第22講 空っぽのお腹【2】 文=横田猛雄 イラスト=伊集院貴子 |
第二課 最後の詰め
頭を低く、お尻の穴の方をやや高く姿勢を変えられた私の、パックリ開口したその穴に、まだ何かするようです。
頭をもたげて見ると、その脇卓の上には、白いトイレットペーパーや綿花(脱脂綿)や晒布が載っており、先生は綿花の袋を手に取ると、「さぁ最後の詰めだわよ」と言いながらその封を切り、すると看護婦さんが、「肛門に詰めるから最後の詰めとは、本当に上手いことを言ったもてすね……」と笑いました。
綿花を一握り千切り取った先生は、シャーレの中にそれを漬け、サラダ油を含ませると、私のお尻の穴に押し込み、銀色に光る鋏のような柄の付いた、鶴の嘴のように先の長い鉗子でそれを挟むと、ズズッと奥へ押し込み始めました。
冷やりとしたものが、ヌルヌル滑りながら入ってくる感触がまた素敵です。内部を支配されるって、何て素敵なことなのでしょう。
先生の挿入と同時に、私のチンボは又硬度と太さを増し、目ざとくそれを見付けた看護婦さんが、冷たい小指の先を私のお臍の穴に当てて、意地悪くグリグリするのですからたまりません。
そうやって押し込まれて、綿花が六袋、すっぽりと私のお尻の穴の奥へ消えたのです。
綿花が六袋は嘘だと言う人がよくいますが、綿花はそのままだとふんわりしてかさばって見えますが、水を含ませてきつく握りしめると小さくなるものです。その後よくお尻プレイに使いましたが、固く握って小さくすれば、面白い程沢山入るものです。
この時のは、先生は水を含ませず、押し込む時乾いたままだと、ふんわりしていて、腸粘膜にこすれて入りにくいので、サラダ油を含ませて滑りをよくしたのです。
ふんわりした綿花が、先生の白い手で一掴み、また一掴みと鉗子で挟んで押し込まれてゆく時、私は土に掘られた大きな穴が、スコップで一杯ずつ、土を戻されて埋められてゆく様を思いました。
綿花が腸管の奥へ詰め込まれてゆく圧迫感は、これまた、便秘の宿便とは異質の充満感で、これもまたいいものです。
お尻の穴から強制的に押し込まれているのだという精神的な被虐感が、大きく快感を増幅させているのは言うまでもありませんが、便秘が真夜中の雪のように、何時の間に積もったのか、戸を開けるまで分からないでいて、はっと気が付いたら大変に積もっていた……、というのとは違って、お尻の穴からグイグイと詰め込まれて押し込まれて、段々鳩尾のあたりに圧迫感が強くなってきて、お腹を引き締めると、しっかりと腸内に異物が納まっているのが分かる、この快感も体験者のみの知る涅槃木の境です。
「ようし、綿花はこのくらいにして、と……、次は晒布だわ!!」と言う先生の声に、看護婦さんが晒布の包紙を破り、中身を出し、両手でその反物の端を拡げ、中央に少し鋏の切れ目を入れ、力を入れてピーッと一反の布を真っ二つに裂き始めました。
どうするのかと見ていると、幅の広い包帯のようになった晒布を両手で手繰り寄せ、その一端を先生の手に渡しました。
綿花の次はこれを端から私のお尻の穴に押し込むつもりのようです。先生は鉗子の先にそれを挟むと、無造作に私のお尻の穴に、それを押し込み始めました。
「便を全部取り出して、お腹の中空にしただけではいけないのですか?」と問う私に対して、先生は「拡がりきった腸管をそのままにして、また今までと同じように食物をとったら、せっかくこうやって苦心して掻き出しても、また同じように秘結を繰り返すのが眼に見えてるし、もし水分の多いものを食べたなら、大腸の働きも鈍り、また今日このように長時間腸管を拡げているので、その癖がついており、大腸が水分を吸収する力も鈍っているので、お尻の締める力も弛く、軟便を垂れ流すに決まっているし、それも便が不意に下りてくるから、電車の中や街を歩いている時、そんなことになったらトイレまで我慢出来る筈無いでしょう。それとも自分でお尻の穴を手で塞いで走るの? だから二、三日はパンと牛乳、出来たらヨーグルトを食べて、徐々に身体を慣らす必要があるのよ、その間、お洩らししないようにお尻に詰め物しておいてあげるのよ!!」と言われました。
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
08.01.19更新 |
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