不定期連載 綿まで愛して!新世紀抱き枕系コラム! すあまにあ倶楽部 第30回 『SunShop\x87U』 6月の売り上げランキング!! 文=抱枕すあま |
すあクラは、毎回、私が書きたいと思ったことを、好き勝手に書いているのだが、珍しくWEBスナイパー編集部のI氏から、企画が持ち込まれた。
「『SunShop』さんの売り上げランキングなど、やってみませんか?」
『SunShop』とは、秋葉原と御徒町にある拘束DVD専門店であり、WEBスナイパーのクライアント様でもある。SM業界では有名なお店で、秋葉原にある『SunShop\x87U』には、『S&Mスナイパー』本誌でもお馴染みの、雪村春樹氏、千葉曳三氏、志摩紫光氏らの著名な縄師が縛ったトルソーが飾られている。
今では、『SunShop\x87U』に緊縛トルソーが飾られるようになれば、一流の縄師になったと言われるまでになった。ちなみに、私の緊縛トルソーは飾られていないが、以前、宮地奈々ちゃんが着用した、蝋燭で真っ赤に染まったセーラー服を展示していたことがある。これで、私は一流のセーラー服になったと言われるまでになったのだ。ところで、「一流のセーラー服」ってなんですか?
『SunShop\x87U』は、他店舗も入居している雑居ビルの3階にあるのだが、エレベータを降りると、すぐにリアルドールのユイちゃんが出迎えてくれる。このユイちゃんは、『SunShop』の総帥が、御徒町店の近所にあるオリエント工業のショールームまで出掛けて、スカウトしてきた娘なのだ。しかも、定期的にシネマジックの赤井鯉三郎監督らが来店して、ユイちゃんを撮影で使用した衣装に着替えさせ、緊縛し直している。
↑ユイちゃんの処女は、すあま氏が奪ったという都市伝説がある。
ユイちゃんが緊縛されている姿を見るのは、お店に来る楽しみの一つなのだが、同時に大きな問題も抱えているのだ。『SunShop\x87U』の上の階にはネットカフェがあるので、一般のカップルや子供を連れた家族などが、一緒にエレベータに乗り込むことがある。そうなると、『SunShop\x87U』へ行く場合、3階でエレベータの扉が一旦開くことになる。すると、いきなり目の前に緊縛されたユイちゃんが現れるのだ。
ネットカフェを利用するためにエレベータに乗り込んだだけで、3階にどんなお店があるのかも知らないカップルや家族連れは、必ず驚きの声を上げるのである。それなのに、その階でエレベータを降りなければならないという状況は、非常に恥ずかしいものなのだ。SMにこだわったお店だけに、来店時に“羞恥心”を味わわせようという、一つのサービスなのかもしれない。
私がお店へ向かったその日も、カップルとエレベータが一緒になってしまった。3階でエレベータを降りるとき、後ろで「なに、あれ?」という女性の驚いた声を聞きつつ、私は「なに、あれ?」の世界が蔓延している『SunShop\x87U』の店内へと足を踏み入れたのだった。
す「ういッス!! あれ、今日は店長だけ? 今日も総帥は、仕事もせずにパチスロしに行ってるの?」
店「いえいえ、御徒町店の方へ行っているはずですよ……たぶん」
す「まぁ、いいや。たまには、総帥じゃなく、店長に取材させて貰いますよ。総帥には話をしておいたんだけど、6月の売り上げランキングってどうでした?」
店「えっとですね、こんな感じでしたよ」
第1位 PAIN GATE〜有刺鉄線傀儡〜[SCRUM]
第2位 一本鞭ベストコレクション[アタッカーズ]
第3位 拷問の館6[アタッカーズ]
第3位 女体拷問研究所VOL.13 LAST SONG[ベイビーエンターテイメント]
第5位 楠木女学院 奴隷色のステージ[アタッカーズ]
第6位 獄悪1 風林火惨[風蘭社]
第6位 1年S組 高橋真弓のおしおき3[電人]
第8位 奴隷市場の女2[シネマジック]
第9位 完全人格否定〜お仕置き吊り〜[アリーナX]
第9位 緊縛と猿轡\x87Gある日の誘拐事件[隷嬢寫眞館]
す「予想通りというか、なんというか、『PAIN GATE〜有刺鉄線傀儡〜』(SCRUM)が第1位でしたね。風見蘭喜さんの発売記念イベントにも、人がたくさん集まったみたいですしね」
店「お陰様で、大盛況でしたよ。通路の奥の方まで、人でビッシリと埋まってましたから。この日だけでも、かなりの枚数が売れましたしね。風見さんのお陰ですよ」
す「ほらほら、誰かお礼する人を忘れてません? すあクラでも作品を大きく取り上げたし、ネット販売での特別割引情報を載せたから、順調に売り上げが伸びたんじゃないですか? ほれほれ?」
店「ああ、そうでしたね。ネット販売の方だと、『WEBスナイパー見ました』と書かれた方が、一人いらっしゃいましたよ。全然期待していなかったのに、すあまさんのお陰で、1枚売れたんですよ。本当に有り難うございます」
す「ひ、ひ、ひ、一人ですか? 私が、睡眠時間を削りながら、頑張ってコラムを書いたというのに、たった一人ですか? しかも、2回にわたって書いたというのに。これじゃ、3千円の焼酎なんて、飲ませて貰えないよな……ははっ……」
店「うちの総帥は、『ネット販売の割引は、50%でもよかったね。すあま君のコラムなんて、どうせ数人しか読んでないんだからさ』って言ってましたよ」
す「キィーーーーーッ!!」
店「安心して下さい。イベントの開催についても、すあクラのコラムを読んで知ったというお客様は皆無でしたから」
す「もう、そっとしておいてください……。これからは、その一人の読者さんのためだけに、コラムを書きますよ。だけどさ、『PAIN GATE〜有刺鉄線傀儡〜』のジャケットのデザインって、正直どうなんだろう。小さい写真ばかり載せてるから、せっかくの有刺鉄線が目立たないでしょ? もっと大きな写真を使った方が、有刺鉄線のインパクトがあると思うんだけどね。今の時代、みんなネットで作品の情報を調べるじゃない? そうなると、パッケージ画像とかって小さいから、どんな内容なのかが分からないんだよね」
店「業界関係者は、口を揃えてみんなそう言うのですよ。だけど、一般のお客さんからは、意外と好評なんですよね。最近の作品は、大きな1枚の写真が多いから、逆に新鮮らしいのですよ」
す「へぇ〜、そういうもんなんだ。でも、高額商品だから、買う側としては、パッケージから得られる情報量が多い方が、嬉しいのかもしれないね。あっ、第5位に『楠木女学院 奴隷色のステージ』(アタッカーズ)が入ってるんだ」
店「見られたんですか?」
す「うんにゃ。えっとね、8月に発売される次回作の『楠木女学院 奴隷色のステージ2』の方に、天使美樹ちゃんが出演するんだ」
店「天使美樹って、まだAV業界にいたんですね。ストリップ業界で活躍していたのは知ってましたけど。相変わらず、気に入った女優さんの作品は、全作品揃えますね。それじゃ、お取り置きしておきますよ」
す「よろぴく。第6位は、『1年S組 高橋真弓のおしおき3』(電人)ですか。『SunShop』は、『高橋真弓のおしおき』シリーズが根強い人気ですなぁ」
店「DVDを追加注文すると、監督の電人さんが、嬉しそうに納品にやってくるんですよ。それが、お小遣いを貰いに来る、子供のような笑顔でしてね。そのうち、新作の『忍アナル調教』も発売されるようですよ」
す「電人のヤツ、いつかぶっ潰す!!」
店「なにか、電人さんに個人的な恨みでもあるんですか?」
す「いえ、お会いしたこともないんですけどね。電人氏とは、いつかクンニ王の座を賭けて、戦わないといけない相手ですから。しかし、真弓のどこがいいのかね。バースと掛布と3連続ホームランを打った人でしょ?」
店「それは、真弓じゃなくて、現・阪神タイガース監督の岡田ですよ」
す「えっ、『高橋岡田のおしおき』シリーズだったっけ?」
店「違うって! 3連続ホームランの話です!!」
す「もう、エロDVDの話をしているのに、急に野球の話をするから、訳が分からなくなるよ……」
店「ああ、頭が痛くなってきた。すあまさんが来ると、総帥が居留守を使うのも、無理はないな……」
す「ん!? なにか言った?」
店「なんでもないです、なんでもないです」
す「第8位には、『奴隷市場の女2』(シネマジック)が入ってるんだ。縄師の魁さんが監督しているんですよね。以前、この作品に出演している川上ゆうさんのオッパイを揉んだことがあるけど、柔らかかったなぁ……」
店「そうか。すあまさんは、エピキュリアンの撮影の時、魁監督と川上ゆうさんに会ってたんですよね」
す「魁さんとは、その前にBARで会っているんですよ。そこで、上島竜兵事件(すあクラ第5回参照)を起こしてしまったんですよね……」
店「相変わらず、失言の多い人ですね。それより、知り合いのお二人が関係している作品ですから、当然この作品は見ているんですよね?」
す「えっ!? セーラー服を着ていない作品を、私が買うと思って? オーホッホ! よろしくてよ! よろしくてよ!!」
店「なんで、急にお嬢様口調になるんですか……」
す「でも、『奴隷市場の女』シリーズは、根強い人気があるんですよね。私の周りでも、評判がいいですし。ランク外だと、SCRUMの『PAIN GATE2 閃光花火』がいまだに売れているんですね。これって、ミラ狂美さんが出演している、かなり前に撮った作品でしょ? なんでまだ売れているんだろう」
店「もうすぐ、花火の季節だからじゃないですか?」
す「そういうもんですかねぇ。でも、その理屈が通るのなら、花が咲き揃う春には、SCRUMの『鼻召奴』が売れてもいいんじゃない?」
店「SCRUMの社長が言うには、『鼻召奴』はなかったことにしたいらしいですよ。椅子取りゲームが評判悪かったらしいです」
す「あの作品の最大のミスは、SCRUMの社長が自ら監督をしたことに尽きるけどね。あの人は、プロデュース業に専念していればいいのにね。そういえば、SCRUMは、また新作撮るのかなぁ。有刺鉄線の後じゃ、何をやってもインパクトに欠けるからね」
店「社長に聞いたら、しばらく撮影はしないって言ってましたよ。でも、なにかよい責めのアイデアがあったら、あの社長のことですから、すぐにでも撮ると思いますけどね。あっ、こんばんは!!」
店長と話をしているところへ、巨体を揺らしながら、ある女性がやってきた。よく見たら、その女性は『人妻変奴通信〜拡張願望の女〜』(SCRUM)に出演していた女社長であった。
この作品、以前、私のコラムでも紹介したことがあるのだが、女社長の性器にモザイクをかける作業で気持ち悪くなったなどと、悪口を散々書いていたのだ。このままでは、半殺しにされかねない。殴られるのならばまだ我慢できるが、間近で性器を見せられたら、それこそ失神しかねない。
しかし、女社長は私の顔に見覚えがあっても、名前までは思い出せないようであった。そのため、私は女社長に自分の正体がばれる前に、早々にお店から退散することにしたのだった。
す「そ、そ、それじゃ、店長。急用を思い出したので、今日は帰ります! 総帥によろしくお伝えください!!」
店「はい、わかりました。『楠木女学院 奴隷色のステージ2』は、取り置きしておきますからね。す・あ・ま・さ〜ん!!」
す「ば、ば、バカ! そんな大きな声で、私の名前を呼ぶな!! と、とにかく、逃げろーーーッ!!」
後で店長に聞いたら、この女社長は、私のコラムなど読んでいなかったらしい。どこまでも人気がないコラムである……。
↑『SunShop\x87U』の店内では、様々な作品のゲリラ撮影も行なわれている。沢井真帆主演の『緊縛露出志願の女』(シネマジック)では、この三角木馬が使用された。写真後方の消火器は、初期消火の段階で使用されるものである。
【関連サイト】
SunShop
SCRUM
(続く)
抱枕すあま 『SM探偵団』(ガッツ)で男優兼監督としてデビュー。その後、カメラマン、照明を経てスタッフその3となる。着実に一歩ずつ大物監督へのステップを踏み外している。最近では、『SM魔女狩り審問会』(エピキュリアン)において、金属製拘束具のデザインおよび製作を担当した。抱き枕との生活を綴ったブログ『すあま日記帳』もある。 |
08.07.17更新 |
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