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SM交際クラブ『六本木ファイル』店長に聞く、初心者女性に対する「SMの誘い方」 
SMに興味があるけど目隠しプレイや軽い言葉責めくらいの経験しかしたことがない――。世の中に多くいるそんな女性を放っておくのはもったいない! そこで今回は、SM初心者の女性が多く登録しているというSM専門の交際クラブ「六本木ファイル」を探訪。ベテランの店長さんから直々にアプローチの仕方を教えていただきました!

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理解あるパートナーがいないと成り立たないプレイ、SM。特殊な性癖だけになかなか人には打ち明けられないが、己の性癖を抑圧し続けるのは難しいことだ。
そこで今回は、多くのSM難民を見てきたSM交際クラブ「六本木ファイル」代表の宇野氏に、SM初心者女性相手のスマートなSMへの誘い方を聞いた。きっと妻や恋人などのノーマル・パートナー相手でも、応用できるはずだ。


たとえば飲み会などで、「アタシ、エッチではMになるんだぁ」なんて軽口を叩く女性はよくいる。それを真に受けたSM癖のある男性が、「じゃあ縛らせろよ。おまえMなんだろ? メス豚が!」などと迫ったらどうだろう。いっきにドン引きされ、要注意人物に認定されるだけ......。"SM交際クラブ"と謳う「六本木ファイル」でも、同じことが言えるという。

「実はうちに登録している女性のほとんどは、ノーマルに近い人なんです。軽い拘束や軽い目隠し、オーソドックスな玩具などから、道具を一切使用しない言葉責めまで、『ちょっとそういう雰囲気を味わいたい』程度の人が多いですね」


↑入会後に男性が見ることのできるアルバムファイル。女性会員のプロフィールが写真付きでまとめられていて、興味のあるプレイやNG事項なども確認できる。


つまりSM専門といえど、飲み会で軽口を叩くような普通の女性と変わらないということだろう。

「そうですね。好奇心はあるけれど、その世界にまだ入ったことのない女性もいます。そういう女性には、まずは安心感を与えないと。いきなり男性側が『おまえはMだから』と大きい態度で出ちゃったりすると、女性が引くのは当たり前ですよ。うちの会員様にも、『普通の女性と会うのと同じこと。"特別にSM好きな女性"だとは絶対に思わないこと』を心がけてもらっています」

その"安心感"を与えるには、一体どうすればよいのだろうか?

「やはりコミュニケーションに尽きます。たとえばうちでは、まず待ち合わせして、喫茶店で30分くらいお話して、その後は各々の流れによりますが、喫茶店タイムがコミュニケーションの機会となります。そこで、世間話から入り、何気ない会話で『SMに興味を持っているか』を確認します」


↑会員専用のWEBページ。最近登録した女性の写真がトップに表示されている。

↑女性のプロフィール欄には会うのに都合のいい時間帯や、趣味、好みなどの情報が。「六本木ファイル」に登録している女性は全員"SMに興味がある人"だが、最初の会話では改めてデリケートに相手の気持ちを聞き出していこう。


通常の飲み会序盤のような、探りを入れるようなテンションということか。

「NGなのが、『俺はこういうことがしたいんだ!』という一方的な自己主張や、『で、どういうのが好きなんだ?』という一方的な質問ばかりの人です。それと、説得するかのように何時間も拘束するのはもってのほか。会話は長くて1時間ですね」

たしかに一方的な喋りは「こいつ、プレイも自分勝手だな」と連想しがちだ。

「だから、男性のほうから『自分はこういう嗜好を持っているけど、きみはこういうことに興味はある?』と確認した上で、どういうものが好きなのかを聞いていくのがいいですね。まず自分が開示しないと、相手も開示してくれませんから」

さすが、女性心理をよく分かっていらっしゃる。そうなのだ、何を考えているのか分からない相手に、自分の胸の内をさらけ出せないのが、女の本音。

宇野氏はこれまで、多くの女性を面接してきたが、そんな中でも"脈アリ女性"の反応は、「明るく質問してきたり、積極的に質問に答えてくれる女性は脈アリ。どんなプレイにも『まぁ、相手次第ですね』とだけ答える女性は、脈ナシ」だという。もっと分かりやすい脈ナシは、当然ながら「ハッキリと断わってくる女性」。それはそれで、落ち込みそうだが......。

「ダメなら次に行けるというのが、交際クラブのいいところ。遠慮なく、『何がダメだったのか』を聞いてみてもいいですね。私の方から女性に聞いて、男性側にアドバイスすることも可能です」

「次がある」のはあくまで交際クラブだからだが、プライベートで挑む場合には、断られる男性の共通点は、「焦りすぎ。上から目線」だということを、あらかじめ覚えておいたほうがいいだろう。

「僕から積極的に男性会員にアドバイスするなら、ひとつだけ。"紳士的な対応をお願いします"です」

交際クラブにおける"紳士"は、待ち合わせ場所から始まっているという。オススメは駅に近い喫茶店や、有名なシティホテルのラウンジやカフェ。間違ってもハチ公前を待ち合わせ場所にしてはいけない。そして30分~1時間程度話し、食事する店の候補を付近に2~3軒考えておく。「店では話にくいし、イヤなことは絶対にしないから」といきなりホテルもOKだというから意外だ。

「紳士はまず女性のイヤがることはしませんから、ちゃんとイヤなことはしないのが前提ですよ。まず会って話して、そこで楽しいと思ってもらえないと、長く続きませんからね」


↑ホームページで女性とのセッティングを申し込んでいるところ。この申し込みは宇野さんに電話をして直接セッティング希望日時を伝える方法でも構わない。宇野さんはほぼ全員の女性を面接しているため、プロフィールだけではわからない情報を教えてもらえることも。


"紳士"であることはSMを抜きにしても魅力ある男性像だ。ちなみに、「六本木ファイル」に登録している男性の中でも、SM初心者の女性たちが群がるモテ男がいるが、これが"紳士的な50代"なのだという。そんなオッサンがモテるのか!と驚きを禁じ得ない。

「会話力が長けていますね。自分がペラペラ喋るのではなく、相手の話を引き出したり、相手が喋りたくなる雰囲気を作っています。女性は基本的に話好きですからね。もちろんあまり喋らない女性もいますが、そういう子にはある程度質問を入れながら自分のことを喋るとか。人に合わせるのが得意なんでしょうね」

これには力強く頷かずにはいられない。コミュニケーション能力に長けているのに越したことはないが、じっくりと相手の話を聴くくらいなら、多少コミュ力が低くてもできることではないだろうか。

そして会ったあとのメールは「楽しかったよ。よかったらまた会ってね」程度の、要件だけのさっぱりした文面が多いという。

「モテない人は、返信を求めるようなクドクドした長いメールを送りがちですけどね。そのモテ紳士も、別にイケメンでも特別オシャレでもない、普通のオジサマなんです。威圧感を与えない雰囲気が、モテない人とは決定的に違う点です」

そう、女性をSMに誘うときの、特別なテクニックはいらないのだ。ただただ、紳士であれ――。するとおのずと、あなたのパートナーは身を委ねてくれる......はずだ。

文=有山千春

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取材協力SM交際クラブ「六本木ファイル」

●TEL 03-5775-7955
●エリア 六本木
●営業時間 平日:12時~21時
土・日・祝:12時~19時

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有山千春 フリーライター。大学卒業後、SODクリエイト広報、ミリオン出版編集者を経て、2012年フリーに。『アサヒ芸能』(徳間書店)、『週刊大衆』(双葉社)、『BLACKザ・タブー』(ミリオン出版)などで、主に中年男性目線のおピンク記事や芸能記事を中心に執筆中。
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