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(C)2011 GAMBIT

WEB SNIPER Cinema Review!!
海外の映画祭をドン引きさせたアイツがニッポン逆上陸!!
『片腕マシンガール』『富江アンリミテッド』『電人ザボーガー』などでカルトな人気を誇る井口昇監督が、未だかつてないゾンビ映画を撮影。川原でキャンプをする若い男女を襲うウンコまみれのゾンビ=ウンデッドvs女子高生の壮絶な死闘とは……。映画初主演となるヒロイン・中村有沙の体当たりな熱演にも注目!!

シネマート新宿ほか全国順次ロードショー 公開中!!
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ちょっと! だれかー! ひどい! うわっ! 文部科学省ー! 文部科学省、来てー!という本作『ゾンビアス』。題名は「ゾンビ」と「ジャック・アス」の合体で『ゾンビアス』!という時点で、公安が差し押さえるべきだった……。一旦公開されてしまった以上、もはや回収は不可能。今まで官民挙げて頑張ってきたせっかくのクールジャパン戦略に、クソをぬりたくる最低の日本映画が誕生した!

監督は、『片腕マシンガール』『富江 アンリミテッド』などの井口昇。板尾創路を主役に起用するなど、メジャー路線で大成功を収めた前作『電人ザボーガー』の次にやってきたのは、自分の好み100%の極私的な作品だった。
「みたことのないゾンビ映画を作って欲しい」、プロデューサーのそんな一言から始まった本作。製作にあたり、これさえ入れれば「あとは自由に作っていいと言われて……」(監督談)という2つのリクエストが、プロデューサーから監督へと示されたのだという。その中身はというと「1. 寄生虫が人間の脳を支配する 2. 女の子が包丁を持って飛んでいく」という、とても大人が考えたとは思えない、ろくでもない内容!(特に2)。
そして、それを受けて井口監督が付け足したのは「3. ウンコ」だった!というまさかのダメ大人ドミノ完成で、お前ら揃ってどんな大人だよ!状態なのだが、その果てに完成したのが、「ゾンビに噛まれると、ケツから先に歩くゲリ便ゾンビになってしまう」という本作、『ゾンビアス』なのだ(ヤッタネ!)。

(C)2011 GAMBIT

ところがこんな、下品極まりない作品に、清純派少女、中村有沙ちゃんが主役として登場しているから恐ろしい。この映画に未成年のキャスティングは、犯罪だろ!と憤りつつも、「こんな最低の映画の中で、清純派少女が一体どんな目にあっちゃうんだろう……」と楽しみになってしまったのもまた事実。
本作は、なんといっても、その隠された性的欲求を「ストーリー上しょうがないんだから!」という理屈をつけて、無理やり繰り広げているシーンのテンションが最高で、屁や下痢のSEが鳴っている時が興奮度マックス! 一方、ストーリーはその付属品で、BGMが鳴りはじめ、モノローグが始まると途端に眠くなるという、ビックリマンチョコ映画(おまけであるはずのシールがメインでチョコは捨てられるという)となっていた。

妹を亡くして落ち込んでいた主人公は、先輩に誘われ、「ダイエット用サナダ虫を探しに、山へ行くツアー」へと出かける。その際、なぜか彼女だけセーラー服なのだが、もちろんそんな疑問は、「セーラー服姿の中村有沙ちゃんがかわいい」という現実を前に、トイレットペーパーよりも早く水に溶けていく。
サナダ虫を探しているのは、護あさなちゃん演じるモデル志望の真希。彼女には幸せになって欲しい!(ボインだから)と思っていると、彼女はサイズのおかしなサナダ虫を飲み込んでしまい、案の定下痢に……。
この護あさなちゃんがトイレに入るシーンがまず良くできていて、汚いから入りたくないけど、下痢だからがまんできない、という葛藤を独白する、そのギャル言葉が素晴らしい。ここで使われる日本語の生感は、存在そのものがエンターテインメントとなり、その後の便所シーンを盛り上げるのだ。
そしてついに和式便所でのふんばりシーンへと移るのだが、本作の最高の瞬間は、この彼女がボットン式の和式トイレでふんばっているのを上から、前から、後ろからとカットを変えて撮りまくる1分50秒!(計ってないけど多分そのくらい)ここでのケツ、そしてパイオツを捉えるアングルには、井口昇監督のまぎれもない天才を感じたし、執拗にアングルを変えてくるその連続攻撃には、(性的にも知的にも)興奮してしまった。
そして畳み掛けるように、このボットン便所から最初のウンデッドが登場! 主人公たちを追いかけるうんこゾンビの群れは、「この世で最も追いかけられたくないものNo.1はなにかな? それは、うんこまみれのゾンビだー!」という本作の企画意図を、そのままスクリーン全体へと広げる、感動的な場面となっていた。

(C)2011 GAMBIT

さて、ウンデッドの群れから逃れた一行は、山奥の一軒家へと辿り着く。そこには博士と少女が2人だけで暮らしており……と映画は続くのだが、ここらへんからBGMや独り語り、戦闘シーンなどがメインになり、物語への興味は急速に薄れていってしまった……。
本作、表の「ストーリー上しょうがないんだから!」が護あさなちゃんのボットン便所シーンだとすると、裏の「ストーリー上しょうがないんだから!」は、この屋敷の娘、まさかの16歳、優希ちゃんへの浣腸シーン! これも彼女の奇病を治すため「仕方がない」のだが、むしろ「仕方がないのか!? 仕方がないのか!?」と、欲望と後ろめたさがないまぜになりつつ、映画との共犯関係へとなだれ込んでしまうという、井口監督の恐ろしい一面をかいま見せる演出となっていた。

全てをフラットな台詞で説明するチンピラや、最初から最後までマンガな台詞と発音のザ50回転ズのダニーといった、男性陣も好演。
しかし、観終わって思い出すのは、やはりお尻、お尻、お尻。本作を観ていて気づくのは、お尻というのはパンツがなければひきたたないということだ。ズボンが剥かれ、パンツが剥かれ、そしておしりが出現する! お尻はやはりこうでなければいけない。
いろいろなパンツがあったけど、僕はやっぱり護あさなちゃんのギャルパンツが良かったな。

文=ターHELL穴トミヤ

脅威の立体ブーブー音響方式!
便所からウンコまみれのゾンビ=ウンデッドが現われる!!


FLV形式 4.87MB 2分05秒

『ゾンビアス』
シネマート新宿ほか全国順次ロードショー 公開中!!
(C)2011 GAMBIT
監督= 井口昇
ナレーター= 石橋蓮司
出演=中村有沙、 菅野麻由、護あさな、優希、ダニー(ザ50回転ズ)、岸建太朗、亜紗美、デモ田中、島津健太郎

配給=日活

2011|日本|DLP|カラー|85分|16:9|DTSステレオ


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映画『ゾンビアス』公式サイト

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ターHELL 穴トミヤ  ライター。マイノリティー・リポーター。ヒーマニスト。PARTYでPARTY中に新聞を出してしまう「フロアー新聞」編集部を主催(1人)。他にミニコミ「気刊ソーサー」を制作しつつヒーマニティー溢れる毎日を送っている。
http://sites.google.com/site/tahellanatomiya/
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