| web sniper's special AV review. ＷＥＢ スナイパーＡＶレビュー 『婚約者の父親に見初められ淫靡の協定の餌食となった美人ＯＬ（GIGA）』 文＝安田理央 キャリアウーマンとして働く涼子。ある日、颯爽と歩き出勤している涼子を物陰から追う怪しい男がいた。その男は、過去に涼子が起こした事件の裁判で傍聴席にいた高桑だった。消し去りたい過去を持つ涼子には、深い谷底に堕ちていく運命が待ち受けていたのだった……。 |
きっちりとしたストーリーと演出がなされた作品で、ピンク映画っぽいなぁ、と見ていたら、なんとカラミのシーンでは見慣れたモザイクではなくボカシで修正しているじゃないですか。しかも、できるだけ修正を必要としないようなカメラワークで撮影しているんですね。テーブルや破れ襖越しに撮るなんて手法、今のＡＶでは考えられませんよ。
現在のＡＶのメインストリームは、設定のみを説明するだけでドラマや余計な描写は排除し、性器をギリギリまで見せる極小モザイク修正、そして接合部を出来るだけ見せる体位とアングルを追求したもの。つまりこの作品はそうした流れと、まるっきり逆を行っているんですね。昔はピンク映画として主流であった作り方が、今のＡＶではまるっきりオルタナティブなスタンスになっているというわけです。
パッケージには「女の羞恥に耐える様がお好きなお客様のみご購入下さい」と書かれています。そう、「女の羞恥」を楽しむには、極小モザイクも、よく見えるアクロバティックな体位も不要なのです。必要なものは、シチュエーションと会話と反応。羞恥を楽しむという観点から考えれば、露出度はさして重要ではないんですね。
個人的にも、最近のハードで露出度の高いＳＭ物ＡＶよりも、昔のにっかつロマンポルノのＳＭ物の方が、ＳＭ的には興奮すると思いますしね。この作品が狙っている路線というのは、すごく共感できます。
涼子の肉体を狙う中年男たちのいやらしい表情や、涼子の悔しそうな表情など、演出もしっかり生きていますね。ちょっとだらしない感じに熟れている涼子の身体つきも、リアリティがあっていいです。
モデルのルックスと過激度、露出度ばかりを追求してきたＡＶには、ちょっとついていけないなと感じているユーザーは結構多いと思うのですよ。こうした観点のＡＶ、これから少しずつ多くなっていくかもしれません。いや、そうなって欲しいなぁ。
文＝安田理央
『婚約者の父親に見初められ淫靡の協定の餌食となった美人ＯＬ（GIGA）』
発売日：発売中
出演者：中森玲子
収録時間：103分
価格：4,830円（税込）
商品番号：NRYO-09
レーベル：陵辱研究所
メーカー：GIGA
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安田理央 エロ系ライター、アダルトメディア研究家、パンク歌手、ほか色々。この夏、ついに四十代に突入ですよ。もう人生の折り返し地点かと思うと感慨深い。主な著作に「エロの敵」「日本縦断フーゾクの旅」「デジハメ娘。」など。趣味は物産展めぐり。でも旅行は苦手。 |
08.06.20更新 |
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