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「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」 パンフレット
発行=2009年6月27日
連休特別企画
WEB sniper holiday's special contents

ばるぼら × 四日市
対談『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 : 破』
【前篇】

構成= ばるぼら・四日市
2009年、夏。WEBスナイパーが贈る連休の特別企画は、現在公開中の映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』をめぐる緊急マニアック対談! ネットワーカー・ばるぼらさんと、自称「エヴァ豚」のエヴァ研究家・四日市さんが、エヴァ界隈の諸状況を網羅して痒いところを掻きまくり&重箱の隅をつつきまくります。アニメ偏差値が高すぎる2人のネタバレ上等な対談ですので、暴言・迷言・狂言はご容赦のほどを。前・後編二回に分けて特大ボリュームでお届けします!!
 | 

CAUTION!!
この対談はエヴァに限らず様々な作品のネタバレが全開です!!

eva200907-0000.jpg
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」 パンフレットより


■旧劇場版のラストについて

ばるぼら 2009年の現在に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』という作品を語るには、色々な前提をクリアしていかなくてはいけないと思うんですよ。まず、この新劇場版はもちろん旧テレビ版(1995年〜1996年)と旧劇場版(1997年)を踏まえて作られているわけですけども……。

四日市 旧劇場版のラストってどう解釈してます?

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 : 破』フライヤー
ばるぼら シンジがアスカの首を絞めて、最後にアスカが「気持ち悪い」と呟くシーンね。脚本段階では「あんたなんかに殺されるのはまっぴらよ」という台詞だったそうだけど、台詞自体は重要ではないと思う。

四日市 みんなLCL(※1)になっちゃうじゃないですか。旧劇場版で生きることを望まなかったのは、シンジとアスカ以外の人間達なんじゃないかと思って。シンジは生きることを望んだけど、そのためには拒絶されなければいけなかった。それで死んだアスカを蘇らせて。

ばるぼら ATフィールドが「誰もが持っている心の壁」なら、最後まで心の壁を残していたのがあの二人だったとなる。シンジは戦うことを拒絶するし、みんなと一つに溶け合うのも拒絶する。さらにアスカもシンジを「気持ち悪い」と拒絶するし、あの最終話は普通にディスコミュニケーションの話だと思ってたな。ディスコミュニケーションこそが人の形を留める手段であり、人類が生き残る可能性だったという、まさに90年代ムードの象徴的作品に思えた。

四日市 という、1997年に終わらせていなければいけない話を今更。

ばるぼら 本当は1997年に終わらせているべきだったけど、1997年夏以降、急速に語りたい欲求が収まったからね。ネットの考察系の個人サイトもどんどん閉鎖していって、残ったのはキャラ消費のSSサイト(※2)だった。それも2000年代頭までだったように見えたけど。なんでだったんだろう。

四日市 それは今更エヴァを語るのはダサい、というムードが強かったんですよ。俺はあの劇場版に感動したけど、みんな「ああやっぱクソだったな。はいはい庵野乙」だったから。

ばるぼら 「もう終わったもの」扱いはされてたね。納得したにせよしなかったにせよ、もう完結してしまった作品に対して、それ以上続きも情報もないし。

■二次創作/公式

『新世紀エヴァンゲリオンvol.11』 著者=貞本義行 原作=GAINAX 発売=2007年6月19日 発行=角川書店(メディア部)

CR『新世紀エヴァンゲリオン〜最後のシ者〜』チラシ
ばるぼら ただ、映画が終わってからも、貞本義行の描くマンガ版(1995年〜)は続いていたし、GAINAX謹製の二次創作紛いも出たよね。18禁脱衣麻雀ゲームの『エヴァと愉快な仲間たち 脱衣補完計画!』(1999年)、育成シミュレーションゲーム『碇シンジ育成計画』(2004年)とそのマンガ版(2005年〜)、さらにマンガ版『学園堕天録』(2007年〜)まで、庵野監督によるエヴァは終わっても、GAINAXのエヴァは終わってなかった。果てはパチンコの「CR新世紀エヴァンゲリオン」(2004年〜)まで出た。そういう状況下で、庵野エヴァが復活したからみんな驚いたわけだけど、やっぱりGAINAXや二次創作の同人誌を含めた無数のエヴァと、庵野秀明が作る一つのエヴァというのには、違いがあると思いますか?

四日市 違いというと?

ばるぼら 言い方を変えると、今回の新劇場版ヱヴァは、旧エヴァと同じような「本編」に見えますか?

四日市 んー、見える。

ばるぼら それは公式にアナウンスされたから、映画という形態を取ってるから、庵野が関わってるから、という複合的な視点からくる印象?

四日市 公式だからです。二次創作とはやっぱり違いますよ。どんなに二次創作で妄想していても、その妄想が後々オフィシャルとピタリと適合したら、嬉しくなる。公式ってのは大きい。

ばるぼら 公式ヱヴァと今出てる二次創作全部、どっちか選べって言われたら?

四日市 究極の選択すぎる。

ばるぼら 何の話かというと、東方Projectだと普通にあり得る話じゃないですか、公式ゲームより二次創作の方が好きって。東方は新しい消費形態を生み出したと思う。じゃあエヴァという作品の消費形態というのは、はたして旧来どおりのピラミッド型なのか、つまり「庵野秀明」による「アニメ」作品が絶対上位にいるのかどうか。

『ヱヴァンゲリヲンスナック おまけ付き BOX』(ムービック)広告  
四日市 ああ、そういうことなのかもしれませんね!ヱヴァの「神」というのは! 旧エヴァに囚われている哀れなトップレスたちよ、純粋にあなたの願いを叶えるために(※3)望ましい「if」を選びなさい! エキゾチックマニューバ!(※4)この世界のことわりを越えた新たなシナリオの誕生……代償として、古の作品は滅びる……(※5)(これはエヴァをこじらせた病理のサンプルです)。

ばるぼら (無視)。となると、まず消費形態は90年代の頃と変わってないという感じですね。もし新ヱヴァに2000年代の新しさがあるとしたら、それは物語の内部にあると。

■2000年代のアニメ

四日市 新しさか……。そもそも2000年代のアニメって何? ハルヒ?

『涼宮ハルヒの憂鬱 1 通常版 [DVD] 』 監督=石原立也 発売=2006年7月28日 販売=角川書店
ばるぼら 『涼宮ハルヒの憂鬱』は代表的作品でしょうね。ここ10年のフィクションというと、一方でセカイ系、一方で例のバトルロワイヤル系。もちろん他にも無数にあるけど、その二つが目立ってた感じ。もともとセカイ系はエヴァの影響を受けた作品の別称だから、一応エヴァの構造は2000年代にも生きていたと言える。ハルヒはセカイ系側の最新版。

四日市 ハルヒはセカイ系なのかな。ハルヒは思考実験的に作られたのかなと思っていて。

ばるぼら というと?

四日市 セカイ系を、まず〈「君と僕」の関係が世界そのものの存在を揺るがすもの〉と定義して、それを「君と僕」の外の人達が知っていたら・知ったとしたらどうするのかな、と。「君と僕」の破局も避けようとするし、「君と僕」がくっつくことも避けようとするんじゃないですか。世界が終わってしまうし、物語が終わってしまうから。第三者が「君」か「僕」にどんなに惹かれても退く。やはり世界が終わってしまうから。

ばるぼら それは面白いね。ハルヒってセカイ系のパロディ的な作品に見えてたけど、そういうメタ構造自体が作品に盛り込まれていたと。

四日市 ゲームですよね。セカイ系という厄介なルールがあって、その世界でどうやって生き延びるか。

『フルメタル・パニック? ふもっふ Blu-ray 初回限定生産』 発売=2008年12月26日 販売=角川エンタテインメント

『らき☆すた1 通常版』 発売2007年6月22日 販売=角川エンタテインメント

『けいおん!第1巻 発売=2009年7月29日 販売=ポニーキャニオン
ばるぼら そう思いながら小説読み返すと楽しそうだ。ハルヒのおかげで京都アニメーションが2000年代を代表するアニメ制作会社になった感じがあるけど、京アニって90年代のGAINAXと比べると随分職人的だよね。元のイラストから描き手のクセを脱臭するから、観賞に負担がより少ないし。

四日市 そうそう。『フルメタルパニック?ふもっふ』の頃はそうでもなかったと思うんだけど。京アニって動いてなくても、キャプチャ画像だけで京アニってわかる。

ばるぼら ついでに聞くけど『らき☆すた』はどうだった?

四日市 面白いと思いますよ。『けいおん!』も。京アニは盛り上がり方まで誘導してくれるじゃないですか。踊ってね、演奏してね、ライブパートを盛り込んで、声優ライブやるからねって。

ばるぼら 作品を楽しむ方法をわかりやすく提示してくれるから、非オタクやライトオタク層もその波にノレてヒットしやすい。こういう消費構造を新しく生んだのが京アニである。……本当か? エヴァからズレてきたからこの話を追うのはやめよう。

■新劇場版が公開された意味

ばるぼら 話を戻すと、なぜ2000年代後半に新劇場版をやらなくちゃいけなかったのか。やる意味があるからと判断されたなら、今回の新ヱヴァにしかない新しさとは何か?

四日市 エヴァが成長物語をやってることが新しい、ってのが正しいんだと思うんだけど、成長物語って言葉自体は新しさを全く含まないんだよな。ひからびてる。

ばるぼら エヴァという作品の中で王道をやることに意味がある、っていう話だよね。でもそうすると、それはアニメの新しさじゃなくて、エヴァという作品内における新鮮さにすぎない。

四日市 うん、「アニメをアップデートする」という大月俊倫プロデューサーの宣言は、現時点では叶えられていないようにも思う。

ばるぼら しかも物語の王道なら『碇シンジ育成計画』のマンガ版で既にやられている。ということは「庵野監督のエヴァ」を前提にするしか今のところ新しさがないのではなかろうか。庵野監督が出した所信表明文(2007年2月)にある「この12年間エヴァより新しいアニメはありませんでした」という発言の真意も見えないね。「エヴァンゲリオンが今やるべきことってこういうことでしょ」みたいな役割を考えて出してきてる感じはする。

四日市 エヴァンゲリオンというベースを使って、10年後にも同じことができそう。

ばるぼら 新ヱヴァは旧エヴァの続き、ループ、別世界のどれかだと思う? 作品内では明示されないみたいだけど。ループっていつの時代にもあるんだよね(※6)。最近もアニメ第二期ハルヒの「エンドレスエイト(※7)」が話題になってたけど。

四日市 ループではないと思う。なぜループしているのか、なぜ違う道筋を辿っているのか、無理矢理なこじつけをするのは楽しいと思うけど、それでヱヴァに新しいものをもたらせるかっていったら全くないでしょ。セカンドインパクト時点で既に旧作と違うってのに。暇つぶしとしては楽しいかもしれないけど、物語装置としてループを説明する必要も尺もない。視聴者に「ループ?」って思わせれば十分だよね。ループしている、としてしまった場合にループの必然性を物語に挿入するのが本当に無駄。我ながら暴言がすぎる!

ばるぼら 何度もやり直してハッピーエンドを目指す、というのともちょっと違う気がするね。ヱヴァは平行世界っぽい。

四日市 そうそう。しかもかなりテキトーな。完全に同じ位置から出発しているわけではなく、設定すら違う。ただ、全部エヴァだ、と。

ばるぼら これが「繰り返しの物語」ってことなんだろうか。旧エヴァと新ヱヴァだったらどっちが好き?

四日市 当時ならともかく、今は新ヱヴァかな。みんな幸せになってくれるのが一番いい。アニメキャラの幸福を願わないオタがいますか?

『NEON GENESIS EVANGELION DVD 全巻セット(Vol.01〜08)』 永山薫著 発売=2003年7月23日 販売=キングレコード
ばるぼら なるほど。あと旧エヴァ観ると古いと思うもんね。

四日市 うん、特にテレビ版はねえ。

ばるぼら 映像が古いし、話の展開も遅く感じる気がするんだけど。

四日市 ああ、俺は新ヱヴァが速いと感じる。ほんと細かいところなんだけど、台詞を言う時の溜めとか。コンマ何秒ってところなんだけど。もう少し溜めて!って。展開の速さは許容範囲。でもやっぱ前半が速い。『序』も『破』も。

ばるぼら それは旧エヴァのテンポが体に染み付いてるから?

四日市 多分。特にテレビ版にあった場面でそう思うから。基本的にミサトが速い。

■新劇場版の語り方?

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 : 破』フライヤー
ばるぼら じゃあそろそろ物語の内容について話していこう。ただし、無数に出てくる謎のキーワードの解読はしない。我々は旧作で「死海文書」という言葉自体には別に意味がないことを学んでいるのだ。それらは意味ありげなミスリード誘いだと。

四日市 ああ、それは感じる。今回、キーワードはエヴァマナーを守りたい人のために用意されている感じ。

ばるぼら 「ネブカドネザルの鍵」とか「バチカン条約」とか、いくらでも語っていいですよ、答えは別にないけどね、という用語が散見される。90年代はこういう用語をいちいち解説してたでしょう? でも今はそういうのを知りたい欲求があんまりわかないというかな。

四日市 旧作で知ってる、ってのもあるかも。

ばるぼら 作品をそういう専門用語で解読するっていう手法が古びてるんだと思うんだよね。例えばさ、今回のアスカの式波って苗字も、女子キャラ3人を「波」で統一したんだ!とは言えるけど、そこに意味はないと思う。「シキナミっていうのは実在の戦艦名から取ったらしいぞ、ということは……」っていう発想が真相に近づくことはない。『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンド名が実在のミュージシャンから取られてても、別に音楽の内容は物語とは全然関係ない、のと同じ。でもどうだろう、「ベタニアベース」や「ネブカドネザルの鍵」ってどういう意味なんだろう?って思った?

四日市 ベタニアベースとかタブハベースについては、基地の名前って解決した。

ばるぼら ああ、言葉自体じゃなくて、その言葉が作品でどう使われてるかを考えるのはもちろん意味があるね。

四日市 ネブカドネザルの鍵は、エヴァ豚(※8)やるためにはここから出発するしかない、という。まあネタのためのネタ探しというか。

ばるぼら それは「エヴァという作品の楽しみ方」が既にあって、それにのっかるって意味ですよね?

四日市 もちろんそうです。エヴァがどう消費されて、その後のエヴァ的なものがどう消費されて、ってのを製作者側は知ってる。見透かされてるのね……(※9)。世界観を説明し切らない投げっぱなしジャーマン、世界観そのものを読み解くって構造が実にエヴァだと。

ばるぼら ワタシは意味ありげなシーンを見るたびに、ああじゃないかこうじゃないかと、さあ語ってくれ話してくれ、って準備されてる気がしてくるんだよね。

四日市 実は庵野の好きな○○からの引用でした、チャンチャン♪で済まされたって別に文句は言えないし。マリがハジマリって思いついても、たぶんそう連想した時点で完了している。

■エヴァの新作感としてのマリ

フリーペーパー『eva extra 03』 配布=2009年6月20日 企画・編集・発行=カラー
ばるぼら その上で、今回の新ヱヴァにしかない新しさとは何でしょう、というのを出発点にしよう。そこで、存在自体が新しさを体言してる新キャラの真希波・マリ・イラストリアスについて。もともと2007年の『序』の予告編で次回作への期待を高めたいということで、大月プロデューサーから新キャラを提案されたのが発端で、おさげ、メガネ、巨乳、みたいなキャラの特徴から決まったらしい。

四日市 記号化された行動も多いですよね。空から降ってきたり、眼鏡を探してみたり、おっぱいを揺らしてみたり、揺らしてみたり。

ばるぼら 「揺らしてみたり」って2回言った!

四日市 マリ、好きですか?

ばるぼら 別のアニメに出てたら好きだったと思う。ヱヴァの中では別物に見えるからな……。

四日市 浮きすぎですよね。マリの造形は旧作にはないものですからね。それをマリ自身が作中でも言及してる。

ばるぼら どの場面?

四日市 プラグスーツを着る時。5号機、いや、封印監視特化型限定兵器局地仕様エヴァンゲリオン仮設5号機のプラグスーツは胸がキツくて合わない。でも新しくあつらえたプラグスーツは胸もぴったり。これは旧作と新劇場版のメタファー、って考えるのは病気ですか?

ばるぼら エヴァっぽい深読みだね!

四日市 深読みです! やはりアニメを見てぱんつぱんつ言うのがマナーであるのと同様に、エヴァやエヴァ的なものに対しては深読みをするのはマナー。萌え豚であると同様にエヴァ豚でありたいものです!

ばるぼら マリが「新しい」キャラとしてヱヴァに導入されたとして、マリのどこが新しいんだと思う?

『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』 著者=西尾維新 発売=2002年2月5日 発行=講談社
四日市 西尾維新みたいな戯れ言を嘯く子(※10)でもないし、『トップをねらえ2!(※11)』みたいに故あって戦う子でもない。適当というかポジティブというか、何らかの目的を果たすため、という前向きな理由っぽい。戦うの好きそうですよね。意図的にチルドレンになるのは難しそうなんですが、巻き込まれた結果、目的が生まれたのかもしれません。つまり「状況を楽しめるキャラ」でしょうか。

ばるぼら アスカは楽しめてない?

四日市 アスカは自信のある時は楽しんでるけどカウンターでボッコボコ、目的達成できなかった時のナイーブさが異常。ただマリは、ボッコボコにされても楽しんでる。倒れても倒れても繰り返し繰り返し立ち向かう物語がエヴァだとしたら、旧作チルドレンは苦しんで成長しながら、マリは天性で立ち向かう。天性って言っちゃうと違和感を感じるけど、成長ではない。少なくとも『破』の時点では。だいたい登場が少ないし。

ばるぼら ただ、マリの性格は90年代のアニメにはあり得なかったのか?というと、別にあり得ると思うんだけど、エヴァにはありえなかったということかな。

四日市 強いて言えばケンスケがそうじゃないですか。物語から排除されてるけど。

『ONE PIECE 第1巻』 著者=尾田栄一郎 発売=1997年12月24 日 発行=集英社
ばるぼら エヴァにのることを楽しめる人はエヴァにのれなかった、というのは旧作の特徴だね。あと「ボッコボコにされても楽しんでる」というと、マンガの『ワンピース』を想像しちゃうんだけど。あのマンガのキャラも結構戦いを楽しんでて、負けてもすぐふっきれて立ち直るよね。ここに違いはある?

四日市 『ワンピース』でルフィは結構マジギレするでしょ。誰かが酷い目にあった時。マリは、自分が死ぬし、誰かを殺してしまう、自分のせいでたくさんの人々が死んでしまう、苦しんでしまう、という状況を引き受けた上で、楽しんでエヴァに乗ることができる。これが新しさではないですか。

ばるぼら わかりやすい解説だ。今回のヱヴァは、マリが旧エヴァのキャラと関わることで、無理やり新しい展開につなげていく先導者的な印象があった。

四日市 S-DATプレイヤーの件(※12)といい、今回の役割はそれっぽいですね。

ばるぼら 物語を進める上では必要だけど、ではそれ以外ではどれだけ必要になるのか、が次回の見所でしょうね。

■音楽の使い方

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 オリジナルサウンドトラック』 音楽=鷺巣詩郎 発売=2009年7月8日 販売=キングレコード
ばるぼら 次に、観た人の誰もがひっかかりを覚える音楽の使い方(※13)の話をしたい。

四日市 ああいう童謡の効果はうーん……って感じだな。たしかにあそこは微妙なんだよな。タチコマが「僕らはみんな生きている」と歌った時(※14)は泣けたのに。

ばるぼら 残酷な場面に明るい音楽をつけるのは、映画音楽の伝統として普通のことなわけ。『空の境界』でもレイプシーンで「雨に唄えば」がかぶってくるでしょ(※15)。じゃあなんで我々は『破』には嫌悪感を抱くんでしょうね? あそこでは高揚感のある音楽を望んでたから?

四日市 クラシックだったらよかったかもしれない。あと、歌詞かな。

ばるぼら 歌詞が直接的な意味を持ってるからか。たしかに「また会う日まで」だの「翼をください」だのって歌詞は、あの場面の直接的な説明になりすぎてるよね。もっと間接的に表現してほしかったのかも。

四日市 LAS(※16)派としては「いつまでも絶えることなく友達でいよう」の方が癇に障るわけですが。

ばるぼら あはは。

四日市 わかりやすさに苛立っているのかな?

ばるぼら ヱヴァはわかりにくくあってほしいということか? そうなると「じゃあどんな曲だったら満足するんだ」という疑問が当然成り立ちますね。「Fly me to the moon」(※17)が流れればよかった?

四日市 それも違和感がすごかったかと。やっぱ台詞に歌がかぶってるのが不快な気がするな俺は。ヴォーカルが自己主張強いというか、意味のある言葉を意味のある台詞に被せられてるとちょっと。旧劇場版の最後に流れてたみたいなヴォーカルなら……いや、でもやっぱ日本語の歌詞ってのはなあ。

ばるぼら 「今日の日はさようなら」はフォークソングみたいで、最後の「翼をください」はイージリスニングっぽいアレンジだったよね。後者はそこまで気にならなかった印象があるんだけど。

四日市 ああ、「翼をください」は違和感あんまりないな。アスカのシーンは最初のインパクトもあるから。

ばるぼら じゃあ歌詞がなくて、もしくは英語か何かで、ヴォーカルが主張しなくて、フォークソングじゃなければよかったのかなあ。うーん。

四日市 MAD動画でぴったり合う曲を探す大会がはじまるまで保留にしましょう。

■新劇場版の人類補完計画

四日市 マリの目的って何なんでしょうね。それは思わせぶりでなく、本当にある気がする。途中でシンジに「じゃあね、ネルフのわんこ君」と言うから、ネルフとは全く別の意志で動いているのは間違いないんだろうけど。

ばるぼら 冒頭で「自分の目的に大人を巻き込むのは気後れするなあ……」って呟くよね。その前に加持さんが「大人の都合に子供を巻き込むのは気が引けるなあ」と言ってるのと対になってて。

四日市 5号機の自爆が「大人の都合」だったわけですが、そのあとの加持の「ベタニアベースとマルドゥック計画はこれで頓挫します。すべて貴方のシナリオどおりです」という台詞からして、計画は色んなところで進んでいて、ベタニアベースの方の計画が先に進んでいたから、日本のネルフがそれを阻止しようとしたのではないでしょうか。

ばるぼら 「大人の都合」はそれですね。その5号機の自爆によってマリが日本で2号機に乗る。

四日市 マリを2号機に乗せることは計画に含まれていたのかな?

ばるぼら 半々かな。マリが日本にきたのはユーロの思惑でもあるわけですよね?

四日市 ですね。極秘入国っていったじゃない!という台詞もありますし。今回はだから、人類補完計画にエヴァが4体必要なんでしょう。バチカン条約が3体規制なわけだし。5号機を自爆させて数が足りないからユーロが補完計画ができないーっていう。

ばるぼら んで加持が碇指令に渡したのが「人類補完の扉を開く、ネブカドネザルの鍵」。

四日市 あれは覚醒したエヴァ初号機の体に浮かんでいた模様と同じですね。ここで俺のエヴァ脳が働くわけですが、今回の補完計画には使徒も必要なのでは?という。

ばるぼら ほほう。

四日市 アスカがバルディエルに浸食された時、翼が生えていました。あれはセカンドインパクトの写真の翼、覚醒した初号機の翼と同じです。さらに精神汚染されたアスカの棺桶は封印施設と同じ構造。北極の封印施設と5号機を「処理」されたことにより、ベタニアベースでの補完計画は実行不可能になった、と。そしてレイとシンジ君もゼルエルさんと同化していますね。

ばるぼら なんか核心っぽい話になってきたな。カヲル君は?

四日市 カヲル君の立ち位置が本当に読めない。次回予告からすると彼、普通に参戦するみたいですね。予告へ行く前の最後の光景を目の当たりにすると、あのまま補完計画がはじまって人間汁が出来上がってしまうのではないかって思っちゃうんですが、レイとシンジは解け合ったまま封印されると予告では言われている。「予備として保管されていたロストナンバー」ってあたりも、使徒が必要なのではないか、って考えを加速させる。んで、バルディエルが来た時に冬月は「やはりこいつか」と言う。使徒の到来を予期してますよね。しかも浸食タイプってことまで推測している節がある。

ばるぼら どこまで想定範囲内なのかが謎なんだけど、かなりの部分で「やはり」なんだよね。

四日市 俺が推したいのは、3号機にアスカが乗ったのも初号機を覚醒させるためのシナリオの一部だったのではないか、と。後にレイを助けるためにシンジさんは覚醒するわけですが、その予備というか。冬月の「やはりこの二人で覚醒は成ったか」という台詞からして「一応やってみるけど、レイじゃないと無理なんじゃないかなー」と思っていたんじゃないかな。つまりLRS(※18)こそが正統でありLASは退けられた。アスカ派はスタジオカラーを殲滅するべきなんですよ。

ばるぼら (無視)。「はじめまして、お父さん」っていうカヲル君の台詞はどういう意味になるかな。

四日市 あれは世間一般では「お義父さん」でガチホモ宣言ってのが主流ですね。

ばるぼら なんでそこだけそういう推理なの(笑)。

■ラストシーンの匂いと覚醒

四日市 マリの「匂い」についてはどうですか。あれのせいでマリに踏まれたい変態紳士は激論を交わす毎晩らしいのですが。

ばるぼら マリは赤い海から生まれたキャラという仮定はどうですか。LCLがいい匂いで、赤い海がLCLみたいなもんだとしたらだけど。

四日市 なるほど、そうなるとかなりカヲルに近いキャラですね。ナチュラルな人間ではないという意味で。

ばるぼら 「なるほど、都合のいい奴ね、やっぱり匂いが違うからか」という最後の台詞の解釈が問題になるけど。

四日市 シンジがレイをサルベージしたことが「なるほど」で納得。で感想が「都合のいいやつ」。なぜなのか、と自問自答して「匂いが違うからかなぁ?」。

ばるぼら シンジとレイは特別な関係だから、っていうのが既に頭にあるわけだよね。さらに冬月の「やはりあの二人で初号機の覚醒は成ったな」という台詞もダメ押しで。

四日市 「やはりあの二人で」ってところが、どうしてもアスカの件を連想してしまう。つまりマリは「都合のいい奴」ではない。「匂いが違うからかなぁ?」が「シンジが都合いい奴なのは、匂いが違うからかなぁ?」ではなく「アスカで覚醒が成らなかったのは、匂いが違うからかなぁ?」だとすると、マリが2号機に乗る場面の「他人の匂いがするエヴァもいいかも」ってところと繋がる気がする。他人の匂いもいいな、って思うのがマリ。他人(アスカ)を救わないシンジ。

ばるぼら やっぱり2号機じゃ都合よくはいかないんだ、ということね。マリは2号機の覚醒を狙ってたのか?

四日市 覚醒がよくわかんないからな。二人じゃないと覚醒できないのか。一人でできるもん!なら考えられる。

ばるぼら 覚醒がサードインパクトを引き起こすのに必要な行為だとすれば、サードインパクトを狙ってたのかもしれない?

四日市 加持さんの「数も揃わないうちから…」発言があるから、どっちにしろあの時サードインパクトは無理だった気もするんですが……。ただ、覚醒すると目が三つになるので、セカンドインパクトの映像から覚醒は必須条件なんでしょうねえ。エヴァのデザイン上、目が三つになれるのは初号機と6号機だけ! 2号機では無理!!……ああ、すごく電波な推理してる気がする。

ばるぼら こういう電波を飛ばしまくるのが、ヱヴァを楽しんでる感じがするから大丈夫!


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man.gif ばるぼら ネッ トワーカー。周辺文化研究家&古雑誌収集家。著書に『教科書には載らないニッポンのイ ンターネットの歴史教科書』『ウェブアニメーション大百科』など。なんともいえないミ ニコミを制作中。

「www.jarchive.org」 http://www.jarchive.org/

ykic-p.gif 四日市 エヴァンゲリオン研究家。三度の飯よりエヴァが好き。クラブイベントにウエダハジメ、有馬啓太郎、鶴巻和哉らを呼んでトークショーを開いたり、雑誌に文章を載せてもらったり。プロフィール画像は昔描いた三十路魔法少女漫画。

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