2012.02.05.Sun.at Tokyo Big Site.
有明・東京ビッグサイト東5・6ホール
|
プロ・アマを問わないマンガ作家・イラストレーターたちが、自主出版した本・作品を発表・販売する展示即売会=コミティア。そこは作家たちが自分の個性を自由に発揮できる場であり、訪問者にとっては未知の表現に出会えるかも知れない宝の島――。 先日開催された「COMITIA99」の収穫物を、エヴァンゲリオン研究家の四日市氏、「ねとぽよ」に参加されている高橋氏、「あぶらいふ」編集人の井上文氏に紹介してもらいます。編集部でゲットした数冊も併せて掲載しますのでぜひチェックを!!
□書名=ざつおん!!!
□作者=HTC*
□サークル名=*HTC communications 以前、四日市のエヴァエヴァ60分にも出演していただいたイラストレーターの HTC*さんによるノイズ系女子高生のゆるふわハートフル・キャンパス(?)ライフ漫画。もちろん某人気テレビアニメのパロディだけども内容がオリジナルなのでコミティアでも大丈夫。今回は原稿が間に合わずプレビュー版だが表紙も特殊紙で良い感じ。チップチューン、Ustream から変形レコードやら閉店するレコード屋、店内ゲリラライブまで。若者目線とおっさん目線とマニア目線のリアルな音楽シーンの出来事が交差する本作ですが、今回最大のポイントは初(?)のおっぱい描写であろう。激レアにつき、ペン入れ期待。(四日市)
□書名=各駅停車
□作者=遠野ノオト
□サークル名=いつも月夜に米の飯 [感動のラスト]4つの描きおろしが収められている遠野ノオトさんの新刊。綺麗な線に落ち着いたテイストで安心感を与えてくれる。「エレベーターが各階に止まるとついイラッとする」そんな日々の忙しさに追われ、疲れたときに読むと効果倍増だ。巻頭の「わすれもの」は30代男性と小学生少女という昨今ジャンル化しそうな組み合わせの話だが、これが非常に出来が良く、現実であってもおかしくない一期一会が丁寧に描かれている。導入からラストまでとてもスムーズに、主人公の気持ちに沿って物語が展開するため、読者も優しさや落ち着きを取り戻すことができるだろう。他3作品はいずれも作風が異なっているものの、軸にある「ベタな優しさ」は共通している。このくらいのゆとりを心に持っていれば、成田空港から上野までうっかり各駅停車に乗ってしまったとしても大丈夫な勢いだ。(高橋)
□書名=ランドセルマニアックス
□作者=ソウマトウ
□サークル名=まよいばし 行政の仕組みや生活家電など決まりきった形状があり、生活に馴染みきっているものはその進化に気が付かない。ランドセルもそんな一つだ。ペドリシャスなロリコンホイホイに惹かれて手にしてみれば、ランドセルの起源とその歴史から近年のオシャレ・ランドセル事情、お値段の相場、材質と品質、豆知識とランドセル・リテラシーのオンパレード。ワールドワイド・ランドセル・カルチャーまで学べる非常に意識の高い内容の一冊となっている。もちろん、ランドセルをしょった愛らしい幼女のイラストもてんこ盛りでホイホイとしても大満足。この本を読めば明日から君もランドセル・マニアだ。自慢のランドセル知識を自慢してご近所の噂になろう。かわいいなあ、幼女。(四日市)
□書名=recycled youth
□作者=高野雀
□サークル名=chapter22 WEB スナイパーのコミティアレポートでは毎回紹介させていただいている良質漫画を淡々とドロップするサークル Chapter22 は展示、実演などの多かったコミティア X のスペースでも淡々と良質同人誌をドロップ。今回の新作は躍動感あふれる表紙の30代男子本。おっさんじゃないです、30代男子。それぞれの足りない部分を妬みながら惹かれ合う数珠繋がりトライアングルを、青春も過ぎた頃合いの男子たちが居酒屋で展開する、以前頒布されていた 30 代女子本のオルタナティブ的な内容。だが男子なので BL 要素あります! むしろ BL 要素こそ推していきたい。(四日市)
□書名=ロンドンより愛をこめて
□作者=石垣裕太郎
□サークル名=恐竜ランド 「わたしに似ている誰かがいるんじゃなくて わたしが誰かに似ているのよ…」付き合っている男の影響を受けやすくて、パッと見は確たる自分なんかないみたいに見える眼鏡の女の子・菅原が、流されるままに生活しているように見えつつ、そして実際にそうでありつつ、コーヒーのまずい喫茶店で友達の宏美に愚痴をこぼしているうちに英国の某機関にスカウトされて「ロンドンまでひとっ飛び」することに。冒険の幕が上がるところを見せない(でもひとコマ目の時点でとっくに上がり始めてる)、日常と非日常のバリアフリー加減がとても気持ちよくて何回も読みたくさせる恐竜ランドさんの漫画。(井上文)
□書名=姉弟間引力
□作者=シンク(西倉新久)
□サークル名=ABXXX スポーツ万能の姉に対してコンプレックスを持つ、チビで絵が上手い弟。そんな二人が同じ夜空を見上げる晩、姉が歩けなくなる事故に襲われる。それは遥か宇宙での活躍を終え探査機が帰還する日。夜空で燃え尽きる探査機を眺めた後のことだった……。思春期に芽生えがちな兄弟・姉妹の確執や劣等感。歳が過ぎれば過ぎるほど、解消されなかった思いは大きなしこりとなり、私たちをいつまでも苛むものだ。こうした記憶や体験はありふれているからこそ、取り返しのつかない切なさを含んでいる。あとがきで語られる、皆既月食の体験から描かれたこの物語は、わだかまりを持つ我々であっても同じものを見つめることができれば、得られるであろう何かを示してくれる。(編集部)
□書名=季刊 即席魔本03
□作者=ボン・カレー
□サークル名=即席魔王
[先生何やってんすかシリーズ]マンガ評論サークル「前途洋洋だ会」代表のやごさんに文句なしにお勧めできますと言われて即購入した本。とにかく画力が高く、このレベルなら何を描いても面白くなるんじゃないかと思ってしまう程。ところが、内容も高度にハイテンションなギャグだというから恐ろしい。言葉の選択が良くて、笑えて、フェレットがかわいい、メインの「フェレット生活編」は衝撃的な可愛さに想像で描き始めてしまったというツッコミどころ満載のコメントが添えられていたが、にも拘わらず圧倒的な完成度を誇っている。ボン・カレーさんは、よくわからない方面にありえない力を注いでいるからこその凄さがあるのか、それともシンプルに真っ当な作品を描いても大成するのか、ちょっと現時点では判断がつかない。今後、ギャグ成分を控えたオリジナルの長編モノに取り組む機会があれば、それこそ全力で応援したい。(高橋)
□書名=別冊軌道ラウンジvol.1「zinbei特集号」
□作者=コイワイソウイチ
□サークル名=軌道ラウンジ
[さらに評価されるべき]同じくやごさんの紹介で購入。1994年生まれの気鋭の作家zinbeiさんの漫画とインタビューが収められている。軌道ラウンジの作品に触れたのは初めてだったこともあり、率直に言って驚きを隠せなかった。作品のクオリティにまず驚き、そしてこの帯刀じんべえ氏とは何者なんだろうと疑問に思った。だからこそインタビューの存在はありがたく、とても興味深く読んだ。中でも「消えない信号機」について言及されている部分はびりびりときた。作中では直接描写されないが、あの体験をこのように作品に落としこむのだと感心した。コンビニで買いだめする人の描写など、改めて抑えるべきポイントを的確に把握しているのだなと感じた。現役女子高生が日々の体験に基づいて描くというと、その「属性」だけで反応してしまう人もいそうだが、実際に優れた作品になっているところが素晴らしい。是非とも多くの人に知ってもらいたい存在だ。(高橋)
□書名=outline girls
□作者=769
□サークル名=nanatant WEB スナイパーで遠藤遊佐さんの官能小説『監禁志望アリス』に素晴らしい挿絵を描かれていたイラストレーターナナタ a.k.a 769 さんとレペゼンインターネットデジタルに引きこもり時々ラップする音楽ユニット・パジャマパーティズ natant 氏による同人活動「nanatant」だけど今回の本は 769 さんのソロ。タイトルの通り、女の子イラストのアウトラインのみで紙面をデザインしたイラスト集。切り絵チックな画風をうまく生かした構成だけでなくキラキラした印刷やスカーレットのホチキス芯など凝った装丁にも注目してほしい一冊。(四日市)
□書名=The PRIVATE WORLD vol.4
□作者=Zawa freakbeat
□サークル名=The Lostwomen NuggetsでRubbleでBack From The Graveな気配ビンビンな表紙ですが、内容はパンクを聴きパンクを愛しパンクを掘ったオタリーマンが、パンクを聴きパンクを愛しパンクに生きてる女の子と出会ったり恋をしたりイチャイチャしながらバンドをはじめるお話。パンクという若者の若さが爆発するジャンルに恋焦がれながら爆発させずにマニアに至った中年が、今まさに若さの中にいる女の子をリードしながら引っ張られていくあたりにオタ漫画性を感じる。作中に登場するレコード屋もライブハウスも実在のお店でパンクに興味のある東京在住者なら知ってる知ってるあるあるネタが頻発。これほどまでにフリークビート、マージービート、ガレージを掘り下げてる人は、国内では Your Choice の人しか認知していないぞ!、と思ったら当人だったオチ。 (四日市)
□書名=眩暈通
□作者=川端新
□サークル名=F・F・FLOG
[爽やか]眩暈通というタイトルと表紙から、どちらかと言えばこってりしたものを予想していたら、透き通ったものがでてきて意表を突かれた作品。文明開化期の全寮制学校という舞台背景に、純真な主人公・イケメンの先輩・街を歩く美しい女性陣と、いくつもの小役が揃う中、何より全編を通じて漂ってくる爽やかさが本誌の特徴となっている。この爽快感はかなりのもので、おそらく君届の風早くんばりにイケメンな先輩を描けていることが大きい。主人公と先輩でそれぞれのキャラを上手く引き立てることに成功している。こうした物語の軸がきちんとしているからこそ、キイチゴといった小道具も光ってくる。男同士で手を繋いで歩いている箇所は如何にも女性向けだと思ったが、基本的には少女漫画と少年漫画のハイブリッドな作風で、すっきりとした絵柄はとても心地よい。春を過ぎた頃にもう一度読んでみたい。(高橋)
□書名=ハイデガーのタンブラー/インターカラー
□作者名=藤村隆之(マレーバクとコアリクイ)
□サークル名=チルコロリブロ
2007年初出の「インターカラー」と新作「ハイデガーのタンブラー」、登場人物が同じ2作を収録した本作は、新作と旧作で全く異なるベクトルを向いている。哲学的なアプローチから日常会話への進行が秀逸に過ぎるためか、温和なタッチの作画と相まって物語は自然に気持ちの中へ浸透していく。そして旧作は男女の不和、新作は親愛な日常をそれぞれ描くのだが、親密な感情に包まれる新作の後に、破局を想起する旧作が配置され、読後の心象が大変揺さぶられた。同シリーズの続編を希望する旨この場で強く嘆願する。彼らのもったいぶった語り口による暮らしぶりを、もっともっと読み続けたいのである。(編集部)
□書名=ボディー・ランゲージ・ソング
□作者=藤本正二
□サークル名=歴史資料館
[野生のプロ]表紙の勢いにつられてジャケ買いしたバックパッカーもの。海外旅行の体験談というある種の鉄板ネタが漫画というカタチになることはあまり多くない。その物珍しさに加えて、ボディ・ランゲージという身振り手振りに焦点を当てているため、個性的で躍動感のある仕上がりになっている。内容が実話なのかフィクションなのかは不明。予想としては実話ベースに適度なスパイスを盛ったというところか。バンコクでホテルの女性が豊胸ダンスを踊っていたくだりはめちゃ面白かった。無茶苦茶なのに謎の説得力を感じてしまうから、きっとこれは本当なのだろう。筆者も指さし会話帳を片手に中米をさまよった際は、ジェスチャーとテンションで大体乗り切っていた。あのときの言葉が通じない中での前向きな開き直りというか、楽観的で陽気なノリを思い出させてくれた作品だ。本誌にはタイとミャンマーでのエピソードが収録されているが、この分だとネタはまだまだあるのでは。続編がでてくると信じている。(高橋)
□書名=夜の恋人・カナオムニバス
□作者=カナ尾
□サークル名=あたたん まさか、こんな気分にさせられるとは……とビックリ。噎せ返るような艶めかしさが横溢した、暗闇でネッチリと絡み合う男女を描いたカナ尾さんの画集。男の肌が紫で女の肌がピンクだったり、逆だったり、またそれぞれ全く別の色だったりして非常に毒々しいのですが、サイケではなく、断然生々しくて局部が見えているわけでもないのに所持することを疚しいとすら感じさせます。最後のページに書かれた「妄執だ 妄執だ 妄執なんだ」という身悶えのような手書き文字にも人として同意の頷きを禁じえません。そんなカナ尾さんのオムニバス漫画「カナオムニバス」に収録されているのは、交際相手によるDVで顔に傷を負った女の語り(コマを追うごとに少しずつ顔の疵が治っていく)など、こちらも合わせてナマ肉っぽい後を引く味わい。 (井上文)
□書名=10 colors Vol.2
□作者=kanahal
□サークル名=KBSK タイツのパッケージをあしらったデザインの、タイツフェチックな……本? 冊子? パンフレット? カタログ? なんて言うんでしょう、こういう装丁。10 種類のパターンタイツを 10 人の女の子が履きこなすイラスト集。イラストは当世風な鮮やかなデジタル彩色で涼やかな気持ちになるのだが、タイツのパターン部分には布に印字されたことを意識している風のエフェクトがかかっているあたりにタイツ職人の朝の早さを感じる。10 人それぞれ割と細かくプロフィールが作りこまれており、筆者は Green retro flower のタイツの娘に交際を申し込もうと思っている。サークルスペースに展示されていたタイツだけ着色されたイラストもよかったです(ブログにて閲覧可能)。(四日市)
□書名=動く街-冬のおまつり-
□作者=木野陽
□作者=辺境屋
[かわいいは正義]コミティアのポスターになっていることからジャケ買い。よく見てみると以前TLで四季賞準入選が話題になっていたりした木野陽さんだった。とにかく幻想的で美しい風景とかわいい女の子の描写で一点突破していることは間違いなく、その強みをどのように見せると映えるのかがよく意識された世界観になっている。ちょっとした魔法が存在している中で、街が空を飛んでいて、少女が駆け回っている。とても綺麗で優しい世界。子供の頃に絵本で読んだり空想した光景がそこには広がっている。ただ、一つ注文をつけるとしたら、そのあまりのシンプルさゆえに淡白な印象を持ってしまうところだろうか。漫画として描くならば拡張性が必要になってくると思われる。この画力と世界観に多少の複雑さが混じったときに一体どうなるのか。さらなる飛躍に期待。(高橋)
□書名=In&Mow Vol.1
□作者=すまかのえ 安中マヨ
□サークル名=In&Mow すまかのえ、安中マヨによる合本。後ろに配された安中マヨの「バレッタを買った日」は“童貞をこじらせると妖精になるっていうけど 処女をこじらせるとどうなっちゃうんだろう?”というモノローグから始まり、構想3カ月で作られた脳内彼氏と主人公の生活が描かれる。全て自分の望み通りでまさに理想の脳内彼氏。自分の欲望を肯定するだけの存在といざセックスへと至るとき、眠っていた感情が浮かび上がる。生涯未婚率が上昇中の社会で読まれるべきは、このように繊細な男女の機微が扱われる物語であってほしい。タイトルの名づけ方も秀逸で、次作を楽しみに待ちたい。(編集部)
□書名=非実在少女しずむちゃんショコラ
□作者=鈴木雄一郎
□サークル名=日々の暮らし
[ここに建てた病院が逃げた]気合の入った装丁をめくった先には「その発想はなかったわ」と思わずにはいられない内容がこれでもかと詰まっている一冊。読み進めるたびに脳みそが良い感じにシャッフルされていく不思議な感覚を味わえる。特に性器と〇〇の入れ替わったシリーズ「性器の発見」からの展開は圧巻で、最終話の「valentine」は宇宙を飲み込むという巨大スケール。基本的に電波ゆんゆんな作品であるにも拘わらず、驚くほど読みやすいのは緻密な構成と高い技術力の賜物か。鬼才であることは間違いなく、このまま洗練させていって他の追随を許さない領域まで達してもらいたいと思う反面、むしろ、いわゆる通常の日常4コマを描いたほうがヒットする予感も。「ふしぎチャンネル」で描かれたネットを扱った箇所での高度なバランス感覚には唸らされた。(高橋)
□書名=抄描下水街 豚
□作者=掘骨砕三
□サークル名=日本宇宙旅行協会 変態からロリコンからサブカルからアングラまで幅広く名前の通った作家・掘骨砕三のコミティア新作は本人の商業からの単行本『下水街』の外伝的な内容。タイトルの「抄描」は「すくながき」と読み、本来「抄」は選集的な意味合いだが「書き込みが少ない」と言う洒落らしい、掘骨らしい外連味の効いた名付けにさっそく大満足の季節。本作は「人豚」と言う生き物を飼育する人々の日常だが、その日常は人外に溢れ、人外同士の明るくエロい交接と、感情の行き交いにあふれる。掘骨の魅力はその世界観にあると言い切って良い。やってることはエゲツナイ。人間(?)関係もこじれかねない関係性に溢れているが、いつでも彼らは平常運転のように映る。必要以上にポジティブなわけではない。浮き沈みもする。しかし性も死も異形もあるがままの世界にあって在るように在る彼らはたまらなく魅力的だ。それにしてもどうしてこんなにグロいのに、どうしてこんなにエロいんだろう。エロいですね、うん、エロい……。(四日市)
□書名=大谷秋人マンガ集「オールライト」
□作者=大谷秋人
□サークル名=トゴシガンマ [謎の感動]よくわからない漫画がいくつも載っているマンガ集。美大の学園祭に溢れていそうな、でもちょっと違うような、そんな一線の上を揺れ動いている。何気なく読んでいると、謎の世界へ連れていかれ、そこは楽しいともつまらないとも言えない奇妙な空間で、人によっては不安を覚えてしまうかもしれない。そのため、読み手のコンディションによっても評価が変わることが予想される。かわりに上手く作者の世界観とマッチングした暁には、独特の恍惚を得られそう。工場でクラゲを引きぬく仕事をしている青年を扱った「バイト」は、文化的雪かきを彷彿とさせる随一の完成度で興味深かった。哲学的な問いから出発する「ハコ」も一つの悟りならぬ、トリップ体験を漫画として成立させていた。この気合の入った二作に比べると短編作品はオチ担当という気もしたが、謎の世界観は共通している。 (高橋)
□書名=2007-2008
□作者=植田清吉
□サークル名=Re-Lax テレビ欄である。一見、新聞のテレビ欄をそのまま印刷したかのようにしか見えないペライチのペーパーである。掲載されているのはもちろん「アド街」やら「高校野球」やら「NHK 暴力英会話」やら……ん? 暴力英会話? そう、これは嘘テレビ欄。よく見ればアド街の内容も「一足早い X マス裏技!ディズニーリゾートにアライグマ侵入!思わぬ場所で大繁殖!ゴリラも乱闘…逮捕も」など録画予約および実況スレ張り付き必須の内容となっている。ちなみにこのテレビ欄、よく見ると文字がズレたり斜めになったりしている。つまりデジタルでテレビ欄のデザインを模してコンテンツだけ改変しているのではなく、オリジナルのテレビ欄を切り抜いて組み合わせて製作されたのだと思われる。それもそのはず、このサークルは既に嘘テレビ欄を刊行し続けて 20 年のベテラン。元祖 MADである「いかがわしいテープ」とほぼ同世代が現在も職人仕事を続けていることを喜ばしく思う。(四日市)
関連記事
2011年10月30日(日)開催「COMITIA98」!!
2011年8月21日(日)開催「COMITIA97」!!
2011年5月5日(木)開催「COMITIA96」!!
2011年2月13日(日)開催「COMITIA95」!!
2010年8月29日(日)開催「COMITIA93」!!
2010年5月4日(祝)開催「COMITIA92」!!
2010年2月14日(日)開催「COMITIA91」!!
ねとぽよ http://netpoyo.jp/
Twitter http://twitter.com/#!/kingworld
はてな http://d.hatena.ne.jp/kingworld/
Twitter http://twitter.com/#!/kingworld
はてな http://d.hatena.ne.jp/kingworld/