| special issue for special-effects adult video company GIGA. WEBスナイパー総力特集！ 他に類を見ない特撮系ＡＶメーカー『GIGA』に迫る 監督たちが選ぶ「ＧＩＧＡ」作品をレビュー！ 『ヒロイン残酷物語 Vol.０８（GIGA）』 瞬光戦隊スパークマン イエロースパーク 文＝井上文 厳しい訓練を乗り越えて瞬光戦隊スパークマンの一員、イエロースパークとなった鏡野セイラはライバルであり、親友でもあった花菱ルナをみつけて追いかける。ルナはセイラとのイエロースパークになる競争でセイラに敗れたことを逆恨みしてルナを襲い、重傷を負わせて行方をくらませていたのだ。 |
最初の山場は、自分の不合格を知ったルナが、セイラをコンクリートブロックで滅多打ちにするシーン。両手、両膝の骨を丁寧に潰していき、さらには胸にブロックの角を打ちつけていくルナ。トドメは針金での首絞め。皮膚に食い込む針金に真っ赤な血がヌルヌルと絡みつきます。
見どころは緊迫感のあるセイラの表情に加え、ここで明らかになる２人の関係ですね。ルナを信じようとするセイラの気持ちと、それに反比例するように憎しみを募らせていくルナ。２人の好演もありつつ、ＳＭ的な「責め」とは違う身体破壊の描写が「プレイ」とは全く別次元の「関わり」を表現していきます。
再会の日、敵のアジトに囚われたセイラは、ルナの手で両乳房を針山にされ、さらに両乳首を鉤針で縫われて千切れんばかりに引っ張られます。そして戦隊の秘密を暴露するように迫られます。
「絶対に言わない！」
そう叫んで堪え続けるセイラですが、ルナは怪人ジ・ハリギスにセイラを襲わせ、強化スーツに変身したセイラを無数の釘で穴だらけに。もはや何をどうしても抵抗不可能……という絶望の淵へと追い込んでいきます。
この作品で、監督は「なるべく血を見せずに残酷にする」表現を模索したそうですが、なるほど、即物的な破壊と心理描写の掛け合わせは陰湿で生臭く、観るほどに異様な迫力を醸していきます。そして、最後に用意されたゾッとするような仕業で、セイラばかりかユーザーの側にまでトドメを刺すのです。
文＝井上文
この作品を気に入っている理由は、まずなんと言っても主演の泉まりんさんの素晴らしさにつきます。
この作品の前に似たような戦隊テイストの作品にも出ていただいたのですが、二つの役柄を見事に演じ分けてくれました。このシリーズは残酷物語という名の通り、残酷描写がウリの作品なのですが、それまでの作品がほとんどヒロインが血まみれになるものでしたが、この作品ではいかになるべく血を見せずに残酷にできるかに頭を悩ませて作りました。
また、コスチュームにもこだわりをみせて、３パターンのコスチュームでヒロインが痛めつけられ、最後の完全変身のコスチュームの質感は戦隊が好きな人も満足いただけるものになったのではないかと思います。見終わった人が嫌な気分になるような作品にしたつもりです。
見ていただけると幸いです。
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井上文 １９７１年生まれ。ＳＭ雑誌編集部に勤務後、フリー編集・ライターに。猥褻物を専門に、書籍・雑誌の裏方を務める。発明団体『BENRI編集室』顧問。 |