Photo series by Shirao Ray;turtle shell tombs
連載 写真シリーズ「カミヌクー」
沖縄県に多く見られる墓の形式のひとつ「亀甲墓」。「カミヌクーバカ」とも呼ばれる巨大なそれは、形状から「亀の甲」を意味するだけでなく、母の体を表わしてもいた。――人は生まれ、どこへ還るのか。フォトグラファー・白汚零の写真シリーズ連載全5回、月に一度の更新です。
古代遺跡のような風格を持つ亀甲墓だが、その歴史はさほど古くない。現存する最古の亀甲墓といわれる「護佐丸の墓」は15 世紀に築造された武将の墓だ。この頃は豪族しか亀甲墓を造ることが許されなかった。それが明治以降、一般人も巨大な墓を作るようになり、一気に増えた。
風葬の習慣があった沖縄で火葬が一般的になる以前は、亀甲墓に死者の亡がらをそのまま入れた。そして3 年後取り出し、遺骨を洗い清め、厨子や甕にいれて再び墓の中に入れた。 内部はひな壇のような階層があり古いものほど奥においた。
墓は主に男性の家系列が管理する門中墓と呼ばれるものが多い。最近は小さめの家族墓もあり、墓地で管理されていたりする。
著者既刊写真集