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WEBスナイパー総力特集! オンナノコになりたいオトコノコたちの最新事情!
special issue for The man who wants to become a girl.
corset photo gallery コルセティエの見る夢は
第13回 「メンズコルセット」
男性のコルセット職人を「コルセティエ」と呼びます。フェティッシュ・アイテムとしてのコルセットにこだわらず、深い伝統と格式に裏づけられたコルセットを模索する新進気鋭のコルセティエ、「Pure One Corset Works」のPureOne氏。そんな彼が製作するコルセットを、写真とPureOne氏自ら語る制作秘話や解説などとともにご紹介するフォトギャラリー連載、今回はWEBスナイパーの総力特集「オンナノコになりたいオトコノコたちの最新事情」とのリンク企画で、男性用にあつらえたコルセット=メンズコルセットがテーマです。
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性差を超えた美しさを求める動きに、
21世紀のコルセットのあり方の一つが見付かるのではなかろうか?
今回は、初の男性モデルを起用した撮影です。
男性からのコルセットの受注が、最近とても増えています。
女性がデザインしたり、企画したコルセットというものは結構ありますが、メンズとなると途端に少なくなります。
これは国内外問わず共通して言えることだと思います。
オーダーされる方も、「国内ブランドだから」「コルセティエ(男性コルセット職人)が作ったものだから」といった理由でP.C.Wに依頼されることが多いです。
P.C.Wの場合、メンズコルセットは威厳を持たせる為にウエストのカーブを緩めにし、タキシードに合わせるカマバンドをイメージし、アレンジを加えています。
男性器があるので、通常のメンズコルセットは下端を真っ直ぐにして座った場合も股間に当たらないように設計されていますが、P.C.Wの場合、下腹のカバーも考慮し少し下までラインを下げています。
メンズコルセットに関しては、最初どのようなアプローチで製作を進めたら良いか見当も付きませんでした。
結論としては、レディースとメンズの間はっきりした線引きは設けませんでしたが、 一応パターン(型紙)的には、かなりストレートなシルエットに仕上げてあり、「締め上げた時に威厳のあるコルセット」を意識しています。
今回のコルセットに関しては、女装することを目的としているので、レディースコルセットを転用したパターンとなっています。
「男性でもこんなにウエストが細くくびれるものなんだ!」と、今回の写真を見て驚かれた方も多いと思います。
ですが、私の経験からすると、女性よりも男性の方が意外と締まり易いと思います。
嘘か本当かは分かりませんが、「男性は女性と違って子宮がなく小便をする器官も外に出ているため、体の内部に隙間がある。だから締まるんだ」なんて話も耳にしたことがあります。
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正直、メンズコルセットを語ることは、私にとってとても難しいです。
まず、レディース中心のファッションであるため、歴史的資料が非常に少ないので取っ掛かりが見付からない。
また、たとえそれを見つけたとしても、現代にマッチさせないと販売には結びつけにくい。
さらに、世界的に見てもメンズコルセットの需要は少なく、メーカーとして本格的に取り組むことが難しいという根本的な問題もあります。
事実、P.C.Wでもメンズコルセットのオーダーは希少です。
では、どんな男性が、何の目的で、どのようなコルセットをオーダーされるのか?
比較的多いケースとしては、女装子さんが、女性らしいくびれを作るために、砂時計型のアンダーバストコルセットを購入される例があります。
レディースコルセットにおける標準的なサイズがW50cm前後であるのにたいして、メンズコルセットはW60cm後半からW70cm前半くらいが一般的です。
そのためP.C.Wでは、砂時計型のアンダーバストコルセットのサイズは、レディースからメンズまでの対応ということで、W34cm〜W60cmまで広げてあります。
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以前、参考までにとある女装子さんからお話を伺ったところ、理想とするイメージは「中性的な存在」とおっしゃっていました。
もう少し詳しく伺うと、「宝塚の様な、男装した女性が理想」だと言われ、非常に興味深く思いました。
お客様の声の中には「女装をするためのメンズコルセットが欲しい」というシンプルなものから、「男性的な面を残しつつも、女性的な曲線も活かしたコルセットが欲しい」と相反する二つの要求を含んだものまで、様々なものがあります。
投げかけられた質問や問題の意図を汲み取れるかどうかは、非常に大切なことですし、仕上がりにも大きな差が生まれます。
女装子さんの意向とは別に、”王子系”ということで、くびれを極力なくし、胸を潰したオーバーバストコルセットのオーダーを受け、製作したことがあります。
これについては、また別の機会にでも詳しくお話出来ればと思いますが、”性”としての美しさではなく、性差を超えた”人間”としての美しさを求める動きというものがあるように思われます。
それが「中性」という言葉で言い表わされたり、最近話題の「草食系男子」や「肉食系女子」といった言葉にもつながっているのかもしれないと思っています。
「性差を超えた美しさを求める動きに、21世紀のコルセットのあり方の一つが見付かるのではなかろうか?」
お客様の声の中に、一つの理想や時代が見え隠れします。
文=PureOne
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コルセット製作=PureOne(P.C.W.)
モデル・スタイリング=J'zK
写真=白尾零二
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Pure One 中央大学文学部文学科国文学専攻卒。文化服装学院ファッション工科アパレルマーチャンダイジング科卒。大手テキスタイルメーカーの生産管理にて、有名セレクトショップやパリコレを扱うブランドに多数携わる。退職後、2005年にフェティッシュブランド「SLUMP TRUMP(スランプトランプ)」 を立ち上げる。2006年には、AVメーカー 「ゴーゴーズ」との協力の元、日本で初のアパレルブランドとAVメーカーのコラボレーションシリーズを発表。同年より本格的にコルセットの研究、製作、販売を始める。 Pure One Corset Works http://pcw-corset.ocnk.net/ |
09.04.29更新 |
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