web sniper's special AV review. WEBスナイパーAVレビュー 『ヒロイン残酷物語 Vol.11(GIGA)』 文=井上文 世界征服を目論む悪の秘密組織の首領ジェノイドは、正義の美少女ヒロイン・セーラーマルサスが邪魔で仕方なかった。そこでジェノイドは弟のギルティーとともに、 セーラーマルサスの世を忍ぶ仮の姿・ナースの日野玲華(ひのれいか)を待ち伏せする……。 |
正義のヒロインが悪の組織から残酷な拷問を受ける特撮スプラッターシリーズの11作目。生々しい傷の描写や血の表現に手加減がありません。加害シーンに性的興奮を覚える人のために作られた映像としては高いクオリティを持っていると思います。ただそれだけに(これは作品の邪魔にはならないと思うので書きますが)その嗜好を持たない人にはキツい内容です。
設定は、世界征服を目論む悪の秘密組織の首領ジェノイドが、正義の美少女ヒロイン・セーラーマルサスを排除すべく、弟のギルティと共にセーラーマルサスの仮の姿である日野玲華(宮崎あいか)を待ち伏せて打ち倒すというもの。変身前のナース服、変身後のセーラー服的コスチュームの2パターンそれぞれで見せ場があります。
ナース服のシーンではまず宮崎あいかの腰の入ったアクションがいいですね。運動神経がいいのか格闘技経験があるのかフォームが綺麗で、ヒロインらしい強さを見せつけてくれます。が、変身に必要なサーベルを奪われているため徐々に形勢が悪くなり、殴られて口の端に痣を作る辺りから血生臭さが漂い始めます。鼻血(リアルなんですよ色や質感が……)を流すヒロインにジェノイドが呟く「だいぶ美しくなってきたな」というセリフが印象的です。
やがて全身を斧で切り裂かれ、大量の血を流しながら呻き声を上げるヒロイン。宮崎あいかは演技が上手く、それだけに細い鉄パイプで胴体を貫かれるシーンなんかは身の毛がよだちます。血をボタボタ垂らしながら悶え苦しむ様が長尺で映し出され、観ているこっちまで青息吐息の瀕死状態……。
構成として面白いなと思ったのは、ここでジェノイドがサーベルをヒロインに返し、あえて変身させることです。手傷を負っているのでやはり負けてしまうのですが、一瞬希望を見せておいて……という残酷さが憎らしいほど。ここからラスト(バッドエンド)までの惨劇は宮崎あいかの熱演と相俟って罪深さが尋常ではありません。
行為の一部を列挙すると、正義のコスチュームをまとったままのヒロインは傷口を金属棒でえぐられ、熱湯を身体や口内に注がれ、爪と指の間に針を刺され、指を切断され、さらに……肉体の破壊が具体的に行なわれ、明確に死を意識させます。全編を通じていわゆるエロシーンはパンチラくらいしかなく、ヌードも特典映像でのシャワーシーンのみ。この撮影後のニッコリ笑顔でホッとしてしまうような人はこの作品を観るのに向いていないんだろうなとしみじみ思いました。
快感なきエロス……今までほぼノーマークで過ごしてきた気がします、これを観てしまうと。血や死、残酷なものへの興味は誰しも持っているものだと思いますし私にも存分にありますが、その自覚があっても整理のつかないザワザワ感が残ります。確信のない人は取り扱いに十分気を付けて下さい。
文=井上文
『ヒロイン残酷物語 Vol.11(GIGA)』
発売日:2008/11/14
出演:宮崎あいか
監督:SCHWARZEN III
収録時間:DVD67分(+14)
定価:10,500円税込(DVD)
商品番号:JHZD-11(DVD)
メーカー:GIGA
レーベル:ZEUS
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井上文 1971年生まれ。SM雑誌編集部に勤務後、フリー編集・ライターに。猥褻物を専門に、書籍・雑誌の裏方を務める。発明団体『BENRI編集室』顧問。 |
09.01.04更新 |
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