第27講 コルポイリンテルの侵略【2】 文=横田猛雄 イラスト=伊集院貴子 |
第二課 潮満てり、我は妊む
お湯の質感は重さといい熱さといい、本当に気色がいいです。
コルポにはお湯や水の他、浣腸器で空気を注入して膨らませることも出来るのですが、私をいじめるために先生は、より刺戟の強烈なお湯を選んだのです。
空気は熱くならないし重量感が欠けるので、この場合面白昧が少ないと先生は言っていました。
そしてついには直腸の中が一杯に押し拡げられ、痛みが起こり始めました。
その痛みは激痛ではありませんが、確かに腸壁が押し拡げられて張りつめた、チカッとした小さな痛みです。
そのことを先生に訴えると先生は
「ようしそこまでにしましょう、表層か傷つくからね……」
と笑って、先生はそのゴム管の真ん中あたりに付いている黒い小さな栓をひねって入れた液を塞いで止めると、浣腸器をホース浣腸器をホースから外して除け、その浣腸器にまた新しくお湯を入れて、看護婦さんが私に見せたもう一つのコルポイリンテルにその浣腸器を繋ぐと私のお腹の上へそのコルポを放り上げ
「ほら、これと同じのが君のお尻の中に入れてあるのよ、こうやってお湯を入れてね!」
と言いながら、シリンダーを押すと、初めはペシャンコだったアメゴムのその風船は、ぷうっっと膨らんで、やっぱり温かく、丁度巨大な無花果のようになりました。
その大きくなったコルポを持ち上げた先生は、ペシャンコペシャンコとそれを私のお臍のあたり目掛けて叩き付け、
「ほれ、この重みと温かさが何とも言えないでしょう。温かいから鼓膜部の血管も拡がるからいいのよ、血管も拡がるからいいのよ、括約筋だってくつろぐものね。これが冷たかったら血管は縮小するし、勿論熱し過ぎてもショックが起こるからよくないし、温度の設定が難しいのよ」
と言い、先生は白い掌で私のお腹を圧迫し、
「どう、満腹ってところかな、コルポは楽しいお客さんね……」
と笑いました。
お臍の上のそれは夏ミカンくらいの大きさですから、今私のお尻の中にはこんなのが入れられていると言うのです。
改めて見せられて唸ってしまいました。
“威厳”です。
先生は私に見えるように浣腸器のシリンダーをぐぐうっと押すと、それが更にぷうっと膨らみ、シリンダーを引き戻すとしぼんで小さくなります。
「フフフッ、こんなのをお尻から入れられて、シリンダーを押したり引いたりゆっくりピストンされたら、誰だって降伏してしまうわね。これは下手な男のぺ二公でつつかれるより余程刺戟が大きいもの。ようし君も一丁やってやろうか!」
と言うと、その浣腸器を外してまた私のお尻に入っている方のコルポのゴム管に繋き、
「さぁ潮が引くわよ!」
と言っかと思ったら、ああ本当です、張りに張っていたのが引きしりぞいで行く。
お尻の穴の拡がりもすぼまって、ほっと一息ついたと思ったら、
「さぁ満潮よ、しかも高潮!」
と言ったと思ったら、ああ、またぐぐうっと圧迫がやって来て、またお尻の穴までも拡げられ、チカッと痛く張り詰めて何よりも熱いの……。
女性が妊娠して子宮内に新しい生命が宿る時もこんな感じなのでしょうか、私のお尻の奥は非常に充実して脈打って喜悦しています。
ああっ、この充実感。
皆さん、男だって妊娠した女性の喜びをこうやれは幾分かおすそ分けしてもらえるのです。
一時的妊婦になりましょう。
先生のシリンダーの押し引き加減で、胎動に近い生命の脈動も体験出来るのです。
これはいい……。
横田猛雄 1990年3月号よりS&Mスナイパーにて実践派のための肛門エッセイを連載。1993年ミリオン出版より『お尻の学校[少年篇]』発行。またアナル責めのAV作品にも多数出演しており、A感覚実践派の伝道師として他の追随を許さぬ存在。2007年5月号まで同誌上で『大肛門大学』を連載していたが、高齢と健康上の理由により連載終了。そしてWebスナイパーにて、膨大かつ偉大なるアーカイブの復刻連載開始です! |
08.02.04更新 |
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