new adult video company INAZUMA!! システム打破! 新たな挑戦! 業界へのアンチテーゼ 新メーカー「INAZUMA」がキター!!【1】 取材・文=安田理央 「現役オペラ歌手 マスク着用で全裸出演承諾」 監督:工藤澪 女優:現役オペラ歌手 品番:INZM-503 価格:5250円(税込) 収録時間:135分 発売日:2008年12月5日 メーカー:INAZUMA |
システム化した業界に風穴を開けるべく、一癖も二癖もある監督たちがここに集結!! 今月5日に始動した、新メーカー「INAZUMA」。2009年度・最注目メーカーに安田理央さんが迫ります。
「システム打破! 新たな挑戦! 業界へのアンチテーゼ」と挑発的なキャッチフレーズと共に始動した新メーカー、INAZUMA。尻にこだわったフェチ的なハメ撮りでカルト的に支持されている実録出版率いる工藤澪と、ドグマから独立し精力的な活動をしている二村ヒトシという二人がタッグを組んだ話題のメーカーだ。
二人が目指すところはインディーズAVの原点回帰。監督が撮りたいものを撮り、それを見たい人に見てもらうというインディーズAVの本来の姿に立ち返ってみようという試みなのだ。
↑工藤澪監督。
INAZUMAに集結した監督は、工藤、二村の他に「依頼調教」シリーズなどで知られる大阪の南ジョウ、多くのメーカーで活動中のTAKE‐D、女流監督の真咲南朋(元・安藤なつ妃)、M系のヘリポビデオなどで活躍している鈴木助坊太、そして我らが(笑)小林電人など、一癖も二癖もある顔ぶれだ。
12月にリリースされた第一回目のラインナップを見てみよう。工藤澪は「現役オペラ歌手 マスク着用で全裸出演承諾」、二村ヒトシは「ザ・オナニズム 若林美保」「同 七瀬かすみ」、小林電人は「肛門羞恥人形」、南ジョウは「変態女医 羞恥ガス」「素人 オシリクラブ」、そしてTAKE‐Dは「INAZUMA GIRLS COLLECTION Vol.1 東野愛鈴」「同 Vol.2 彩花 ゆめ」の8本だ。
「素人 オシリクラブ」 監督:南ジョウ 女優:素人6名 品番:INZM-403 価格:4200円(税込) 収録時間:90分 発売日:2008年12月5日 レーベル:INAZUMA |
「INAZUMA GIRL’S COLLECTION Vol.1 東野愛鈴」 監督:TAKE-D 女優:東野愛鈴 品番:INZM-401 価格:4200円(税込) 収録時間:82分 発売日:2008年12月5日 レーベル:INAZUMA |
「ザ・オナニズム 七瀬かすみ」 監督:二村ヒトシ 女優:七瀬かすみ 品番:INZM-501 価格:5250円(税込) 収録時間:147分 発売日:2008年12月5日 レーベル:INAZUMA |
「ザ・オナニズム 若林美保」 監督:二村ヒトシ 女優:若林美保 品番:INZM-502 価格:5250円(税込) 収録時間:147分 発売日:2008年12月5日 レーベル:INAZUMA |
雰囲気としてはハメ撮りだ。二村がカメラを構えて女と話しながら、オナニーへと導いていく。女は常に二村=カメラを意識しながら、自分の肉体に指を這わせる。これはオナニーではない。セックスである。男が女に指一本触れないセックス。二村はカメラと言葉だけで女をジワジワと愛撫していくのだ。
女は興奮し、濡れ、セックスしたくてたまらなくなる。そして恐らく二村も勃起し、セックスしたくてたまらくなっているのだろう。しかし、それでも物質的な接触はなく、女はひたすら自分で自分を愛撫する。
普通にセックスしてしまったら、決して生まれない濃密な猥褻感。
これまで二村ヒトシがAVで追求して来たのは「女の発情」だった。二村本人も繰り返し発言しているが、二村の描く痴女は、実はいわゆる「痴女」ではなく「発情している女」なのだ。女が発情し、自らの興奮を高めていく姿を描いたのが二村の「痴女」だ。
あの異色作「もしも朝の通勤電車ががっついたベロキスをするカップルで満員だったら。」も、また「発情する女」というテーマに真っ向から挑んだ試みだった。「オナニズム」もまたその延長上にある作品だ。
極めてシンプルな内容にも関わらず、147分という長時間の最後までテンションが落ちることはない。
妄想世界を映像化することに定評のある二村ヒトシだが、ドキュメントの才能も秀でていることを証明した作品だといえる。
しかし、この「オナニズム」は他のメーカーでは撮ることはできなかった。ドグマから独立してから、S1やSODクリエイト、光夜蝶にハマジムと超メジャーからマイナーなメーカーまで撮りまくり、引く手あまたな売れっ子監督となった二村であり、本人も「撮りたいものを撮っている」と言っている。しかし、これらのメーカーで求められているのは、これまでの「二村ヒトシ」、痴女やふたなりでヒットを飛ばした、あの「二村ヒトシ」なのだという。
もちろん他のメーカーで撮っているものも、二村自身が撮りたいものである。しかし、それ以外の新しい試みとなると、どこのメーカーも尻込みしてしまう。二村ほどの売れっ子監督にしてもそうなのだ。それが今のAV業界の現状なのだ。
だからこそ、INAZUMAの存在価値があるわけだ。
放屁と尻肉への射精にこだわった南ジョウ、ギャルの着エロという新ジャンルに挑んだTAKE‐D、着エロ羞恥を追求する小林電人、そしてオナニーを描く二村ヒトシ。気がつけば工藤澪以外の作品にはセックスシーンが無く、「羞恥」をテーマにした作品ばかりとなった。もちろんそこには事前の申し合わせなどない。各自が撮りたいように撮ったら、こういう結果となったというのは興味深い。
(続く)
関連リンク
- INAZUMA - 公式サイト
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安田理央 1967年生まれ。エロ系ライター、アダルトメディア研究家、パンク歌手、ほか色々。主な著作に「エロの敵」「日本縦断フーゾクの旅」「デジハメ娘。」など。趣味は物産展めぐり。でも旅行は苦手。 |
08.12.27更新 |
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