★Mみどりさんプロフィール
「おばかな写真を公開しておりますが、すべてセルフで撮ったものです。キャミと猿轡と拘束が大好きですので、趣味が合うという方がおられましたら、一声掛けてください。『奇譚クラブ』に体験小説(カットは、室井亜砂路さん)を発表したのが、私の出発点、いえ、プチ自慢です。昔の話ですけどね」(「スナイパーSNS」Mみどり自己紹介欄より抜粋)
★NAOさんプロフィール
「女装するのが好きです。写メを撮ったり散歩したり……。女装での露出散歩も好きです。最近のお気に入りは自作の貞操帯を着けての女装散歩です。「チキン」なんで夜だけですが……。SでもMでもない……多分ただの変態です」(「スナイパーSNS」NAO自己紹介欄より抜粋)
洗濯は苦労するよね。うちなんかおふくろいるから……。(NAO)。
女性の、ティッシュを配る人がいますけども、あれをもらうとね、結構嬉しい。(Mみどり)
女性の、ティッシュを配る人がいますけども、あれをもらうとね、結構嬉しい。(Mみどり)
――ここまでのお話がディープでしたので、ちょっと女装初心者の方やこれから女装をしてみようかなと考えている方々を何となく意識してお話していきたいと思います。あるあるネタといいますか、女装をされていて、何か基本的に困ることとか、悩むことを教えていただけますか?
Mみどり(以下「み」)今マンションに住んでるんですけど、回覧版か何かを手渡しする場面があって、受け取りに来たのが主婦だったんですよね。で、私はその時スカート穿いたまま出てしまっていて、以来ずっと変な目でじーっと見られてるんですよ。ああいうのがちょっとね。
――そう言えばみどりさんの日記で、隣の人とベランダ越しに挨拶したけど気まずかったっていうお話もありましたね。
み 隣に、若夫婦と、そのお母さんが住んでるんですよね。お母さんは六十代か、七十くらいなんですけど、その人が、洗濯かなんかでベランダに出てたりするんですよ。私んとこは、女ものの洗濯ものばっかりですよね。だから、普通はなるべく顔は合わせないようにはするんですけど、たまぁにね、目と目があったりするんですよね。その時は、もうしょうがないから、腰から下のスカートがなるべく見えないような姿勢で挨拶したり。
――日常的に気を遣わなきゃいけないっていうのは大変そうですね。
N 確かに、洗濯は苦労するよね。うちなんかおふくろいるから。別宅があるんでそっちで洗ってますけどね。
――これはちょっとズレるかも知れませんけど、以前、NAOさんの日記で、女装したまま夜のコンビニに入ったけれど、まったく無反応で落ち込んだというお話もありましたね。
N そう、せっかく化けてもつまんないことってある。
み 女性の、ティッシュを配る人がいますけども、あれをもらうとね、結構嬉しいんですよね(笑)。貰えないと悔しいけど。
――女性として認識されるかどうか。
み そうそう。貰えると勝った!みたいな。あれは、配る人ってすごいシビアだから。
N あと、かつらを被って車を運転してると、ガタッて揺れた時にズラが前にズレてきて危ない(笑) 。
――楽しみと悩みが表裏一体みたいな場合も結構あるんですね。
ブラとパンティのセットのやつあるでしょ。僕はお尻がちっちゃいもんで、
あれが合わないんだよね。(NAO)
あれが合わないんだよね。(NAO)
――ファッションに関してはいかがでしょうか。
N 最近の女の子って、アンサンブルばっかりでしょ。僕はワンピースが好きなんだけど、あんまり売ってないですよね。
み あっても高いし。
N レディースのワンピがあるお店で、行きつけみたいなとこが二軒だけあるんですよ。
――それはお店の人も分かってくれていて?
N いや、自分で着るとは言ってない。でも買いやすいんだ。
み 試着ができればね。
N そうあれね、コツがあるの。試着はできないけどさ(笑)。最初スッて入っていって、選んでると、お店の人がプレゼントですかって勝手に聞いてくれるから、うんって(笑)。あとたまにさ、写真撮ってると顔が全然違う感じに撮れることあるじゃない。ああいうやつを見せて、プレゼントの相手はこんな子って(笑)。でも、一回見せたらね、「彼女がこれ着た写真も撮ってきて見せて下さい」って。たぶんそのうちバレる(笑)。
――でも、いいですね、これから女装を始める人には参考になるお話だと思います。
洋服って、通販もあるじゃないですか。やっぱり、直接見て買いたいものですか?
N 僕はそう。
み 昔は通販で買ってたけど、だんだん、通販も高くなってるんですよ。で、普通に店で買ったほうが安かったりするので。
N ファッションセンターしまむらはすっげー安い。あと、ユニクロだと僕普通に買ってくるけど。
み ユニクロはね。
N ただ、やっぱりね、男ものの靴下とか、パンツとかも併せつつ、ブラジャーとパンティを一緒にドサッと持って行く(笑)。
――エロ本の買い方ですね(笑)。
み 根性ないなぁ。
N ただ、ずっとやってるとさ、サイズとか、見て分かるようにならない?
み それはあるね。
N でも女性用ってさ、サイズがいろいろで分かりにくくない? 何号っていうのもあるし、輸入もんだと38とか40とか。で、S・M・Lもあるし。あ、僕ね、ユニクロだと上はLで、下はMなんです。だから、最低限、自分のサイズ知ってないとダメなんです。
――じゃあ、最初は失敗する時もある。
N すごくあります。ブラジャーを最初に買ったのはドンキだったんですけど、すごく安くてね、作りがよくなかった。結構ブラジャーって構造が複雑じゃないですか。だから縫製とかがやっぱりあるんだよね。安いやつだとね、下っかわのワイヤーが肋骨当たって痛い。乳があればいいんだろうけど、乳がないから、ワイヤーが食い込んで来る。イテテテテって。だから、アンダーはちゃんと計って知ってないと。
み 私の場合、最初はショーツが全然入らなかった。
――難しいんですか、ショーツのサイズ感って。
N やっぱりいろいろ穿いてみないと分からないかも。サイズの表記だけでは測れなかったりするんですよね。
N そうそう。ブラとパンティのセットのやつあるでしょ。僕はお尻がちっちゃいもんで、あれが合わないんだよね。上合わせると下がデカすぎるっていう。
――なるほど。楽しく女装するには自分の身体のことをよく知っておかないといけないんですね。
手探りでするしかないっていう状態だったからね。
だから、みんな分からないままに試行錯誤っていうか。(Mみどり)
だから、みんな分からないままに試行錯誤っていうか。(Mみどり)
――悩みというところでもうちょっとお聞きしたいんですけど、たとえば『奇譚クラブ』の頃って、SMにしても女装にしても、今よりももっと大っぴらにはできなかった。自分しかこういうことを考えてる人はいないんじゃないかって、室井亜砂二さんなんかは青年時代に思ったことがあったそうですけど、そういう意味での悩みはありませんでしたか?
N そういうのはあったかもしんない。
み みんながその、手探りでするしかないっていう状態だったからね。だから、みんな分からないままに試行錯誤っていうか。今と全然違いますから。
――情報もネットワークもありませんでしたからね。
み そうそうそう。
N 今なんか、流行りにのっかってっていうのがいるでしょ。SNSでもずいぶんそういうのがいる。
み うん、SMを口にしないと格好が悪いかなみたいな。
N ただノリで入ってきただけみたいな。
み 困るよね、ああいう人はね。
――手探りで、いろいろ考えながらやってきた時間の濃さっていうのを、共有できないという。
N そう、ただあれ教えてこれ教えてばっかりで。
み うんうん。
N 自分でちょっとは考えなよって。
――そのほうが楽しいよって。
N そうそう。その過程が楽しいんじゃないって思うんだけどね。化粧でもさ、最初やり始めた時、楽しかったもん。何がいいか分かんないところから考えていって。だってもの凄い種類あるからさ。で、結局、百円化粧品とかになる(笑)。
――分かってきてからそうなるんですね。
N そう。毎日するわけじゃないんだし。
――納得がある。
↑NAOさんが持ち歩いている化粧品一式。「少ないでしょ」とはにかみつつ、「これいいよ、エミューのパウダーウィッグってやつ。お湯でも落ちるし」と、嬉しそうに乙女トーク。ちなみに、二人とも女性言葉は使っていません。
N 最初に焦ったのがさ、化粧することについては一生懸命なんだけど、化粧落としが後になるでしょ。水で洗えば落ちるしって思っちゃう。今ってウォータープルーフがほとんどじゃん。だからマスカラなんて絶対落ちないから。やってみて初めて、あ、落ちんって(笑)。ごしごし洗えば落ちるんだけどさ、まつげ一本抜けると悲惨で。ただでさえ少ないのに(笑)。
――男性の感覚だと、化粧落としってよく分からないですよね。
N そうそう。あとね、最初はアイラインが引けなかった。どこに行くのかが分かんないんだよね。化粧品売り場のポスターじっと見て、ああ、粘膜んとこ入れるんだぁって。でも、最初は慣れないから、涙がボロボロ出てきてさ。
――みどりさんは、お化粧は?
み 昔はしてたんですけど、もう十年近くしてないかな。やっぱり結構時間がかかるし、面倒臭いっていうか。
N なかなかスイッチが入らないとね、その気にならない。SNSに写真のっけようと思ってさ、着替えるじゃん。でも、気がのらないと、首から下だけ撮って、おっさんの顔のまま、これでいいやって。つけまつげなんて、集中しないと付けられない(笑) 。
み 私はたいてい、猿轡とかマスクするから、落ちちゃうというか、あんまり、意味がないんですよ。
――それも経験から得た結論だし、自由に決めていいことなんですね。
セーラー服っていうのは、異質っていうか、普通の女の子とはまた違うんです。 (Mみどり)
ひょっとしたら見られるかも知れないっていう場所でやるのが面白い。ドキドキする。(NAO)
ひょっとしたら見られるかも知れないっていう場所でやるのが面白い。ドキドキする。(NAO)
――もっといろいろ伺いたいんですけど、時間が迫ってきてしまいました。最後にですね、実現するしないは別として、こういうのをやってみたいなっていう、理想のプレイや願望を教えていただけますか?
N うーん、こないだ縛ってもらったしねぇ。
み 僕はまだ一回もない。縛ったことはあるけど、縛られたことはないんですよね。
――今までは自縛だけだったんですね。
み ええ、でもそれは簡単に実現しちゃいそうなんで、挙げるとしたら……セーラー服が着たいですね、一回はね。
――これは初耳ですね。
み セーラー服っていうのは、異質っていうか、普通の女の子とはまた違うんで、一つ、飛躍というか、飛び越えないと、セーラー服まではなかなかいかないかなっていうのがあるんですよね。
――みどりさんにとって特別なんですね。
み はい。普通の女の子としては、女性としては、着られないんですよね、セーラー服っていうのは。それはいつかは、着てみたいなとは思いますけどね。
――長い間、日常的に女装をされてきていて、セーラー服が夢ですか。ドキドキしてきました。
N 意外と、僕みたいなののほうが少ないかも。
――NAOさんはワンピースがお好きなんですね。
N 基本的に、ひらひらのスカートのワンピース。歩いてて、太腿の辺りにさわさわする。あの感触が凄い好き。
――究極のプレイってどんなものをイメージしますか?
N だんだん、エスカレートしてって、どうなっちゃうんだろうって、まず思う。昔はもう、女装するだけで勃起してたのに、今、普通だもん。女装して玄関開ける時なんか、ドッキドキしてたのに、今は鼻歌唄いながら開けるもん。
――それも何か寂しいものがありますね。だからエスカレートしていくんですね。
N そうそう。ドキドキがないから。露出でね、携帯使ってセルフで写真撮るでしょ。ドキドキだよ。一番楽しい。だからわざと、ひょっとしたら見られるかも知れないっていう場所でやるのが面白いんですよね。絶対ここだったら誰もいないっていう場所だと、面白くない。
み だから、なるべくさ、人とすれ違えるようなところをさ、歩くよね。
N うん。あと、車がぶんぶん通るようなとこ。歩道橋の上の真ん中とかさ。
――携帯でセルフっていうのはどうやってやるんですか?
N 三脚付けて。三脚を改造して、金具をつけて 携帯で使えるようにしてあるんです。デカイ三脚と小さい三脚と二つあって。だから、夜だと街灯があることが第一条件なの、やっぱり。ただ街灯でもね、長い蛍光灯は暗いんです。で、ハロゲンあるでしょ。あれは明るいんだけど、影が濃すぎて、出すぎちゃう。ちょっとシャレたとこ行くと、黄色いのあるじゃん。あれが結構いい感じに撮れる。なんか、街歩いてると、ずっと街灯見てるもの(笑)。
――試行錯誤ですねぇ(笑)。
N 場所探したりするのも楽しいんだよね。だからあんまり、外で写真撮っても、自然ばっかりじゃ面白くない。人口の建造物があったほうが、写真はいい。
――そうすると、まだ、試行錯誤を続けていくということですね。
N うん。
み まだまだです。
――では、この後お写真を撮らせていただいて、終わりたいと思います。さすがといいますか、長いキャリアの中で肌で感じてきたことや、経験しないと得られない知識を、たくさん話していただけたと思います。今日は本当にありがとうございました。
文=井上文
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井上文 1971年生まれ。SM雑誌編集部に勤務後、フリー編集・ライターに。猥褻物を専門に、書籍・雑誌の裏方を務める。発明団体『BENRI編集室』顧問。 |
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