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第8章 体育教師・けい子【2】

「そ、そんな……。未成年は被奉仕者にはなれないはずですわ」

ぶるぶると縮こませた体を震わせて、けい子は叫んだ。確かに国民奉仕法では、被奉仕者の資格がある者は20歳以上と定められている。しかし、自宅で奉仕させる以上、奴隷は被奉仕者の家族にも仕えなければならないのも、当然のなりゆきだ。

「まぁ、正式なご主人様はパパということになるんだけど、パパが私の言うことにも従えって命令したら、私にも奉仕しなくちゃいけないわけでしょ」

玲子は長谷川の腕に抱きついた。

「そういうことですよ、けい子。お前は、玲子にも絶対服従です。お前の使命は、玲子に奉仕することなんですよ」
「……」

けい子は絶望した。高校での玲子の素行を思い出す。気が強く、いつもグループの中心だった玲子は、仲間や後輩に対しては絶対的な権力者としてふるまい、自分の命令に従わない者にはリンチ行為を繰り返していた。独善的でサディスティックなあの性格が、今の立場の自分に向けられたら……。

そんなけい子の姿を玲子は、楽しそうに眺めていた。ずっと欲しかった玩具を手に入れた気分なのだ。

「でも本当に素晴らしい体ね、先生。男の子たちがヨダレをたらして先生のジャージ姿を見ていたのも無理はないわよね。こんな、すっぽんぽんの姿を見たら大変よね、きっと。憧れのけい子先生のオールヌードだもん」

玲子はそう言いながら、けい子の顎を持ち、上を向かせる。

「先生、立ってよ。ご主人様にあなたの体を全部見せなさい」

けい子は悔しさに歯をくいしばり、玲子を睨みつけた。すると、玲子は思い切りけい子の頬を平手で叩いた。乾いた大きな音がする。

「あっ」

けい子は床に倒れてしまった。

「いい加減にしなさいよ、先生。もう先生は私の奴隷なの。これから二年間、人間じゃないのよ。私が好き勝手に遊べる玩具なんだから。いつまでも、先生のつもりでいないでよ」

すると長谷川が苦笑する。

「じゃあ、お前も先生って呼ぶのやめろよ。けい子、でいいんだ」
「ふふふ、でも先生って呼ばれたほうが屈辱的でいいかなって思って。それに気分が出るのよ、あのけい子先生が私のものになったんだってね」

そして玲子は足先で、倒れているけい子の脇腹を軽く蹴った。

「ほら、いつまでもそんな格好していないで、立ちなさいよ、先生」

けい子はゆっくりと立ち上がる。無意識に胸と股間を手で隠す。

「隠しちゃだめじゃない。奴隷のポーズ、習わなかったの? 手は頭の後ろでしょう」

けい子は、玲子の命令に従う。のろのろと立ち上がり、腕を頭の後ろで組んだ。全裸の体が長谷川と玲子の前に晒される。

「ほう……」

長谷川が唾を飲み込んだ。玲子も思わずため息をつく。

完璧なプロポーションだった。スポーツで鍛えられた肉体には余分な贅肉などなく、それでいて胸や腰は豊かな膨らみを見せている。特に素晴らしいのは乳房だった。ずっしりと重量感がありそうなのに、少しも垂れることなく、見事な釣鐘型になっていた。

「うわぁ、素敵な体ね、先生。改めて見ると、女の私も感動しちゃうわ。ね、パパ、凄いでしょう?」
「あ、ああ……」

つい浮かべた好色な表情を娘に見られて、長谷川は照れくさそうだ。

「でも、パパ、もったいないね。こんな体を自分のものにしておきながら」

玲子が悪戯っぽく言うと、長谷川はきまり悪そうに横を向く。

「うるさい。お前に言われたくない」
「ははは、そりゃあ、そうだね。ごめんね、パパ。その分、私が可愛がってあげるから」
玲子はけい子の顔を覗きこんで、言った。
「先生。パパにいっぱいセックスさせられると思ってたでしょう? 奴隷の人って、みんな赤く擦り切れちゃうほど、突っ込まれまくるっていうからね。でもね、パパはそういうことはしないから」
「え……?」
「もしかして、がっかりした? パパはねぇ……」

そこまで言うと、長谷川が怒鳴った。

「こら、お前はそんなこと言わなくてもいい」
「ふふふ。ごめんごめん。でも、その分、私がいっぱい可愛がってあげる。けい子先生は、そのほうがいいんでしょ?」

けい子は玲子を見た。

「私、知ってるんだから」

玲子はまた笑ってみせる。けい子はギョッとしたように玲子を見る。

「ひかりちゃんのこと」

けい子はその言葉に明らかに動揺した。その様子を見て、玲子はまた楽しげに笑う。

「私も最初聞いた時、驚いちゃった」

すると、長谷川が声を荒らげた。

「もういいだろう、玲子。まず今日はおれがけい子を仕込む。お前に渡すのは、しばらくしてからだ。今日はもう帰れ」
「はーい。じゃあ、またね、けい子先生。今度は私がいっぱい可愛がってあげるから」

そう言って玲子は、あっさりと帰っていった。

「あいつが余計なことを言ってたけれど……。まぁ、いい。先に言っておきましょう。私は不能でね。もうここ数年間、ピクリともしないんだ。あらゆる治療は試してみたんだがダメだった」

少し決まりの悪そうな表情。

「しかし、だからといって性欲がなくなったわけじゃないんですよ。むしろ射精という終わりがない分、ネチネチと責めてやりたくなるんです。あなたも覚悟しておいた方がいいですよ。ふふふ」


それから長谷川は、けい子の肉体を隅から隅まで嬲っていった。豊かな乳房を揉みしだいたり、乳首を責めるのはもちろん、腋の下まで執拗に舐めまくった。そしてけい子に自分で膝を抱え込んで股を広げるという屈辱的なポーズを取らせた。

「ほう、これはずいぶん綺麗なおまんこだね、けい子。毛はかなり濃い目だけど、ビラビラのほうは色素沈着の全くないピンク色だ。形も薄くて小さくて可愛らしい」

長谷川はわざと卑猥な言葉で、けい子の秘部の様子を口にした。けい子は羞恥のあまりに顔だけではなく、全身の肌が上気してしまう。異性にそんなところを、じっくりと覗き込まれるのは気が狂ってしまいそうに恥ずかしい。

「とても使い込んでいるようには思えないけれど……。けい子、これまでにどれくらいの男をここに咥え込んだんですか?」

けい子は、真っ赤にした顔を背けている。

「答えなさい、けい子。お前に拒否する権利はないんですよ」
「……ありません」
「ん? それは処女ということですか?」
「……はい」

長谷川は笑い出す。

「そうですか、そうですか。学校でも美人で有名なけい子先生は処女だったんですか。さすがに名門校の教師だけありますね。本当なら私が、けい子の処女を奪えたわけなんですが……残念ですよ」

そして、けい子の肉裂を大きく広げる。

「ふむ、どれが処女膜なのかな。よくわからないですね。運動していると破れてしまうという話もあるから、もしかしてそれかな」

ブツブツとつぶやきながら、長谷川はけい子の肉裂をいじくりまわす。すると、歯を食いしばって恥辱に耐えていたけい子の息が、少しずつ荒くなっていく。

「おや、なんだ、ずいぶん濡れてきたましたよ。ずいぶん感じやすいじゃないですか」

けい子はイヤイヤと首を振る。しかし、その表情は明らかに快感に酔っている女のものだった。

そして、長谷川の指がクリトリスに触れた瞬間、けい子は大きくのけぞり、声を上げた。

「あっ、ああっ!」
「おお、これはすごいな。処女とは名ばかりで、かなりいやらしい体をしているじゃないですか」

長谷川は包皮を剥いて、けい子のクリトリスを露出させる。それはこれまでに少なからずの女性と遊んできた長谷川が驚くほど、大きく勃起していた。

指先で摘むように刺激する。

「ああ、ダメ、ダメです。そこは……」
「ふふふ、これは面白い。おや、さらに濡れてきましたね。すごい、すごい。溢れて愛液がお尻の穴のほうまでこぼれてきた」
「いや、いやです。もう、許して……」

けい子は必死に許しを乞うが、長谷川が手を止めるはずがない。右手の人差し指でクリトリスを擦り、そして左手の人差し指をぬかるんだ陰裂の中へと滑りこませる。指先はスムースにけい子の体内へ飲み込まれた。中で軽くかき混ぜると、けい子は悲鳴のような声をあげた。

「ああっ、そこは、ああ……」

幼い頃のトラウマで、男性に対して嫌悪感を持っているけい子だ。長谷川のような男に触られるのはゾッとするほどおぞましい。

しかし、それでも敏感な部分を愛撫されると、熟れた肉体は激しく反応してしまうのだ。

そう、男性嫌悪を持っているけい子だが、だからといって性欲がないわけではない。いや、むしろけい子は、人一倍性欲の強いほうかもしれない。罪悪感を持ちながらも、毎晩布団の中に入ると、指が股間へと伸びてしまう。いけない、いけないと思いながらも、オナニーに耽り、何度となく絶頂を迎えることになる。中学生の時に、戯れに股間をいじり偶然に快感を得て以来、けい子は一晩も欠かすことなくオナニーに耽ってきたのだ。

そうして、自ら開発してしまった肉体は、嫌いな男の指であろうとも、激しく反応してしまう。湧き上がる快感を押し殺すことなど出来ない。

「あーっ、そんな、そんなこと……」

長谷川が顔を股間に埋めてきた。舌先が敏感な突起を捉える。チロチロと細かく動き、淫らに舐め上げる。

「ん、んんっ!」

けい子の体に電流が走った。頭の中が真っ白になり、大きくのけぞる。開かされていた腿を閉じて、長谷川の頭を挟みこむ。

「あっ、あっ、ああ……」

ビクン、ビクン。体が痙攣する。横になっても、形の崩れない豊かな乳房が震える。

しばらくして、全身の力が抜けて、ぐったりとベッドの上に倒れこむ。やれやれと言った顔で、長谷川がその股間から体を起こした。

「いやはや、とんでもない目に遭いましたよ。頭が潰されるかと思った。しかし、ちょっと舐めただけで、そんなに感じまくるとはね。本当に処女だったんですか、けい子」

けい子は、ハァハァと荒い呼吸をするばかりで答えられない。白い肌にはびっしりと細かい汗が浮いている。

「ちょっと感度チェックくらいのつもりだったんですけどね。まさか、あの美人教師が、処女で、しかも淫乱だったとはね。これはずいぶん楽しませてもらえそうだ。玲子に渡すのも惜しくなってきたな、ふふふ」

けい子は、上気し、汗まみれになった顔を上げる。

「お願いです。私を玲子さんに渡さないで下さい。ご主人様に、一生懸命仕えますから。お願いします」

けい子はベッドの上で、正座になり、頭をシーツに擦りつけた。あの玲子の奴隷となることだけは、なんとしても避けたい。

サディスティックな彼女がどんなにつらい責めをするのか想像するだけでも震えてしまう。

いや、それよりも、けい子には恐れていることがあったのだ。もし玲子の奴隷となってしまったら、自分が自分ではなくなってしまう。そんな気がするのだ。

(続く)

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10.11.01更新 | WEBスナイパー  >  赤い首輪
文=小林電人 |