に、麻由里に浣腸して欲しいの。北尾さんに、北尾さんにして欲しいです。ああ……、お願い。早く……」

自分が浣腸しない限り、麻由里の苦しみは長引くのだということに北尾は気づいた。

「わかったよ。麻由里さん。いいんだね。入れるよ」
「はい、お、お願いします……」

北尾はガラスの嘴管の先端を、そっと麻由里の窄まりに触れさせ、そしてゆっくりと沈める。膨らんだ先端部を受け入れた麻由里は、苦しげな声を漏らす。

「あっ……」

しかし、北尾は手を止めない。ぐずぐずして長引かせる方が、麻由里を苦しめるのだ。北尾は尻に対して垂直に浣腸器を立てる。

健吉の助手として、もう何人もの女に浣腸はしている。どのようにすれば、肛門を傷つけずに、スムースに注入できるのかはわかっている。

北尾は、ゆっくりとシリンダーを押そうとしたが、それはあまりに固かった。腸内の圧力がさらなる注入を拒んでいるのだ。それだけ大量の浣腸液が、すでに麻由里の体内に注入されているということだ。

「あ、ああ……」

麻由里が苦しげな声をあげて、尻を小さく揺らす。苦しみを長引かせてはいけない。北尾は、肛門を傷つけないように注意しながらも、力を込めてゆっくり、ゆっくりとシリンダーを押し下げていった。

「ん、んぐぅ……」

その圧力の強さから、麻由里がどれだけの便意に苦しんでいるのかもわかる。しかし、どんなに苦しくても、途中でやめさせる健吉ではないことも二人ともわかっている。

ゆっくり、ゆっくりと北尾は麻由里の腸内へ浣腸液を注入していく。そしてなんとか500ccを完全に腸内へ収めた。

薬液がこぼれてしまわないように、左手の親指で窄まりをおさえつつ、嘴管を抜く。

「よし、よく我慢したな、麻由里。さぁ、今度はどうしたいんだ?」
「あ、ああ……。北尾さんに、麻由里の恥ずかしい、姿を、ああ、見て、見てもらいたいです」

しぼり出すような悲痛な声だった。

「どんな恥ずかしい姿だ?」
「は、い……。お尻の穴から、恥ずかしいものを出すところを、見てもらいたいんです」
「そんな姿を見せたら、北尾もお前が嫌いになってしまうかもしれないなぁ。百年の恋も覚めるかもしれないぞ」
「あ、ああ……、いや。恥ずかしいです」
「じゃあ、このままでいるか?」
「い、いえ……。お願いです。北尾さん、麻由里の、恥ずかしい姿を、見て。見てくださいっ!」

最後のほうはすでに悲鳴のようになっていた。

「わかった。見せてくれ。麻由里の恥ずかしい姿を、おれに全部見せてくれ。麻由里のどんな姿を見たって、嫌いになんかなるわけないだろう?」
「あ、ああ……、嬉しいです。麻由里は、嬉しいです……」

北尾はチラリと健吉を見た。健吉は頷き、そして床にある大きなホーロー製の洗面器に視線を投げた。北尾は、左手の親指で麻由里の窄まりを押さえつつ、右手を伸ばして、洗面器をとった。麻由里の尻の下で洗面器を構える。

「さぁ、いいよ、麻由里。出してごらん」
「ああ、北尾さん。いいの? 麻由里を嫌いにならないで……」
「大丈夫だよ。ほら、いいんだよ」

北尾は麻由里の窄まりから、親指を離した。菊花は一瞬、きゅんと窄まったかと思うと、大きく口を開き、そして透明の液を勢いよく吹き出した。

カラカラカラ!

ホーロー製の洗面器の底を水流が叩き、激しい音が上がる。

「ああ、いや、見ないで、見ないで、北尾さんっ!」

さっきは見て欲しいとねだった麻由里だが、つい本当の気持ちを口走る。愛する男に女として最も恥ずかしい姿を見られる恥辱に、麻由里は身悶えする。

水流はさらに激しさを増し、菊花もそれにつれて大きく口を開いていく。しかし吐き出される薬液は透明のままだ。もうすでに何度か浣腸をされた後なのかもしれないと北尾は思った。

それでも、肛門から排泄する姿を見られるのは、女としては耐えられないのだろう。麻由里は勢いよく噴出させながらも、むせび泣いていた。

長い長い排泄が終わった。麻由里は汗まみれの白い肉体を波打たせている。息が荒い。北尾はたっぷりの浣腸液で満たされた洗面器を床に置くと、紙で麻由里の肛門を拭った。

「あ、いや、恥ずかしいわ……」

汚れたその部分を拭かれる恥ずかしさに、麻由里は思わず声を上げる。

「気にするなよ。綺麗にしてあげるから」

ちり紙越しに指が窄まりに触れる。その感触に、麻由里は呻きを漏らす。

「あ、ああ……」
「あ、痛かったか?」
「ううん、違うの……。こんなことまでしてくれて、ありがとうございます……」

北尾は麻由里と見つめ合う。しかし、その場に健吉がいることに、ハッと気づいて北尾は振り返る。健吉は苦笑いをしている。

「ふん。やさしくしてやれ、北尾」
「いや、その、あの……」

黙認されていることはわかっていたが、健吉に麻由里との中を公に認めてもらったわけではない。いや、認めてもらっているとしても、実の父親の目の前で、あまりいちゃつけるわけがない。

しかし、その実の父親が、娘を浣腸責めにかけているという時点で、もうまともな状況ではないのだが。

北尾は、自分がどんな態度をとっていいのか、戸惑ってしまう。

すると麻由里が言った。

「北尾さん……」
「なんだ? 麻由里」

健吉の前で麻由里を呼び捨てにするのも、本当はためらうのだが、つい出てしまうし、今更、かしこまった言い方にするのも不自然だ。

「麻由里の、お尻の穴を、いっぱいいじめて。北尾さんに、して欲しいの……」

すると健吉が道具の並んだトレイを北尾に差し出した。

「お前が、麻由里の肛門を開発するんだ。それがお前を呼び出した理由だ」

(続く)

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12.04.30更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |