特選AVレビュー『3センチメートル 高まる鼓動を感じる距離』（SILK LABO）

長年仲の良い友人として過ごしてきた2人がある夜、もう「友達」とは呼べない関係に......。気になっていた男友達との突然の一夜「Suddenly」と、ずっと腐れ縁だった2人がお互いを意識した夜「Pandra box」を収録。
友達から特別な存在になるまでさほど時間はかからなかった......当たり前の日常に突如やって来た運命の夜。近づくほど感じる鼓動や吐息。唇を重ねた瞬間から恋の炎は一気に燃え上がる......。2組のカップルが織りなす甘酸っぱい愛の物語。

男友達を好きになる、これって女子なら誰でも経験することですよね。知れば知るほど、この人の特別な存在になりたいって願望が生まれて、変に意識しちゃうからうまく話せない。今回は、恋愛不足な女子に送るシルクラボの作品です。エッチな部分だけをフォーカスせずに、男女の感情の動きをしっかり織り込んだ、疑似恋愛が楽しめる構成になっています。

2話が収録された、人気男優2人による胸キュンラブストーリー。1話目の「Suddenly」では、エロメン王者の一徹が登場。ホテルを予約していたのに彼女に振られた信吾が、終電を逃して途方に暮れる美由紀（雨宮琴音）に電話を入れて誘うところから始まる。実はこの二人、ちょっと意識し合っていたらしい。ワインで乾杯するけれど、予想外に二人きりになってしまったホテルでの夜に戸惑いを隠せない美由紀。一生懸命盛り上げようとする信吾が空回りしているように見えるけど、その気遣いが嬉しかったり、切なかったり......。

「眠くなっちゃった」シャワーを浴びてベッドでウトウトしていた美由紀。目覚めて振り返れば信吾の寝顔。近距離で見る寝顔に思わず顔を近づけてしまうが、さっと離れて背中を向けると、信吾からまさかのバッグハグ！　ここから信吾の快進撃がスタート。無邪気に笑っていた信吾が急に男らしくアプローチ。「好きになっちゃった......」とキス。うひゃ～女子はその言葉に弱いんですけど......筆者はもうドキドキ。頑なな美由紀に優しく「大丈夫、力抜いて......」。真剣な眼差しやクシャッと笑顔が、成宮寛貴くんと福士蒼汰くんを掛け合わせたイケメンっぷりで、期待を裏切らないエスコート。美由紀もすっかりのぼせた様子で、体を預けて二人はついに合体。女がアンアンしているセックスシーンってわけじゃなくて、男の表情とか動きとか、普段女がエッチ中に見られない部分にスポットを当てているとこがたまらないのです。信吾の恍惚とした表情が可愛い！　しかも、意外に毛深いギャランドゥにも仰天。体位を変えるごとにぎゅっと抱きしめてくれるし、こんなセックスなら何度でもしたい！と異常に興奮する。信吾の喘ぎ声に母性をくすぐられ、私でそんなに感じちゃうの？とテンション上がりすぎてクラクラしそう。エロメン・一徹見たさに、何度もリピする人続出間違いなし。

2話目の「Pandra box」は、大御所・しみけん。俊樹（しみけん）と明菜（麻乃ハルミ）は長年の友人で、前話よりちょっと大人な設定。どうも恋がうまく行かない明菜は俊樹に本音をホロリ。「私と寝たら、好きになっちゃう？」何回も訊ねるその顔が天然すぎて可愛くって。明菜みたいなセカンド女子は、「セフレ」って言葉を簡単に出しちゃうんですよね～。そこから恋愛に発展するかも......って期待するけど、そう簡単にことは進まない。でもその気持ちはすごくわかる。

明菜への気持ちを抑え続けて来た俊樹は、セフレという言葉にイラっとして明菜をホテルへ連れ込む。「違う！　こんなんじゃない！」言い合いになった後、結局朝まで他愛もない会話に花を咲かせることになるが、いつの間にか眠りへ。横で眠る俊樹のほっぺにチュッ。すると、俊樹が明菜に覆いかぶさり、一気に男のスイッチがイン。俊樹は、心の奥では明菜が好きなんだけど、純朴で思いをうまく伝えられない男子という人物像。言葉では口説けないけど、優しく愛撫することでその気持ちを伝えようと必死。恋愛下手女子と地味目男子。ヤリ目に見られてきた明菜だけあって、セックスはグイグイ積極的。細身でデカパイの明菜がエロくて、ガタイのいい俊樹との絡みにムラッと来ちゃう。

結局この二人、年齢ばかり重ねて来て、真っ当な恋愛をしたことがなかったわけで、この夜を境に友人から恋人へ変わろうとするのです。しみけんが地味目男子役っていうのも意外だけど、セックスに必死で声もかけないところが好感触だったり、経験値少なめに映ったりで、女子としては嬉しく感じちゃうポイント。妙にエッチがうまい男子より女心がくすぐられちゃうかな。もっといろんなこと教えてあげたくなるから、明菜みたいな恋愛体質な女子には、こういう素朴な男子が本当はお似合いかも。

マイルドなセックス描写になっているけれど、恋愛ってやっぱりいいよねって刺激になる作品。しばし恋愛なんてしていない筆者としては、このときめきとかドキドキとか、忘れていたことが呼び覚まされた気がする。相思相愛になるってタイミングが重要なんですね。また恋愛したくなる、なかなかいいバイブルになりました。

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『3センチメートル 高まる鼓動を感じる距離』（SILK LABO）

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