WEB SNIPER's special AV review.
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スナイパーAVレビュー!
舞台は戦時中の大陸。負傷した夫を抱えて逃避行を続ける母と娘は、山岳地帯にて本国兵の一団と遭遇、保護されるのだが......。初期FAプロの名女優、遠藤由真の熟れた肉体が、野獣達の為すがままにされながらも妖しく蠢く!(91年度作品) すべてのAVファンにとってFAプロ作品は必要なんです。
次から次へとデビューするS1専属の可愛いコは、なんだ結局はみんな同じチャプターの枠に押し込められて順にシリーズ物をやるのね、と飽きてきちゃうし、愛須心亜もどこのメーカーでもブルマ穿いて「お兄ちゃんヤメて!」ばかりだったら、どんなに好きな天下一品こってりラーメンもさすがに三日連続はゲップが出るだろう状態。
それら単体物で平日を過ごし、週末だけは酒を抜こう的に見るFA作品が、心と亀頭にキックをくれるんですよ。
FAは人気のつぼみや初美沙希や阿部乃みくなんかも起用する。お尻のUPから始まるような凡百のブルセラ物で見慣れた彼女ら人気キカタン娘が、FAポルノの場でどんなに新鮮に映えることか!
つまり美味しいとこ独り占めなんですよFA作品は。
そして、ヘンリー塚本監督作品の中心に位置するのが、これら戦争物。戦争を経験している70代だからこそ、毅然とした世界観から凄味ある映像をモノに出来るんですよね。同じ台本を渡されてもFAの若手監督には絶対この薫りは出せません。
この『懐かしきFAポルノ 戦争犯罪 レイプ 妻と娘』は1991年度の作品。
舞台となるのは1945年の中国大陸。ソビエト軍の満州侵攻から命からがら逃れた3人家族がいた。瀕死の傷を負った父を抱える母と娘は、山中で日本の"第177独立遊撃隊"の5人と出会う。彼らは日本政府によって派遣されたが、満州国首都陥落により孤立無援状態で山中を彷徨い、生きて日本に帰れる希望は捨て去っていた。
母役は当時のFAプロのエース女優・遠藤由真。壇れいのような気の強そうなイイ女です。娘役は木下美紀という豊満色白の純朴な三つ編みの似合う少女。この並びはたまりません。甲斐太郎を先頭とする遊撃隊の連中が野獣と化すにじゅうぶんな色香と肉体です。
重傷の旦那に「女房と娘を生きて祖国に帰したいだろ。足手まといになる、自爆死しろ」と手榴弾を渡し、女2人を手に入れた連中は、
「敵の山岳ゲリラに捕まって殺されるのは嫌だろ。俺たちの慰安婦になれ」
こうして母娘は生きるために、朝、昼、夜と彼らに身体を与え続ける。ヘンリー塚本がこだわる濃厚な接吻は、ここで観るとどれだけリアルなことでしょう。異国の山中での女体への渇望が、すべてこの接吻にある。この「渇望」は戦争を知らない若手監督に描けるとは思えない。
TMA作品にありそうなライトなミリオタ(ミリタリーオタク)AVなら、娘役の髪型をシーンによってポニテにもするのでしょうが、ここでは三つ編みを解きさえしませんからね。今後、新作で娘役を愛須心亜ちゃんで鑑賞できるかも、と思うと「萌え」の2文字が浮かぶのみです。
そして、哀れすぎる結末とともに、鑑賞後は「ヘンリー塚本作品」として打ちのめされているんです。
同胞に犯され、戦火の中、末期を迎える遠藤由真扮する母の気持ち。
"誇りも何も無くし、けだものに成り下がった友軍兵たち。その事実が、清子(母)には無性に悲しかった......。"
このテロップに、ヘンリー塚本しか語り継げない戦争の「真実」が集約されていると思う。
文=沢木毅彦
『戦争犯罪レイプ 妻と娘(FAプロ)』
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14.06.10更新 |
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