不定期連載 美しい日本人女性のためのコルセット製作術!
Japanese modern corset photo column.
古く中世から普及し始めたコルセットの伝統を踏まえつつ、現代の日本人女性に向けたオリジナル・コルセットの製作を手がけるパタンナーが、作品の撮り下ろし写真とともに創作の心と技を示す新連載。「美しさ」の創造を目指す現場で素朴にきらめく、誰にも知られることのない光の乱舞。「和と洋の絡みあいーJapanese Corsetー」
今回は大阪市北区にある『Lacryma』というフェティッシュバーのオーナーマダム・不破涙女王様が撮影モデルを引き受けてくださいました。
私達が出会ったきっかけは、これまた別のフェティッシュバーの女王様におつくりした 帯のコルセットでした。その女王様がお店で私の作ったそのコルセットを着けて下さっていて、それを目にした涙女王様も欲しいと言って下さり、涙女王様にもお作りさせて頂くこととなったのです。
初めてお会いした日は、全身から滲み出るフェロモンと女王様ならではの貫禄にびびりまくっていた私。
ところが、お話してみるととても気さくで温かみのある優しい女王様でした。
撮影の合間の雑談中、それを白状すると、
「そりゃそうやんなぁ。私見た目怖そうやもん! でも残念やったなぁ全然女王様らしくなくて(笑)」
と笑ってくれました。
いえ、実際女王様らしくないことないんですよ。ただとにかく気さくなんです。
そのおかげでこうやって撮影モデルをして頂くこともできたわけです。
そんな涙女王様が最初にオーダーして下さったのはもちろん帯のコルセット。
帯のコルセットの特長は、コルセット自体が和と洋の掛け合わせである為、和の衣装とも洋の衣装とも合わせられるということです。
着物を着崩してセクシーに。もちろんきちんと着た着物の上に、通常の帯代わりに使っても素敵。
その一方で、キャットスーツやドレスとも相性抜群です。
以前にも述べた通り、LOVELAD RESSENCEには4つのラインを設けてあり、帯のコルセットはその中の【Japanese Corset】に属します。
そして、この帯のコルセットだけ、編み上げ用の紐にツイストコードという光沢のある撚り紐を使用しています。これは、編み上げ部分を締めた後の余りを前で結んだ時、帯締めのように見せたかったからです。
これが中々好評を頂いていて、帯に近いカタチで使いたいお客様に喜んで頂いています。
通常、一本の帯から二着分製作が可能なのですが、基本的にお客様からオーダー頂いた分に関しては、一着しか製作していません。
そこで、余った分でお揃いの小物が欲しいという声も多く、最近ではチョーカーや手枷、ネックコルセットなども承っています。
帯を裁断する際、基本的には柄合わせを考えません。どの部分をどう使うか等の緻密な計算もありません。
コルセットに盛り込みたいと思った柄の部分をただ感覚的に裁断していきます。
型紙を配置していく際、私は基本的に帯を横長において型紙を配置していきます。本来、通常の素材であれば、二枚重ねにして左右のパーツを一度に裁断するのですが、帯に関しては、盛り込みたい柄の部分をどこに入れれば映えるかなどを考えながら、一枚ずつ裁断していくのです。非合理的ではありますが、それだからこそのよさがこの帯のコルセットにはあると思います。
私にしかない感覚で型紙を帯の上に配置し、裁断していく。
それは私にしか作れないコルセットを作りたいという思いの表われなのかもしれません。
(続く)
関連サイト
LOVELAD RESSENCE
10.02.11更新 |
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ジャパニーズ・モダン・コルセットの虹
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