第22講 空っぽのお腹【1】 文=横田猛雄 イラスト=伊集院貴子 |
第一課 腸管洗滌と温泉浣腸
けっつの穴の中の石炭のような固い塊を、ラジオペンチで割って砕かれ、ヤットコや鉗子で挟んで引き摺り出され、温泉でザブザブと空き瓶を洗うように、繰り返し洗滌され、やっと空っぽになった腸管は、桜井式の巨大な膣鏡で鯉織の口のようにパックリと開口したままで、そこに注がれる微温湯の刺戟が、まさに春の小川の雪溶けのように快く、何時までもそうされていたいような安息感があります。
後日知遇を得た、当時の『風俗奇譚』誌の花形であり、我々お尻党の大先輩でもあった夏川絹子さんは、肛門性交の実践者として、肛交での射精の後、彼にチンボを抜かずにそのままにしていてもらって、事後、直腸内にそのまま放尿してもらうのを最高の快感とし、そのため肛交をする時には、彼に前もってビールを数本飲んで尿意を催させ、出来るだけ多量な奔流の刺戟を楽しむように心掛けたとのことで、このために彼女は、その肛交法を『温泉浣腸』と名付け、これが当時右誌上の告白文を通して、全国の愛肛家たちの間に、あこがれのプレイ法として流布し、或る種のブームをひき起こしましたが、温水の奔流を空の腸管の内に流し込まれる時の腸壁の受ける快感は、身体の内部の快感として最高のものです。
温水での繰り返しの洗滌で、排出される液が段々きれいになり、完全に透明になると、看護婦さんが私のお腹を、かなりの力で「の」の字廻りに揉み、残液を体外に押し出しにかかりました。
ウドン粉を練るようにグイグイ押されると、腸の曲がり角に溜まっていた残液が、シャーッ、ボトボトボトッと流れ落ち、そうやってしまいにはお腹をへこませても何も出なくなるまで搾り出されました。「まあ、来た時は妊娠中期のようにしていたのに、すっかり空っぽでペコンペコンだわ!!」、と看護婦さんは大笑いし、部屋の隅からもう一台の車の付いた脇卓を押して来ました。
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
08.01.19更新 |
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