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SM専門交際クラブ「六本木ファイル」オープン20周年の実績と意味
様々に変化してきた男女の出会い方。テレクラや出会い系サイト等の時代を経てマッチングアプリが全盛の今、SM専門の交際クラブとしてオープン20周年を迎える老舗店がある。長年支持され続けているそのシステムや利用方法とは? ベテランの店長さんにお話を伺いました!90年代に携帯電話が普及すると、その主戦場はインターネットへ移り、現在はTinderなどに代表されるマッチングアプリが花盛りだ。
手のひらのスマートフォンを操作するだけで、見知らぬ異性とコンタクトすることが出来るのだ。
そんな時代に、20年間も営業してきたSM専門の交際クラブがある。六本木ファイルだ。
交際クラブとは、男性は会員となり、登録している女性の写真とプロフィールを見て、気になる女性がいれば店を通じて紹介してもらうというシステムである。六本木ファイルは交際クラブとして東京都条例の正式認可を受けている。
女性のプロフィールは会員専用のサイトで見ることは出来るようになってはいるが、システム自体は20年間変わっていない。
また、入会金や年会費、セッティング料などもそれなりに高額であり、無料で利用できるマッチングアプリもある現在においては、時代錯誤にも思えるかもしれない。
「会員男性にとっても、登録女性にとっても、だからこその安心感はあるんじゃないでしょうか」
取材に応じてくれたのは、店長の宇野氏だ。物腰の穏やかな紳士である。
確かに実際はどんな相手かわからないマッチングアプリなどの出会い系に比べれば、店を通すことで、相手のプロフィールが確認できるという安心感がある。
また女性側にとっても、ある程度の料金を払えるという社会的地位のある男性だということも安心材料となるだろう。
六本木ファイルがスタートした2002年は、すでにケータイ出会い系サービスが台頭しつつあり、まだテレクラやダイヤルQ2なども人気があった時期だ。
しかし、宇野氏はあえて対面しての会員制という言わばアナログ的なシステムを選んだ。
「ちゃんと顔を見ることとで安心感を持たせたいと思ったんです。手間はかかるけれど、その分、安心できる。そこにニーズはあると思いましたね」
SM専門としたのは、宇野氏自身がSM、特に緊縛の愛好家であるためだ。宇野氏は2016年に亡くなった伝説的な緊縛師、雪村春樹氏から「春湖」の縄師名をもらっている門下生だ。
そもそもSMのパートナーを見つけるのは大変難しい。六本木ファイルの登場以前は、マニアのサークル的な集まりや、出会い系サイトのSMチャンネル、あるいはSM雑誌の交際欄などに頼るしかなかった。
「この頃は、パートナーを見つけるのは困難な時代でした。交際クラブ自体もあまりなかったですからね。それもSM専門となると皆無でした」
当初はSMクラブを営業することも考えたが、SM仲間に相談すると「SM専門の交際クラブなら絶対に成功する!」と言われたそうだ。やはり、誰もが必要だと考えていたのだろう。
当初の告知は『S&Mスナイパー』や『スナイパーEVE』、夕刊紙などに広告を載せただけだったという。
「すでに若い人はネットで情報を得ていましたが、高めの年齢層を狙っていたので紙媒体に力を入れたんです」
女性は紹介や口コミがメインだったという。六本木ファイルの名前が知られるようになると、検索して公式サイトにたどり着き、応募してくる女性が増えたそうだ。
現在登録されている女性は1700人以上。年齢は30歳前後が一番多い。リストを見てみると20代前半もかなりいて、中には19歳という女性もいる。逆に50代、60代という熟女もいて、年齢層は幅広い。主婦も多いそうだ。
「以前に比べると女性の年齢層はずいぶん下がりましたね。え、こんな子が?と驚くような綺麗な子もいます。SMの経験はないけれど、興味があるという子が増えましたね。マニアックな女性は昔のほうが多かったかな。SMもずいぶん一般的になったということでしょうかね」
プロフィールの写真は、事務所で宇野氏が撮影している。
「なので加工もしていませんし、実物より綺麗に撮ったりもできないんですよ。なので、実物のほうがよかったということも多いみたいです(笑)」
女性の属性はMが5割強で最も多く、Sは3割くらい。残りはSでもMでも、という感じだ。
では男性会員はどんな人が多いのだろうか?
「男性会員の年齢層は上がっています。50代、60代が中心ですね。以前は40代も多かったのですが、そのまま年齢を重ねてるので(笑)オープン当時から20年間会員という方もいますよ」
男性会員はS男性のほうが多いが、ここ数年でM男性がかなり増えたそうだ。
「ただSといっても、どちらかと言えばSと言う感じの方が多いですね。普通の交際クラブに飽きて、ちょっと試しにプレイしてみたいという人も多いです」
しかし、単純にSMプレイをしてみたいというだけならば、SMクラブのほうが手軽だし、リーズナブルなのでは?
「そんな感じの人には、SMクラブのほうがいいですよと説明することもありますよ(笑)。コースの時間に縛られてプレイするのが好きではないという人も多いようです。もちろん長くつきあえるパートナーを探したいという人もいますし」
フェチな嗜好など、こんなプレイがしたいという希望があれば、どんどん相談して欲しいと宇野氏は言う。それこそが機械的なシステムではない交際クラブならではの特色だからだ。
気になる料金は入会金が2万円、年会費が3万円、そして1名分のセッティング料金が2万円。決して安い金額ではない。
しかしだからこそ会員の質が約束され、女性にとっても安心であり、それゆえに女性のレベルも高くなっている。
「この料金は20年前から変わっていません。その頃に比べると消費税が上がっているので、実質は値下げなんですよ(笑)」
男性会員、登録女性の質がいいためか、これまでに大きなトラブルは皆無だったというのも驚かされる。
スマホで手軽に無料で「出会い」ができるアプリ時代だからこそ、こうしたアナログなシステムならではのメリットもあるのだろう。20年の歴史が何よりもそれを物語っている。
文=安田理央
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取材協力=SM交際クラブ「六本木ファイル」
●TEL | 03-5775-7955 |
●エリア | 六本木 |
●営業時間 |
平日:12時~21時 土・日・祝:12時~19時 |
22.04.19更新 |
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