毎週日曜日更新! あの日“アイツ”を追いかけた 全ての女子たちへ! 「腐った遺伝子」 第18回 文=早川舞 ←写真は冬コミの会場で座りこんでお休み中の人たち。まるで避難所……。みんなある意味突っ走っている。大変すがすがしい。昔は嫌いな光景だったけど、大人になって、突っ走ることに価値を感じられるようになってから見てみると、さほど嫌なものでもないんだなと思いました。別に誰の迷惑にもなってないし。 |
いや〜、しかしとにかくハルヒと初音ミク祭りでした〜。どっちもよくわからないのですが、とりあえず流行は追ってみようと思ってそれぞれ1冊ずつ買ってみました。特に初音さんのほうは、バンドマンのはしくれとして曲を作るのに取り入れてみようと最近インストールをもくろんでいるので、どんなものなのか勉強がてらの購入だったのですが、多分間違った知識ががっつり身についてしまったことと思います。いいけど別に。
ところで、女性なのに、そしてまがりなりにも女王様(三流)なのに、レイプとか凌辱ものが比較的多い男性向け創作を読んで面白いんですかと何度か聞かれたことがありますが、自分の中の女性性を受け入れられるようになってから読み物のひとつとして楽しめるようになりました。
自分の女性性を受け入れる(というか、女性でない存在であり続けることを「あきらめる」という感覚のほうが近かったのですが)ということは、男性性というものがある、ということを理解するのにつながるわけで、あーこういうのが好きな人もいるのねー、実際にやるんじゃなくて、こういう形で発散するのなら、それもまぁいいんじゃない、みたいな。
やおいを読んでいた腐女子のころは、そもそも女子が出てくるエロ自体がなんかおっかなかったですよ。嫌いじゃなかったけど、読むとしたら怖いもの見たさみたいなところがあった。否応なしに自分が望んでいない性の持ち主であることを突きつけられるわけで。
あのー、女王様って腐女子上がりとか現役腐女子が意外と多いと思うんですよね。みんなカミングアウトしないだけで。もちろん、少数派であることは間違いないと思いますが。『スナイパーEVE』の名鑑なんかを見ていると、「あー、この人は腐女子経験あるんだろうな〜」とか、わかるときがあります。私と同じニオイがする(笑)。
つぅのは、女王様ってある種、普遍的な女性像を超越した(ような気がする)存在なわけじゃないですか。本来男性が女性に求めるとされるものが、女王様が相手だと、求められ方がちょっと特殊になるという意味で。その特殊さが女性性から逃げていることのエクスキューズになる(ような気がする)ので、安心できるんですよ、なんか。
でもそのかわり、本当はちやほやしてほしいのに相手をちやほやしなくちゃいけないとか、求められる形がたとえ特殊であるにせよ、結局それも女性性の一種であることを受け入れなくてはいけないとか、実際やってみると元々描いていた理想とはどんどんかけ離れていくので、今、腐女子で、女王様とかやってみたいなー、と思っている方はもうちょっと考えたほうがいいかもしれません。
あ、でもやっていると間違いなく精神的ふたなりにはなれるので、女性性を受け入れつつ同時に男性性があればまぁトントンっぽいしそれでもいっか〜、両方あればなんかおトクな感じだしね! と思える人(つまりちょっとバカ)にはいいかもしれません。男性ホルモンが増えてヒゲが濃くなるかもしれませんけど(濃くなった)。
逆に、何で希釈しようと、もう女性性自体がイヤ! 拒絶したい! どっかそのへんに捨てたい! と思っている純粋培養型腐女子の方にはつらいかもしれません。まぁつまり両性を望むか無性を望むかの違いなんですけど、少なくともSMにおける女性性の超越というものが本当にあるとしたら、それは両性を得ることであって、女性性の放棄という形ではなされないかと思います。
話がおそろしく脱線しましたが、そもそも何を書きたかったかというと、今回の戦利品たる男性向け創作同人誌、つまりエロ同人誌のご紹介記事です。男性向け創作は女装子や、女性化願望のある人、女性として扱われたい人とプレイするときに、すんごい役に立つんですよ。
なぜ役に立つかと言うと、やおいとの違いを例に挙げて考えるとわかりやすくなると思うのですが、同じエロを扱っているやおいと男性向け創作のもっとも大きな違いは、例外もありますが、前者は精神面や関係性を重視するのに対して、後者は精神面を軽視するとまでは言わないまでも、肉体的・具体的な行為の描写に心血を注ぐ傾向があります。
行為の描写を中心として話を進めるのであれば、設定はある程度「ベタ」なほうがより扱いやすく、それゆえに男性向け創作のストーリー展開は結構似通ったものが多いです。非常によく見かけるのが戦うヒロインが敵につかまってあれこれされちゃうとか。ね、ベタでしょ。ま、私が格ゲー好きだからよく見かけるだけなのかもしれませんけど。
このベタというのは、言い換えると「エロいとはこういうことだ、と多くの人に刷り込まれている極端かつ典型的な例」と言うこともできます。
女性化願望があったり、女性扱いされたいM男性は、女性の極端かつ典型的な部分、それは象徴とか記号とも言い換えることができる……が、自分の肉体にもたらされることを望みます。だから例えば、本当はふりふりのヒモパン履いてる女子なんて実際にはほとんどいないにも関わらず、女性の象徴をそこに見出して、履きたがるM男が多いんですね。まぁ象徴をどこに見出すかは人それぞれなんで、あくまでも一例ですが。
∴(ゆえに)! そこから派生するエロも、やはり極端かつ典型的な「ベタ」を好む場合が多いのです。現実がどうであるかはさておき、それが彼女?たちにとっての、女性として受ける辱めの象徴なわけですから。
とはいうものの、いくらストーリー展開はベタでも、言葉責めとか、ちょっとしたシチュエーションの違いとか、体位とかはバリエーションが多いほうがいいに決まっています。言葉責めで5回ぐらい同じこと言っちゃったりとか、みっともないYONE?(3回はおk) そんなとき男性向け創作は非常に優れた教師になってくれるのですね。新人女王様の皆さん、女装子の扱いに困っていたら、エロ同人誌を読みましょう。何かヒントが見つかるかもしれませんよ!
というわけで、私はいったい何が語りたいのか自分でもわからなくなってきたぐらい前置きが長くなりましたが、そんな視点で戦利品をご紹介していきたいと思います。
『魔獣姦汁』 問い合わせ:「悶亭」
『三国志大戦の本 〜巨乳掩殺の計〜』
『みくぱぁ本。』
『ユフィと棺桶男』
問い合わせ:『ジョニーズ事務所』 / 『人間もどき』
『散華 萌ゆ 〜二人の姫巫女〜』
『出ましたっ! パワパフガールズZ 001』
問い合わせ:「やっつけだきまくま」
『GORE GORE GIRLS』
道満晴明さんは快楽天というエロ雑誌で見て好きになって、雑君保プさんは高校のときに読んでいた『コミックゲーメスト』というゲーム専門のマンガ雑誌で、ワールドヒーローズという格ゲーのマンガを描いていた。格ゲーのマンガとは思えないユルさというか、いやもはやユルいとかそういうレベルで語れる内容じゃなかった気がする。とびすぎてて。G=ヒコロウさんは多分ゲーメスト関連の何か? グロかわいい絵とセリフ回しの独特のテンションがかなりやばいです
そんな感じでこれらの今回の戦利品なのですが、バレンタインも近い!ということで、読者の皆様にそれぞれプレゼントしようかと思います。使用済み同人誌です。あ、チョコとかはないです。すいません。ご希望の方は、ほしい同人誌のタイトルと、住所とか名前とか何か適当にいろいろ書いて下記までメール下さい。待ってるよ〜(スペースチャンネル5のあの人の声で)。
今回紹介した同人誌を、ご応募いただいた方の中から抽選でそれぞれ各1名様にプレゼントいたします。
ご希望の方は、「宛名」「送付先」を明記し、
以下のアドレスへ「腐った遺伝子使用済み同人誌プレゼント」というタイトルのメールをお送りください。
なおご応募の締め切りは2008年2月17日(日)必着となります。
なお当選者の発表は発送をもって代えさせていただきますので、あらかじめご了承くださいませ。
(続く)
早川舞 世界、特にヨーロッパのフェティッシュ・カルチャー関係者との交流も深い、元SM女王様フリーライター。だが取材&執筆はエロはもとよりサブカルからお笑い、健康関係まで幅広く?こなす。SMの女王様で構成されたフェミ系女権ラウドロックバンド「SEXLESS」ではボーカルとパフォーマンスを担当。 現在、フェティッシュ・ミックス・バー「ピンク・クリスタル」に毎週木曜出勤。
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08.02.10更新 |
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