特選AVレビュー『人生いろいろ おっぱいいろいろ（FAプロ）』

女の人生の数だけおっぱいがある――。毒と色気満載のストーリーにのせて描かれる、様々な女の様々な人生模様とセックスの形。ヘンリー塚本監督一流のエロ・オムニバス作品。
FAプロの作品に出てくる女優というのは、一般的なAVに出てくる女優とはちょっと基準が違っている気がします。
何年か前、ヘンリー塚本監督にインタビューさせてもらったときに「キャスティングする女優さんを選ぶポイントは？」と尋ねたら「キスが美味しいこと。それからプライベートでの性体験に一癖ある子だね」というようなことを言ってました。そう、人気やルックスだけを重視してるわけじゃないんですよね。
おっぱいに関しても、それは同じ。
普通はかわいこちゃんの美巨乳が良しとされるものだけど、FAプロの場合は『人生いろいろ、おっぱいいろいろ』。大きくても小さくても若くても熟女でも、そこに卑猥なドラマさえあれば「みんな違って、みんないい」ってことになるわけです。
いやあ、素晴らしい。垂れ乳はダメだの熟女の乳首はグロいだのと言ってる輩に聞かせてやりたい！

というわけで、この作品。
まあ、実際に観てみたらそこまで"おっぱい推し"な内容ではなかったんですが(笑)、そんなことはどうでもよくなってしまうような「人生いろいろ」っぷり。
毛色の違う3本のドラマが収録されています。
どれもいいんですが、個人的には1本目の『目の不自由な女の乳房/二度目の父に吸われる娘の乳房』にドカンと打ちのめされました。なんというか、業の深さが飛びぬけてるんですよ！
ヒロインは、美しい熟女・セツ子（七海ひさ代）とその娘（塚田詩織）。夫と離婚し娘と2人でなんとか暮らしているセツ子は、あるとき男女交際専門誌に手紙を書き、娘と自分の面倒をみてくれる男を募集します。そこで純朴な農家の男と知り合い彼の住む田舎へ嫁ぐものの、なんとこのセツ子さん目が見えず、娘は口がきけないんですね。さらには横領の前科まで......。
驚きつつも「私たちは2人で1人の女なんです。だから2人であなたに尽くします。後悔はさせません！」と土下座までされ、男は母子を受け入れることに......。
男とまぐわった後、微笑みながら「夜は娘を抱いてほしい」と申し出るセツ子さん。それは男への媚なのか、それとも口のきけない娘を不憫に思ってのことなのか。いずれにしても逞しい。
夫に娘を抱かせる妻。美しい妻に満足しながらも娘の若い肉体にハマっていく男。義理の父とのセックスに激しい悦びを感じてしまう娘。
うーん、まさしく人生いろいろですね（実は本編を最後までくまなく観ると、さらに驚きの事実がわかってしまうんですが......それはネタバレになるので黙っておきます。いやあ、しかし女は恐ろしい！)。
また、母子役とはいえ、2人のタイプがまったく違うところがたまらないですね。
七海ひさ代さんは人気のアラフィフ熟女ですが、色白で服を脱ぐと30代にしか見えないセレブおっぱいの持ち主で儚げなタイプ。それに対して娘役の塚田詩織ちゃんは言わずと知れた爆乳娘ですが、服を着てるといい具合に野暮ったくて本当に「おっぱいと若いのが取り柄！」って感じ。
これは両方いきたくなっても無理ないでしょう。

ちなみに2本目は、麻薬で服役し半年ぶりに出所した女（高瀬杏）がシャバで久々のセックスに没頭する『性的不満の女の乳房』。3本目は、マッチョな夫と暮らしながらも義理の父とのセックスが止まらない人妻（鈴木ありす）を描いた『近親相姦で吸われる乳房』。
どちらもシンプルながら、ドラマティック&ハードボイルドなヘンリー節が炸裂した完成度の高い1本になっています。
ちなみに3本のドラマの後には、数分程度のカラミがオマケのように収録されているので、こちらもお見逃しなきよう。
レイプを描いた「力づくで吸われる乳房」、「未亡人の熟れきった乳房」、川上ゆうのコロンとした美乳首をひたすら吸う「乳首と乳房」、「せっぷん」、「押し入れで吸われる乳房」と、FAワールドにどっぷり浸れること請け合いですよ。

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『人生いろいろ おっぱいいろいろ（FAプロ）』

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