web sniper's special AV review. WEBスナイパーAVレビュー 『追憶の二重奏(アタッカーズ)』 文=井上文 ピアノ講師の舞は、生徒・誠の自宅に訪問して指導を行う。誠の母親は数年前に他界しており、舞はその母親と似ていた。舞が服部家のピアノを弾くようになって、全員が舞と母親をダブらせ、異常なまでの愛を押し付けていく…。 |
「ピアノ講師の職についた磯崎舞(灘坂舞)は、生徒の誠がいる服部家に訪問して指導を行なうことになる/服部誠の母親・千華は数年前に他界しており、偶然にも舞はその千華と似ていた/舞が服部家のピアノを弾くようになってから、父親の健二、誠、千華の講師だった伊達は、舞と千華をダブらせ、異常なまでの愛情を押しつけていくのであった……」
どこか暗い家、どこか暗い家族、どこか陰のある伊達……。舞は、この家の中に入った途端、彼らの内部に渦巻く過去の記憶が脳内に流れ込むという奇怪な現象を体験し、登場人物たちの秘密を知っていくことになります。その記憶とは亡くなった千華と彼らとの禁断の関係です。現実離れしたストーリーと思われるかも知れませんが、演技と演出がしっかりしているので、妖艶なファンタジーとして抵抗なく楽しめます。
最初の山場は千華と舞を混同して伊達が舞を床に押し倒すシーン。混乱の中、伊達の記憶が舞の脳に流れ込み、それでも必死に抵抗して現実にしがみつく舞。少しずつ服を脱がされて白い豊満な肉体が露になっていく様子は緊迫感に満ちていますが、単なる暴力とは違うせめぎ合いがレイプシーンを非常にエロティックにしています。
そして中出しされてしまった舞が独り、裸のままで呆然としていると、そこに誠の父親の健二が帰宅して、舞に「千華……」と話しかけるのです。こうして続いていくレイプの連鎖が全体の流れとなっていますが、凌辱の仕方は一人一人でまったく違います。健二の場合は、拘束具や玩具を使ったアブノーマルな夫婦生活が再現されるのです。
ボールギャグを噛まされ、手首と足首を枷で繋がれたまま、全身をローターや電マで責められる舞。執拗な刺激にどうしようもなく反応してしまう身体が卑猥です。やがてイラマチオの果てに顔射された上、「昔みたいに綺麗に掃除するんだよ」とペニスについた精液を舌で舐め取らされて放置。そこへ誠が「お母さん大丈夫?」と現われて……。
伊達、健二、誠に凌辱された舞は、その後も他人の記憶の流入を受けて夢とも現実ともつかない世界でエロティックな体験を繰り返します。そして最後には、伏線がきちんと活かされた形で衝撃的なラストを迎えることになるのです。
演技、ライティング、脚本、映像、すべてにこだわりの感じられる、非常にしっかりとしたドラマ作品だと思います。カラミ以外の部分を退屈することなく(それどころかのめり込んで)観られるって、嬉しい……。本来当たり前なことのはずなのに、こういう喜びを与えてくれる作品は滅多にないというのが実情ではないでしょうか。そういう意味でも威力のある、AVファンがぜひ押さえておくべき作品だと思います。
文=井上文
『追憶の二重奏(アタッカーズ)』
発売日:2009/02/07
出演:灘坂舞
監督:コハク碧
収録時間:DVD 110分
定価:2,940円(税込)
商品番号:SHKD-355
メーカー:アタッカーズ
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井上文 1971年生まれ。SM雑誌編集部に勤務後、フリー編集・ライターに。猥褻物を専門に、書籍・雑誌の裏方を務める。発明団体『BENRI編集室』顧問。 |
09.02.16更新 |
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