第16講 続・直腸性感について【1】 文=横田猛雄 イラスト=伊集院貴子 |
第一課 呑宙
先講でスカル・ファック(頭蓋骨性交)のことを紹介しましたが、その原稿を発送して暫くたった八月十七日のこと、何気無くテレビを見ていると、世界中の『変な人』を集めて、その珍芸を披露してもらうという番組があり、その中で、自分で膨らませた大きなゴム風船の中に、頭から潜り込んでしまう凄い男がいました。
確かカナダ人とか言っていましたが、その人の所作が、何ともスカル・ファックを連想させる珍芸で、どんな風にやるかというと、電気掃除機のホースのような管の、一方の口に大きなゴム風船の口の部分を覆せ、もう一方の口に自分の口を付けて、どんどん息を吹き込んで、風船に息を入れて、人間の身長より大きく膨らませ、素早くそのゴム風船の口をホースからはずし、風船の口に頭を着け、丁度帽子をかぶるように頭を入れて行き、とうとう首まで風船の中に入ってしまったのですが、風船の口の太さは、さっき空気を入れるのに使ったホースよりやや細く作ってあるようで、ぎゅうと伸ばして、頭が完全に入り込み、あれよあれよと言う間に、手が片方入り、もう一本入り、そのままTシャツを着るように、風船を着てしまったものですから、段々と胴が潜り込み、そうしてついに片方の足を残して身体が全部風船の中に入って、ゴロンと転がって、外に出ている片方の足が上になったと思ったら、その足も中に消え、その瞬間、素早く片手首が外へとび出て、口から空気が抜けるのを防いだと思ったら、その人は完全にゴム風船の中に入ったままで、ゴロンゴロン転がったり、跳び廻ったりして、やがて手首が引っ込んだと思ったら、頭が出て顔を出し、そのまま跳び廻り、やがて手が出て足が出て、やっと全身が外に出るというショーでした。
それを見ていて私は、スカル・ファックで、訓練された男女のケッツの穴から、坊主頭に剃った頭を潜り込ませるのも、あんな具合なのだろうかと思いました。
それにしても、人間の頭を丸ごと飲み込んで納めてしまおうという直腸の大きさには、唯々「お見事」としか言う言葉がありません。
ケッツの穴から人間の頭を飲み込むという行為は、実に壮大な宇宙的な行為で、ケッツから宇宙を呑み込む、哲学的な暗示を含む行為だと思います。
第二課 直腸に拳を納めること
直腸の刺戟を目的とした、つまり直腸性感・直腸エロチィクの追求のためのフィスト・ファック(拳骨性交)が、日本でも話題になり始めたのは、今から二十年くらい前のことですが、もともとはこれはアメリカのホモの間で行なわれ始め、流行してきた秘技で、これがホモの間から男女間の性生活の性技としても行なわれるようになって、一般化していったのですが、当初はアメリカでもホモの人達
以外には、想像だにつかないとんでもない秘技であり、アメリカでフィスト・ファックが世間に知られるようになったのは、或る一つの殺人事件がきっかけだと言われています。
その事件というのは、某地の、ホモの集まる所としてよく知られる某ホテルの、裏を流れる河中に、全裸の若い男の死体が浮いていて、調べたところ、身体のどこにも外傷や、死因に繋がるような跡が全然無く、そこで解剖して調べて見たところ、驚いたことに、何と直腸がズタズタに破裂していることが分かり、どうもその男は、誰かにケッツの穴から何かを強引に押し込まれて、中を散々こねくり廻され、直腸が破れて悶え死にしたらしいということが分かり、捜査を進めて行くうちに、その頃、一部のホモ族の間に、拳骨で相手のケッツの穴を貫き、直腸を犯すことがひそかに行なわれており、これをフィスト・ファックと呼んでいるということが分かり、世間を驚かせたのですが、何せ世紀末です。たちまちこれが男女間の性交にも取り入れられるようになり、どんどん普及して行き、そん
な風潮の中で生まれたのが、あの映画、『カリギュラ』です。
『カリギュラ』の二大山場の一つは、皇帝力リギュラが、親衛隊長を全裸にし、蛙のように這わせておいて、クリームをまぶした拳骨で、背後からそのケッツの穴を強姦するシーンで、もう一つは、カリギュラの姉が、沢山の観衆の前で、公開出産をするシーンでした。
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
07.12.28更新 |
WEBスナイパー
>
お尻の学校