
(C) Document Films 2010
WEB SNIPER Cinema Review!!
90年代を疾駆した伝説のインディレーベル
典型的なグラスゴーのワーキングクラスの家庭に生まれ育ち、鉄道員を経てロンドンに進出、クリエイションレコーズを立ち上げた男、アラン・マッギー。80年代初頭のグラスゴーからオアシスの発掘〜世界的大ヒットに至るまで、ワーキングクラスの気骨とアティテュード、すなわち剥き出しの誠実さを貫き通した男。その破天荒な生き様と人物像、レーベルの流転の歴史、愛憎渦巻く人間模様を、鳴りっぱなしの音楽とレアな映像とともに、錚々たる人物が語り尽くす!! 酒とドラッグ、そしてロックンロールにまみれた男の冒険の物語。8月27日(土)より、シアターN渋谷ほかにてロードショー
全国順次劇場公開
または、プライマル・スクリームのボビーが「クリエーションレコーズははみ出し者や精神異常、麻薬患者に社会不適合者の寄せ集めさ」と話し始めるとしたら。今すぐ観に行きたくはならないだろうか!
出演者は、ジム・リード(The Jesus & Mary Chain)、ノエル・ギャラガー(Oasis)、ボビー・ギレスピー(Primal Scream)、ケヴィン・シールズ(My Bloody Valentine)、なぜかピーター・フックも……、映画にはマイブラの録音費用の話もオアシスのネブワース・パーク野外コンサートの話も出てくる。
この映画には今すぐ何か始めたくなって、実際始めた奴らが続々登場する。例えばクリエーションレコーズは、ある日テレヴィジョン・パーソナリティーズのライブを観たアラン・マッギーが、今すぐ彼らのすべてを知りたくなったところから始まった。次の日ラフ・トレードに行った彼はテレヴィジョン・パーソナリティーズのレコードを全て万引き、バンドを結成し、そしてやがてクリエーションレコーズが誕生する(彼らパンク世代のがんばりのせいで、今や全てのイギリスのレコード屋では商品の中身を抜いてレジ奥に隠している)。
思ったことをすぐ始めるというのはなんて素晴らしいことなんだろうか。8月頭にイギリスで暴動があったが、あれも「欲しい」ものをそのまま取っちゃうギャングと後にくっついて行った普通の子供達の暴動というような報道をされていた。イギリス人というのは結果はともかく、思ったことを実行に移す力には長けているのだろうか。
良いと思ったバンドとはすぐに契約、良いと思ったドラッグもすぐ吸引。劇中には、アシッドハウス・ムーブメントの話も出て来て、あのハシエンダにアラン・マッギーが行っていたのは意外だった。しかしこのエピソードがまた最高で「なんでもEっていう新しい麻薬がはやっているらしい」そんな噂を聞いた彼がマンチェスターに寄ったおり、早速ハシエンダに出かけてみる。するとそこには3000人の人間が集まり、ステージ上にも600人の人間がいて、完全にシラフじゃないハッピー・マンデーズのベズを先頭に、全員が猛烈に天井に向かって空中パンチを繰り出していた! そして「俺はすぐにマンチェスターに引っ越した……」という、まあどうしようもない馬鹿な話なのだが、その後トニー・ウィルソンの番組に出演して「マンチェスターに引っ越して来た理由は?」「良質のエクスタシーの為だ!」などと会話しているのを観ると、これが本当にお茶の間で流れていたのか……とイギリスを国ごと訝らずにはいられない(クリエーションレコーズについては本も出ていて、そういうアホな話が沢山載っている。どれも笑えるものばかりなので、こちらもおすすめだ!『クリエイション・レコーズ物語 』著者=パオロ・ヒューイット 訳・監修=伊藤 英嗣 出版社=太田出版)。
グラスゴーの鉄道員が始めた個人レーベルは、ジーザス&メリーチェイン、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、プライマル・スクリーム、ライド、ティーンエイジ・ファンクラブ、オアシスをデビューさせ、ついに世界最高のレーベルになる。しかし同時にアラン・マッギーのドラッグトラブルで傾き始め、アルバムチャートの1位、2位をオアシスとプライマル・スクリームで独占、業界の頂点を極めたまま解散、消滅した。
すぐに行動して成功し、考えずに行動して自滅する。全くもってイギリス。全くもってロックンロール。そこには確かにこないだの暴動と同種の衝動や、思慮のなさが詰まっているかもしれない。しかし、この映画の登場人物たちが違うただ一点、それは音楽への愛なのだ。ジーザス&メリーチェインが「ロックが嫌い、ロックに群がる空っぽな奴らも嫌い」と歌うエンディング曲、「アイ・ラブ・ロックンロール」が効いている。これはまさにクリエーションレコーズについて歌った曲だろう。そこには、どうしようもない奴らが音楽に対する愛だけで連帯する、サーカスのような寂しさときらめきがあった。
文=ターHELL穴トミヤ
ボビー・ギレスピー、ケヴィン・シールズ、そしてノエル・ギャラガーetc.
超豪華キャストとサウンドで贈る、スペシャルなドキュメント!!
FLV形式 6.43MB 2分16秒
『アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー』
8月27日(土)より、シアターN渋谷ほかにてロードショー
全国順次劇場公開
原題= Upside Down The Creation Records Story
監督= ダニー・オコナー
音楽監督=マーク・ガードナー(Ride) 他
出演= アラン・マッギー、ジョー・フォスター(共同経営者)、ノエル・ギャラガー(Oasis)、ボビー・ギレスピー(Primal Scream)、ジム・リード(The Jesus & Mary Chain)、ケヴィン・シールズ(My Bloody Valentine)、ノーマン・ブレイク(Teenage Fanclub)、グリフ・リーズ(Super Furry Animals)、アンディ・ベル(Ride、Oasis)、マーク・ガードナー(Ride)、ガイ・チャドウィック(The House Of Love)、ボブ・モールド(Husker Du、Sugar)、アーヴィン・ウェルシュ(「トレインスポッティング」原作者)ほか多数
提供+配給=キングレコード+ iae
共同配給・宣伝=ビーズインターナショナル
協力=ソニー・ミュージックエンタテインメント、クリエイティブマン・プロダクション
2010年|イギリス映画|カラー(一部モノクロ)|ヴィスタ|101分|ドルビーデジタル|デジタル上映
監督= ダニー・オコナー
音楽監督=マーク・ガードナー(Ride) 他
出演= アラン・マッギー、ジョー・フォスター(共同経営者)、ノエル・ギャラガー(Oasis)、ボビー・ギレスピー(Primal Scream)、ジム・リード(The Jesus & Mary Chain)、ケヴィン・シールズ(My Bloody Valentine)、ノーマン・ブレイク(Teenage Fanclub)、グリフ・リーズ(Super Furry Animals)、アンディ・ベル(Ride、Oasis)、マーク・ガードナー(Ride)、ガイ・チャドウィック(The House Of Love)、ボブ・モールド(Husker Du、Sugar)、アーヴィン・ウェルシュ(「トレインスポッティング」原作者)ほか多数
提供+配給=キングレコード+ iae
共同配給・宣伝=ビーズインターナショナル
協力=ソニー・ミュージックエンタテインメント、クリエイティブマン・プロダクション
2010年|イギリス映画|カラー(一部モノクロ)|ヴィスタ|101分|ドルビーデジタル|デジタル上映
『アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー』公開記念イベント開催!
【アラン・マッギー 緊急来日舞台挨拶決定!】
アラン・マッギー氏の緊急来日舞台挨拶が決定いたしました。
当日は、お客さまからの質問にアラン氏が直接答えるQ&Aの時間もあります。
■緊急来日舞台挨拶
日時:9/11(日)16:30の回上映前
場所:シアターN渋谷
渋谷区桜丘町24-4東武富士ビル2F
ゲスト:アラン・マッギー氏
MC:伊藤英嗣 氏(クッキーシーン編集長)
※当日朝11:00より劇場窓口にて整理番号発行
Twitter @movie_over_dose
Facebook www.facebook.com/MOVIE.O.D
日時:9/11(日)16:30の回上映前
場所:シアターN渋谷
渋谷区桜丘町24-4東武富士ビル2F
ゲスト:アラン・マッギー氏
MC:伊藤英嗣 氏(クッキーシーン編集長)
※当日朝11:00より劇場窓口にて整理番号発行
Twitter @movie_over_dose
Facebook www.facebook.com/MOVIE.O.D
【アラン・マッギーズ・クリエイション・ナイト】
9/12(月)には、代官山のUNITにて「アラン・マッギーズ・クリエイション・ナイト」が開催されます。
本年のソニックマニアにも出演したアラン・マッギー自身がメインDJとして素晴らしい音楽の数々をプレイするのはもちろんのこと、クッキーシーン編集長伊藤英嗣がサブDJを担当。またトゥイー・ガールズ・クラブ(TWEE GRRRLS CLUB)もフィーチャー。曽我部恵一バンドのLIVEなども予定し、アラン・マッギーと彼から多大な影響を受けてきたアーティスト達による1夜の共演。
■アラン・マッギーズ・クリエイション・ナイト
日時:9月12日(月)18時〜22時30分ごろ
場所:代官山UNIT
出演バンド:曽我部恵一バンド/CAUCUS/SHE TALKS SILENCE
出演DJ:アラン・マッギー/伊藤英嗣/TWEE GRRRLS CLUB
料金:前売 2800円(ドリンク代別)/当日:3300円(ドリンク代別)
9/12(月)には、代官山のUNITにて「アラン・マッギーズ・クリエイション・ナイト」が開催されます。
本年のソニックマニアにも出演したアラン・マッギー自身がメインDJとして素晴らしい音楽の数々をプレイするのはもちろんのこと、クッキーシーン編集長伊藤英嗣がサブDJを担当。またトゥイー・ガールズ・クラブ(TWEE GRRRLS CLUB)もフィーチャー。曽我部恵一バンドのLIVEなども予定し、アラン・マッギーと彼から多大な影響を受けてきたアーティスト達による1夜の共演。
■アラン・マッギーズ・クリエイション・ナイト
日時:9月12日(月)18時〜22時30分ごろ
場所:代官山UNIT
出演バンド:曽我部恵一バンド/CAUCUS/SHE TALKS SILENCE
出演DJ:アラン・マッギー/伊藤英嗣/TWEE GRRRLS CLUB
料金:前売 2800円(ドリンク代別)/当日:3300円(ドリンク代別)
【MADCHESTER NIGHT 2011】
映画公開に合わせ、初日(8/27)夜、代官山UNITにて記念イベントの開催が決定いたしました。
ストーン・ローゼズ、ハッピー・マンデーズ、ザ・シャーラタンズ……
80年代末にイギリスの一地方都市であるマンチェスターから世界中のダンス・フロアを揺るがす規模へと拡大したマンチェスター・ムーヴメント。 ダンスとロックの幸せな融合が生み出した狂騒の一瞬を再現する”MADCHESTER NIGHT”が、今年は映画『アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー』の公開に合わせての開催に!
クリエイションも中心となって切り開いたと言っていい、その幸福な時代のパーティーをクリエイションがリリースしてきた数々の名曲で追体験!!
■MADCHESTER NIGHT 2011
『アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー』公開記念!
8月27日(土) 代官山UNIT (23:00 open start)
www.unit-tokyo.com
前売¥2,500 当日¥3,000
(映画の半券をお持ちの方は¥1,500で入場できます)
UNIT DJs/KENJI TAKIMI (Luger E-Go/Crue-L)/Duck Rock/YODA (HORIZON)
CREATION TIME GUEST DJs:Shige & Yuki from POP69/VJ:SO IN THE HOUSE
INFO : 代官山UNIT 03-5459-8630
http://www.unit-tokyo.com/schedule/2011/08/27/110827_horizon.php
『アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー』公開記念!
8月27日(土) 代官山UNIT (23:00 open start)
www.unit-tokyo.com
前売¥2,500 当日¥3,000
(映画の半券をお持ちの方は¥1,500で入場できます)
UNIT DJs/KENJI TAKIMI (Luger E-Go/Crue-L)/Duck Rock/YODA (HORIZON)
CREATION TIME GUEST DJs:Shige & Yuki from POP69/VJ:SO IN THE HOUSE
INFO : 代官山UNIT 03-5459-8630
http://www.unit-tokyo.com/schedule/2011/08/27/110827_horizon.php
【限定Tシャツ販売!!】
日本国内300枚限定! オフィシャルTシャツ付特別鑑賞券セット(税込¥4,000)をシアターN渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町にて発売!!

【『トレインスポッティング』 レイト上映決定!!】
『アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー』公開を記念して、 シアターN渋谷では9/10(土)〜9/23(金)の期間、『トレインスポッティング』をレイト上映することが決定いたしました。
『アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー』には原作者のアーヴィン・ウェルシュも出演しています。
(『アップサイド・ダウン』特別鑑賞券提示でいつでも1,000円で『トレインスポッティング』鑑賞可能です)
■『トレインスポッティング』
9/10(土)〜9/23(金)の2週間 連日21:00より
当日料金:一般1,300円/学生・シニア1,000円
※「アップサイド・ダウン」特別鑑賞券提示でいつでも1,000円
※プリント(フィルム)上映
http://www.theater-n.com/
9/10(土)〜9/23(金)の2週間 連日21:00より
当日料金:一般1,300円/学生・シニア1,000円
※「アップサイド・ダウン」特別鑑賞券提示でいつでも1,000円
※プリント(フィルム)上映
http://www.theater-n.com/
『トレインスポッティング』
原題= TRAINSPOTTING
監督= ダニー・ボイル
脚本=ジョン・ホッジル
原作=アーヴィン・ウェルシュ
出演=ユアン・マクレガー/ケリー・マクドナルド/ユエン・ブレムナー/ロバート・カーライル/他
配給=アスミック・エース
1996年|イギリス|カラー|ビスタ|93分|
原題= TRAINSPOTTING
監督= ダニー・ボイル
脚本=ジョン・ホッジル
原作=アーヴィン・ウェルシュ
出演=ユアン・マクレガー/ケリー・マクドナルド/ユエン・ブレムナー/ロバート・カーライル/他
配給=アスミック・エース
1996年|イギリス|カラー|ビスタ|93分|
関連リンク
映画『アップサイド・ダウン:クリエイションレコーズ・ストーリー』公式サイト
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ターHELL 穴トミヤ
ライター。マイノリティー・リポーター。ヒーマニスト。PARTYでPARTY中に新聞を出してしまう「フロアー新聞」編集部を主催(1人)。他にミニコミ「気刊
ソーサー」を制作しつつヒーマニティー溢れる毎日を送っている。
http://sites.google.com/site/tahellanatomiya/