2011年2月13日（日）開催「COMITIA95」!!

2011.02.13.Sun.at Tokyo Big Sight. 東京国際展示場（ビッグサイト）

プロ・アマを問わないマンガ作家・イラストレーターたちが、自主出版した本・作品を発表・販売する展示即売会＝コミティア。そこは作家たちが自分の個性を自由に発揮できる場であり、訪問者にとっては未知の表現に出会えるかも知れない宝の島――。 先日開催された「COMITIA95」の収穫物を、エヴァンゲリオン研究家の四日市氏、コミティアファンの伊丹直行氏に紹介してもらいます。編集部でゲットした数冊も併せて掲載しますのでぜひチェックを!! 2011年2月13日、今年最初のコミティアが開催された。コミティアは創作漫画オンリーの同人誌即売会。プロとは目的も制約も異なった場で、全員がいち参加者として創作という行為を楽しむ場として営みを継続している。書店の棚は、棚作りをする店側によるプッシュが行なわれるある種のメディアとして成立しているが、即売会という場では参加者すべてがフラットに並べられている。書店の棚、雑誌、テレビ、インターネット。我々が触れるメディアのほとんどは何らかの意図によって編集が行なわれている。自分の価値判断で取捨選択を行なう行為（それを編集と呼ぶのだが）を参加者に要求する場は敷居も高いが、あなたに新しい楽しみを教えてくれるだろう。 ここではメディアとして、個人の視点で気になった本を何冊か紹介する。（四日市）

□書名＝His Yoke is Easy & 死
□作者＝位置原光Z
□サークル名＝大作戦 アオハルでデビューを果たした位置原光Zの過去作まとめ本。以前、サンダル大作戦名義で頒布していたkanonの本を見かけて以来、執拗なストーキングを続けているサークルだが、それ以前の原稿が大量に盛り込まれていた大満足の季節。基本的にはスラプスティック・コメディ。ジャンルの名称で遊ぶ想像力。ちなみにコミティアカタログより厚い。（四日市）

□書名＝不老の両親
□作者＝高川ヨ志ノリ
□サークル名＝瓶詰天獄・人形地獄 某印刷所ホームページの、可愛くてほんのりブラックな漫画を描いておられる高川さん。オリジナル漫画も、毒と可愛さの配分が絶妙です。今回の新刊は、ひきこもり特殊装丁（蛍光フロッキー！）も素敵ですが、お話が短編の醍醐味満載で二重にたのしい。 （伊丹直行）

□書名＝サリーは女子高生で魔女
□作者＝田中相
□サークル名＝誰がそれを この度のコミティアカタログ、「ティアズマガジン95」の表紙絵担当、田中相の個人誌。表紙に使用されたイラストのクリアファイル（下）同梱で、さらにおまけのペーパーはレトロ印刷という豪華仕様で頒布。しかも200円という思わず心配になる値段設定なのに、講談社「ITAN」作家のクオリティ。（編集部）

□書名＝It's your (new) ID.
□作者＝高野雀
□サークル名＝chapter22 3組の男女と1組の女子の性癖と関係のお話。このサークルは毎回買っている。あと、お菓子をくれる。毎回食べている。 （四日市）

□書名＝そしたらテラちゃんは
□作者＝随時
□サークル名＝魚群 東方の二次創作界隈で見かけた作家さん。飼っていた金魚が死んでしまった子の話だが、後半の展開が予想外でイイ。絵柄と作風が完全にマッチ。（四日市）

□書名＝日記漫画　札幌の六畳一間2
□作者＝根本尚
□サークル名＝札幌の六畳一間 読んでいると読んでいるこっちが何故か勢いよくなるわくわく怪奇漫画、の根本先生の日記漫画第二弾。根本先生に甘いものを存分に食べさせたい！　気兼ねなくストーブを使って貰いたい！と思いつつも、愉しいエピソード満載のその六畳一間で居て頂きたいような……。（伊丹直行）

□書名＝さようなら　むつきちゃん
□作者＝磯谷友紀
□サークル名＝ハナハダ 講談社「KISS」にて『本屋の森のあかり』連載中の作者による個人誌。作者曰く、百合っぽいものを……とのことだが、瞬く間に物語に引き込まれて、魔法がとけるように読み終わる。その意味で作者の考える百合のイメージは……などと想像するのも楽しい。読後はお風呂でラムネが食べたくなるので注意。 （編集部）

□書名＝まんがはどこから来たか・近代まんが史入門
□作者＝佐々木果
□サークル名＝オフィスへリア まんがのルーツを辿るのだが、なんと紀元前から辿り続けている。図版資料も大量に盛り込まれていて眺めているだけでも楽しい。もう少し近代のが読みたい方は、重ねてある新刊『近代まんが史入門』をどうぞ。 （四日市）

□書名＝She came to me from a star・書かない日はいつも呑んでる
□作者＝青梅松竹
□サークル名＝ばんぶーぱいん 宇宙船でひとり退屈していた女の子のところへ宇宙人が相乗りを求めてやってきたコピー誌。女の子がたいへんかわいい。重ねてあるのは冬コミで刊行された総集編「書かない日はいつも呑んでる」。こちらも読み応えがあって素晴らしい。（四日市）

□書名＝彼岸泥棒短編作品集「エラッタ」
□作者＝見富拓哉
□サークル名＝彼岸泥棒 『Quick Japan』、『電撃』などの雑誌でも活躍している三富拓哉のサークル「彼岸泥棒」の総集編。ドタバタ、恋愛、不条理に日記とてんこ盛り。女の子が魅力的な青春劇が多い。空白の使い方が印象的。今回でサークル活動を停止するらしく哀しみが溢れ出した。 （四日市）

□書名＝くばりんご
□作者＝関根美有
□サークル名＝エベレストライブラリ 36歳の棚浜さんに届いたりんごとともに巡る物語。軽妙で時折くすっとさせられて、読んでいくうちに棚浜さんが可愛く見えてきて、しかもほろっとさせられたりして。関根さんの描く大人は、情けない部分があっても飄々としていて、かっこいいです。（伊丹直行）

□書名＝メーデー！
□作者＝柳田人徳
□サークル名＝めこ 荒廃した未来の地球で生きるため植物の種を求める主人公セツは、過去の地球で生きる百瀬忠典の体へ記憶を転送。だが転送が成功した矢先に百瀬の娘が現われる。生存の危機に直面した人間のエゴと、日常を脅かされた人々のエゴが交錯する。程よいSF設定と軽妙な語り口が心地いい。（編集部）

□書名＝メイドオブダークマター
□作者＝犬犬
□サークル名＝十月計画 よくある擬人化メイド本だが、この子はゴキブリ。臭いとか油っぽいとか言われまくるかわいそうな褐色メイドがとてもかわいい。微グロ。 （四日市）

□書名＝お嬢暮らし/きょう†だん！
□作者＝ふぁっ熊/額縁あいこ
□サークル名＝ ミツメ書房とふぁっ熊 東方Projectの二次創作界隈で活動していた作家さん。ほのぼの四コマ漫画の革を被ったシュール＆変化球漫画。Web漫画を書籍化したもの。（四日市）

□書名＝ロックンだじゃれ
□作者＝青木俊直
□サークル名＝ゆるゆるブックス 漫画でも小説でもなく、タイトルそのまんま。ミュージシャンのくだらないだじゃれだけで一冊完成している豆本。どこまでもどうでもいいが、なんとなく気になり、たまにクスッとする。（四日市）

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