world wide fetish journal on WEB sniper. 毎週木曜短期集中新連載開始! 欧米フェティッシュ・ジャーナル Fetish journal 【4】フェティッシュ・ゴシック 〜CHATEAU DE VAUX-LE-PENIL〜 取材・文= アニエス・ジアール フランシス・ドゥドブラー 翻訳=牡丹 |
「S&Mスナイパー」本誌でおなじみの在仏カウンターカルチャー専門ジャーナリスト、アニエス・ジアール&フランシス・ドゥドブラー。親日家でもあるお2人が、世界のフェティッシュ事情をお届けします! 今夏7月、パリ近郊のヴォー・ル・ペニーユ城で開催されたイベント「フェティッシュ・ゴシック」の様子をご紹介します。
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パーティは、パリ近郊のヴォー・ル・ペニーユ城という重厚な城で行なわれた
この城は第二次世界大戦下SSの統括区域だった
この城は第二次世界大戦下SSの統括区域だった
それはパリでのことだった。『フェティッシュ・ゴシック』という単発のパーティが開催された。パーティは2008年7月13日に、パリ近郊のヴォー・ル・ペニーユ城という重厚な城で行なわれた。ごく少数の人は知っていたのだけれど、この城は第二次世界大戦下SS(ナチス親衛隊)の統括区域だった。フランスのレジスタンス(抵抗軍)とユダヤ人の多くが、この城の地下で虐殺された。
長い間、フランスの「ゴシック」な人たちは、ほぼ最右翼(※1)であると見なされてきた。なぜなら、ラムシュタイン(Rammstein※2)やニュー・オーダー(※3)、VNVネーション(VNV nation※4)、フロント242(Front 242※5)、ジョイ・ディビジョン(Jpy Division※6)、ライバッハ(Laibach※7)のような数々の音楽バンドは、黒い軍服、旗、記章、革の軍靴といったナチスのスタイルを好んで模倣しているからだ。
マリリン・マンソンもまた、美しいゲルマン諸語を使う。マリリン・マンソンはヒトラーをデフォルメした舞台装置でとてもセクシーな衣装(売春婦のような)を着けてコンサートを行った。SMというのはこういう類いのあいまいさを巧みに利用している。危険であるように見えるのだ。ヒトラー、それは現代のアンチ・キリストのことを指す。
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文・=アニエス・ジアール
<訳者註>
※1:右翼……フランスでの右翼とは、国粋主義者とほぼ同義の意味である。
※2:ラムシュタイン……ドイツの音楽バンド/バンド名の由来はウィキペディア参照
※3:ニュー・オーダー……イギリスの音楽バンド/バンド名の由来はウィキペディア参照
※4:VNV ネーション……イギリス出身の音楽バンド/バンド名は、第二次大戦中にナチスと同盟関係にあった『フランデレン国民同盟(Vlaams Nationaal Verbond,VNV)』に由来している。
※5:フロント 242……ベルギーの音楽バンド/バンド名は特に何からも由来していないが、バンドのビジュアルイメージはナチス・ドイツやファシズムを強く連想させるものである。
※6:ジョイ・ディヴィジョン……イギリスの音楽バンド/バンド名の由来はウィキペディア参照
※7:ライバッハ……スロヴェニア出身の音楽バンド/バンド名由来はウィキペディア参照
関連リンク
『フェティッシュ・ゴシック』 : FETISH GOTHIC
マリリン・マンソン : Marilyn Manson The Official Web Site
アニエス・ジアール - AGNES GIARD - 1969年生まれ。カウンターカルチャー専門のジャーナリスト。S&Mスナイパーにて “Fetish News Express” 連載。 フランシス・ドゥドブラー - Francis Dedobbeleer - 1961年生まれ。写真家。フランス最大のフェティッシュ・パーティ “la Nuit Elastique” オーガナイザー。 アニエス・ジアール=LE SEXE BIZARRE - Le site du livre |
08.12.11更新 |
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