web sniper's special AV review. WEBスナイパーAVレビュー 『裸の部屋(HMJM)』 文=安田理央 1 さき 22歳・岩手県出身・豊島区在住・家賃72,000円/ 2 らん 18歳。千葉県出身・練馬区在住・家賃78,000円/ 3 さちこ 22歳・北海道出身・台東区在住・家賃110,000円/ 4 みさき 24歳・徳島県出身・中野区在住・家賃150,000円/撮影*構成*編集 バクシーシ山下 サンプルムービー掲載! |
久しぶりにバクシーシ山下監督作品を観た。以前から彼がこだわっていたAV女優の自宅に行って撮影するというコンセプト。
スパンキングな好きな22歳のさき、部屋が豹柄だらけの18歳のらん、吉原のソープで働く22歳のちさこ、そして現役キャバクラ嬢である24歳のみさき。
観ていて、「ああ、懐かしいな」と思った。バクシーシ山下タッチの映像。今でも、ドキュメントタッチで撮られたAVはたくさんあるのだけれど、山下のそれとは全然カラーが違うのだ。
この作品の中でも、カラミを若い監督に撮らせているシーンが何カ所かあるのだけれど、そこはちゃんと「今のAV」になっている。見たいところがちゃんと見えて、エロくて抜きやすい。正しいAVだ。
これが山下が撮影している部分になると、カラミでも何だか寒々しく、もの哀しささえ感じさせるのだ。それはリアルすぎるからだ。人間の男と人間の女がするセックスは、哀しさが常につきまとうのだ。
出演する4人の子たちは、いずれもいい子だ。18歳のらんなどは、若いしかなり可愛い。他の子も、非常に積極的なセックスを見せてくれる。山下が90年代に好んで撮っていたような「壊れた」女はいない。
しかし、そのセックスは見ていて、どうにも風俗っぽいのだ。こうすれば、男が喜ぶというセックス。山下が自宅で撮影したいと考えるということは、生々しい本当のセックスを撮りたいからなのだろうが、彼女たちは、見栄えがよくて、男にとって都合のいいセックスを見せる。演じているといってもいいかもしれない。彼女たちは自分から電マをせがみ、自在に潮を吹いて見せたりもする。吉原のソープで働くちさこが一番、プライベートっぽいセックスを見せるのだが、それもプライベートっぽく見せるセックスを身につけているからだろう。
山下は、その壁を破ろうと苦労している。時にはこんがらがったネックレスをほどいたらプライベートでフェラしてくれと約束してみたり、普段やってるようにオナニーさせたり。でも、山下を持ってしてもその壁は厚いようだ。ハメ撮り中に度々勃起不全になってしまう山下自身はこんなに生々しいのに(同年代なので、よくわかるよ!)。
AVはあくまでも、ヌクためのファンタジーなのだとすれば、山下のそんな努力はムダかもしれない。古きよきAVの時代のノスタルジーにすぎないのかもしれない。若手監督の撮った画との違いに、それを強く感じた。
でも、AVって、それだけのもんじゃあないよなという気持ちも捨てきれない。だって、面白いんだもん、バクシーシ山下の作品は。久しぶりに観て、その面白さを実感した。今もたくさんのAVを観る生活をしているけど、こういう気持ちにさせてくれる作品には、なかなか出会えない。
文=安田理央
その生々しい性行為から見えるものは何か……
バクシーシ山下監督が2009年に撮り下ろした肉迫ドキュメント!
FLV形式 12.4MB 2分38秒
『裸の部屋(HMJM)』
発売日:2009/06/06
出演:さき、らん、さちこ、みさき
監督:バクシーシ山下
収録時間:130分
品番:HMNF-007
価格:3990円(税込)
メーカー:HMJM
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安田理央 1967年埼玉県生まれ。美学校考現学教室卒。エロ系ライター、アダルトメディア研究家、パンク歌手、ほか色々。メディアとエロの関係を考察することがライフワーク。主な著作に『エロの敵』(雨宮まみとの共著 翔泳社)、『日本縦断フーゾクの旅』(二見書房)『デジハメ娘。』(マドンナ社)など。趣味は物産展めぐり。でも旅行は苦手。 |
09.07.05更新 |
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