特選AVレビュー『お嬢様とメイドの激情レズ　～復讐が生んだ因縁の果実～』（レズれ！）

ある日突然記憶を失ってしまった無垢な少女・栄川家令嬢の乃亜。その傍にはメイドの詩織が世話係として付き添っている。同じ年齢の2人はすぐに仲良くなり、乃亜は詩織の事を溺愛するまでに。しかし、そんな2人には決して拭えない過去があった......。
真咲南朋監督によるレズドラマ。古典的な少女漫画のような物語が展開される。舞台はクラシックな洋館。階段の掃除をしているメイド姿の詩織（塚田詩織）。ふと仕事の手を止めて見ると、窓辺の陽だまりで乃亜（栄川乃亜）が無邪気にシャボン玉を吹いている。そこに詩織のナレーション。「乃亜お嬢様に仕えて2年。世間知らずだけど心優しいお嬢様は私を姉のように慕い、いつも太陽のような眼で私を見つめるのです」。そしてメインタイトル、続いて〈第一章・お嬢様との日々〉のテロップ。缶詰の桃だろうか、シロップに入った果物を食べる乃亜。彼女は見た目は20歳くらいだが、精神年齢的には子どものようだ。桃を上手く食べられず、口の周りを汁だらけにしてしまう。

するとそれに気づいた詩織が近寄り、色っぽい眼で口の周りについた液を舌で舐めてやる。すると乃亜は「甘い？」と聞く。そして今度はわざとシロップを唇に塗ってキスを誘う。「困ったお嬢様」と微笑み口づけする詩織。そこからは華麗に舌を絡ませるレズキスとなる。高級なソファの上で繰り広げられる女の子同士のキス。スタジオの造りも豪華なので光も美しく、詩織も乃亜も芝居が上手く、レズキスもねちっこくイヤらしい。場面変わって夜、母親と深刻な調子で電話している詩織。どうやら彼女は、何か乃亜の秘密を知っているらしいことが匂わされる。さらに先の場面では、このところ靴など、乃亜のお気に入りの品が消えてしまうという事件が頻発することが語られる。詩織は「どうせお嬢様がまたどこかに置き忘れたのでしょう？」と取り合わないのだが、それにも何か謎がありそうだ。

そして物語は〈第二章・処女喪失〉へ。一緒のベッドで背中合わせに寝ている二人。「ねえねえ詩織さん、男と女のアレって、どうしてやるの？　気になって眠れないの」と訴える乃亜。「もう寝ましょう」とたしなめる詩織。そこで乃亜は昼間のように、今度は飴を取り出し自分の唇に塗り、キスをねだるのだ。「仕方ないわね」と応じる詩織。しかしそこからは詩織も決してメイドとして務めではなく、「可愛い、お嬢様、可愛いわ」と、女の欲望で貪欲に乃亜の身体を貪っていく。Jカップ爆乳で知られる塚田詩織と、ロリータボディの栄川乃亜による対照的かつ豪華なレズシーン。詩織は巧みなクンニと指マンで乃亜を何度もイカせる。

「私はありとあらゆることをお嬢様に教えました。お嬢様はすっかり性愛の虜となり、私を求めるようになりました」というナレーション。そうやって愛欲の日々に浸りきる二人に、ある日事件が。誕生日のサプライズをしようと詩織の部屋に無断で入った乃亜は、「どこかに置き忘れた」と言われていたお気に入りの品が、実は詩織の自室に隠されていたことを知る。秘密を知られた詩織は乃亜を全裸にしてベッドに拘束、「計画が狂ったじゃない。アンタが勝手に人の部屋に入るから」「私はアンタが大切にしてるものを、全部奪ってやろうと思ったのよ」とまさに人が変わったように悪辣な顔つきになるのである。

そこから回想シーン。乃亜も詩織も夏物のセーラー服姿だ。体育倉庫のようなところに呼び出された詩織はやぼったい眼鏡の少女。家も貧しかった。それに引き替え乃亜はお金持ちのお嬢様。高慢な態度で「アンタ見てるとイライラすんだよね」と暴力を振るい、ついにはモップの柄を詩織の股間にブチ込み、彼女の処女を奪ってしまう。しかしその後、理由は明かされないのだが、何らかの事故で乃亜は記憶喪失に。復讐の機会を秘めた詩織は、メイドとして住み込んだのだ。さあ、ココから詩織による乃亜への陵辱が始まる──それが凡庸なAVの展開だろう。しかし監督は真咲南朋、一筋縄ではいかない。ネタバレになるのでこの先は書かない。ただし、冒頭に
古典的な少女漫画のような物語と書いた。僕は吉田秋生の漫画を原作にした、中原俊監督による映画『桜の園』を思い出した。あの、中島ひろ子と白島靖代による名ラストシーンである。

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『お嬢様とメイドの激情レズ　～復讐が生んだ因縁の果実～』（レズれ！）

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