第57講 ケッツの前〜ボボの責め方〜【1】 文=横田猛雄 イラスト=伊集院貴子 |
第一課 ボボ
ボボとは何と響きの快い言葉でしょう。
ボボはオメコやオマンコと同じく、女陰を表わす我が国の優雅な古語です。伝統を守ることの重要性が云々される今日、若い世代にこの言葉はもっと親しみをもって用いられるべきだと思います。
私の住む三重県の津市北辺では、宴会があると次のような楽しい歌がうたわれます。
“えらいこっちゃ えらいこっちゃ
えらいこっちゃぞよ……
一身田(いっしんでん)で橋向(はしむかい)が火事で焼けてもた、
オソソで儲けとる家じゃもの
ボボッと燃えるのも無理は無い”
この歌詞を「ラッパ節」の曲でうたい上げるのです。ラッパ節というのは明治時代に流行った流行歌で、文明開化の香り芳しい気品のある歌です。
さてその歌、今の人々には特に他地方の人には解説無くしては何のことかさっぱり分からないでしょう。
一身田というのは津市の北辺にある浄土真宗高田派総本山専修寺を中心に発達した寺内町(じないちょう)で、京都と伊勢皇太神宮の中間の宿場町でした。従って北伊勢地方屈指の遊廓もある江戸時代の地方都市であったのです(横田猛雄少年が通ったのはこの町にある一身田中学校です。安太郎という大ギンタマの子がいた町です)。
その栄えた遊廓の名前が「橋向」なのです。
この歌の要点は、火事の炎の燃え尽くすボポーッという音と、女陰を表わすボボとを掛け合わせにした所です。
他所の人達がこの歌をうたうのなら、「一身田の橋向」を「名古屋の中村」とか「東京の吉原」とか「京都の島原」とか「神戸の福原」とか「博多の中洲」とかに直したら分かり易いでしょう。ラッパ節のメロディが何ともこの歌詞によく合います。
ボボは人によってはボンボとも言いますし、性文学の訳書ではボボもボンボも古様を表わす語としてよく使われます。オソソも実に響きの良い言葉です。
私の幼少の頃、「渋柿三つでボボしように来い!!」という歌(というよりも唱え言葉)があり、悪童共は意味も分からず、大声でこの詞を叫んで、先生に叱られていました。
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
09.07.22更新 |
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