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(C) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED

WEB SNIPER Cinema Review!!
クールで陽気な宇宙人を救うため、ダメダメなヤツらが今、立ち上がる!!
『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ-俺たちスーパーポリスメン!』のサイモン・ペッグとニック・フロストが主演&脚本を務めたSFコメディ。オタクのイギリス青年2人組がUFOスポットを巡る旅を楽しんでいる途中、ポールと名乗る本物の宇宙人がヒッチハイクをしきて……。『未知との遭遇』『E.T.』など、過去の名作SFへのオマージュを散りばめつつ、悪戦苦闘の珍道中が繰り広げられる。

12月23日(祝・金)より全国ロードショー! 公開中!!
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今まで様々な映画で様々な人間が宇宙人と出会ってきた。子供(『E.T.』)、軍人(『エイリアン』)、冴えない親父(『未知との遭遇』)、役者(『ギャラクシー・クエスト』)、国連職員(『第9地区』)しかし誰よりも宇宙人について詳しい、SFオタクの奴が出会ったとしたら?(しかも2人組の男で、セカンド童貞っぽい感じの奴らだとしたら?)

本作は主人公が『ホット・ファズ-俺たちスーパーポリスメン!』『ショーン・オブ・ザ・デッド』の黄金コンビ、サイモン・ペッグとニック・フロスト。さらに宇宙人(の声)を『恋するポルノ・グラフィティ』『スモーキング・ハイ』のセス・ローゲンが熱演ときて、監督は『スーパーバッド 童貞ウォーズ』のグレッグ・モットーラだ! これはもう間違いない! 傑作! レビューの必要なし! 今すぐ映画館へ走れ!と言いたいところなのだが、まあ一応まだ半信半疑の人の為に説明すると、そんな冴えないSFオタクの中年コンビがアメリカのコミコン(アメリカのコミケですね)を皮切りに、全米のUFOスポットをツアーするところから始まる作品で、じゃあ傑作! 間違いなし! 今すぐ映画館へ!と叫んでしまうが、まあ一応まだ半信半疑の人の為に説明すると、そんな2人が、見た目ただの国道沿いの郵便受けにしか見えない通称「ブラック・メール・ボックス」を前にして「あの伝説の!」「小さい頃から憧れていたあの場所に、実際立っているなんて……」などと感動しまくるSFマニア的展開をかましていたら、なんと深夜の道路脇で本物の宇宙人ポールに出会ってしまった! しかも、そいつはアメリカ生活が長すぎて、中身が完全にそこら辺のアメリカ人(具体的に言えばセス・ローゲン)になっていた!という、傑作だ! 間違いなし! 今すぐ映画館へ!(宇宙人によるマリファナ吸引シーンもあるよ!)というバカ映画になっているのだ。

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始まりからして『未知との遭遇』バリバリまんまな本作は、随所に今までのSF映画へのオマージュを詰め込んでいるのだが(SF史上最低の戦闘シーンと呼ばれているTV『宇宙大作戦/スター・トレック』のカーク船長vsゴーンの対決シーンは2度も出てくる)、それ以上に繰り出される「オタクあるある」ギャグが素晴らしい。
忍者ソードを買おうかどうしようか迷うニック・フロスト。「キモいオタク野郎」と地元のレッドネックに絡まれるサイモン・ペッグ。さらには、キリスト教原理主義の女の子と、宇宙人による「進化論」論争。そんな細かい演出の数々が、「宇宙へ帰還すべく集合地点へ向かうポールと、彼らを追う謎の政府組織の追いかけっこ。そこにそれぞれ別の目的を持った奴らが、追跡者として雪だるま式に増えていく!」という盤石の骨組みの中へと巻き込まれていく。

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本作のグレッグ・モットーラ監督は、『スコット・ピルグリムVS. 邪悪な元カレ軍団』の撮影で忙しかったエドガー・ライトに代わり起用されたのだが、脚本・主演の2人の「オタク気質」と、モットーラ監督の「ボンクラ・ギャグ気質」こそ、待ち望んでいた組み合わせだった! 俺はいつもエドガー・ライト監督の作品にはノリきれないから、もういっそ彼には冤罪とかで牢屋に100年位入っていて欲しい。そしてこれからは代わりにこの黄金コンビで、新作を作って欲しい! ついそんな気持ちになってしまった。

モットーラ監督には『スーパーバッド 童貞ウォーズ』という作品があって、これは一応説明すると「一緒に童貞卒業しようぜ!」と言って、アホな2人が頑張った結果ほんとに彼女ができたけど、それによって男同士の友情は一つの終わりを迎えてしまう、というなんとも切ない映画なのだが、本作はその大人バージョンにもなっている。大体、男の友情はいつだって女によって壊される。ラモーンズだってそうだし、ビートルズだってそう! 考えるだけでムカついて来たが、ジョイ・デヴィジョンのイアン・カーティスだって半ば女のせいで自殺したし、『BIRD SHIT バード・シット』の主人公だってセックスした途端駄目になった! 女はいつだって男達のワイワイ、ワクワク友情関係を虫も殺さないような顔して近づいて来てぶち壊すんだ。あいつらは悪魔だ! クソッ! 豚! 女こそ敵だ!と、ついエキサイトしてしまったが(個人的に何かあった訳じゃないヨ)、でもそんなこと言ったって、いつまでもそんな男同士の友情に甘んじたままでいいんだろうか? そう、それはいつかは終わる、大人になる前に通過しなきゃいけない、仕方のない別れなんだ……というほろ苦さ。
それがまた、まさかの今度は中年2人を主人公にしての、助手席に宇宙人を置いたSF映画の中で繰り返されるという……。

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宇宙人ポールの「お前、まさか女に嫉妬しているのか?」というセリフを聞いたとき、宇宙人ポール最高!と興奮しながらも俺の頬には、熱い涙が流れていた。見所は色々あるが、このシーンこそこの映画の全てだ! 永遠の友情に乾杯!
ちなみに本作にはスピルバーグ監督(声のみだけど)やシガーニー・ウィーヴァーも出演しているので、ぜひ探してみてね! では諸君、また会おう!(ここでUFOが飛び立つ)

文=ターHELL穴トミヤ

ヒッチハイクしてきたのは……なんとエイリアン!?
イカした宇宙人とイカれた地球人が繰り広げる、笑って泣けるSFコメディ!!


FLV形式 4.08MB 1分37秒

『宇宙人ポール』
12月23日(祝・金)より全国ロードショー! 公開中!!
(C)2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED

原題= Paul
監督= グレッグ・モットーラ
脚本=ニック・フロスト、サイモン・ペッグ
出演= サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ジェイソン・ベイトマン、クリステン・ウィグ、ビル・ヘイダー、ブライス・ダナー、ジョン・キャロル・リンチ、シガニー・ウィーバー、セス・ローゲン


配給協力=アステア+パルコ

2011|アメリカ・フランス・イギリス合作映画|104分|カラー|ビスタサイズ|ドルビーデジタル・DTS・SDDS

渋谷シネクイントで「宇宙人割引」を実施!!
3人以上で 「宇宙人です」と名乗れば料金がお1人様1,000円に!


実は「自分は宇宙人だ」という方、または知り合いに宇宙人はいませんか……?
宇宙人を連れて3人以上で渋谷シネクイントに来場すると入場料金がお1人様 1,000円になります!
コスプレして見た目からして宇宙人になりきっている地球人はもちろん、「宇宙人です」と自称してさえいればOK!
※しかし当館では地球人と宇宙人を見分けるすべはないため、3人以上でご来場いただければ割引の対象とさせて頂きます。
普段地球人になりすましている人もこの日は素の自分をさらけ出せる機会です。ぜひお誘い合わせの上ご来場下さい。

※チケット購入時に3名以上のご来場で割引となります。
※その他割引との併用はできません。
▼対象の上映劇場は渋谷シネクイントです。
関連リンク

映画『宇宙人ポール』公式サイト

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ターHELL 穴トミヤ  ライター。マイノリティー・リポーター。ヒーマニスト。PARTYでPARTY中に新聞を出してしまう「フロアー新聞」編集部を主催(1人)。他にミニコミ「気刊ソーサー」を制作しつつヒーマニティー溢れる毎日を送っている。
http://sites.google.com/site/tahellanatomiya/
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