1986年3月20日発行/白夜書房
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ホラー/カルト映画における青山正明(7)
青山がスプラッターの前衛と呼ばれたデビッド・クローネンバーグに特別な思い入れを示していることは以前も少し触れたが、彼について大きく取り上げている媒体はいくつかある。1986年の『スプラッタムービー大全集』(東京三世社/1986年6月15日発行)がまずそれだ。このムックには長めの文章をいくつか寄稿しており、「イタリアン・ホラーの夜明け」でルチオ・フルチを、「血まみれ料理(ムービー)に命を賭ける男たち 2人のSFXアーティスト」ではトム・サビーニとロブ・ボッティンを紹介し、その他「スプラッタ料理(ムービー)徹底ガイド」として映像リストの採点表などを担当している。
そして中でも力の入ったと思われるのが「スプラッタ・ムービーの三巨人」という、H・G・ルイス、ロメロ、そしてクローネンバーグを取り上げた記事で、特にクローネンバーグには略年表をつけて、きめ細かな情報を載せている。これについては「ルイスとロメロに関しては、「血しぶきホラーの世界」(芳賀書店)に詳述されているので、ファンの方は、そちらを参照されたい。また、クローネンバーグについては、我が国で未だ詳細なる経歴、フィルモグラフィーが発表されていないので('85年12月9日現在)、筆者が84年の暮に制作した略年譜を掲載しておいた」という説明があり、日本でクローネンバーグを紹介する必要性を感じ取っていたようである。
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『スプラッタムービー大全集』 1986年6月15日発行/東京三世社 |
話を戻す。青山はこの『METAL KIDS!』で「CULT MOVIE」という連載を持っており、前衛・実験・アングラ・カルトな映画の歴史を辿っている。さらに創刊号では更にクローネンバーグの10ページ大特集が掲載され、略年譜や作品解説が既に載っているのだ。この特集の構成自体は青山ではなく奥沢聖治氏が担当しているものの、青山の幻の処女作『HORROR FILMS』に掲載される予定だったクローネンバーグ・インタビューの抜粋が転載されている(クローネンバーグは85年春の第一回東京国際映画祭/TAKARAファンタスティック映画祭にゲスト出演のため来日している)。
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『ベストビデオ』 1987年3月15日発行/三和出版 |
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『銀星倶楽部16 クローネンバーグ 1992年8月31日発行/ペヨトル工房 |
青山がクローネンバーグに惹かれていたのはなぜだろうか。自分を重ね合わせていたから、というのは単純すぎるが、青山が最高傑作と評した『ビデオドローム』(1982年作品)についての解説を現在読むと、共鳴する同質の美学を読み取らずにはいられない。
「『ビデオドローム』は今のところのDCの最高傑作であり、「やりたいことが最もできた作品」(DC)なのである。何故か。それは主人公が、自殺という極めつけの悲劇に見舞われるからだ。/マックスは死んじゃいない。彼はビデオの世界で蘇ったのだ。DCの思惑通り、そう思った人もけっこういるに違いない。しかし、「ロング・リヴ・ザ・ニュー・フレッシュ」と唱えたところで、『ビデオドローム』の世界が幻覚だったら、自殺は再生などではなく、死でしかない」。
(続く)
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ばるぼら ネッ
トワーカー。周辺文化研究家&古雑誌収集家。著書に『教科書には載らないニッポンのイ
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