フェティシストが愛する名匠を訪ねて 第6回 工房はな 【3】代表・鼻直美氏&製作・島村喜作氏インタビュー後編
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フェティシストが愛する名匠を訪ねて 第6回
貞操帯・ボディアクセサリー 工房はな
【3】代表・鼻直美氏&製作・島村喜作氏インタビュー後編
写真=冨成鉄
モデル=もも
穴の位置もしっかり考えないといけないんですよ
島村さんは貞操帯を工芸品という視点で作っている。オブジェとしても成り立つような美しさも求めている。
「美しいけどいやらしい。いやらしいけど美しい。この二つを兼ね備えていないと興味がわいてこないんですよ。一回つけて、飽きちゃうようなものはいやだな。使わない時は、飾って眺めているだけで楽しめるようなものを作っていきたいですね」
一方、鼻さんは実用性にもこだわる。
「綺麗なだけじゃつまらないじゃないですか。ちゃんと使えないと。だからよく二人で衝突するんです(笑)。私は実際に使いたいんですね。貞操帯として考えるなら、ちゃんと排泄用の穴がないと使えない。穴の位置もしっかり考えないといけないんですよ」
実は昔の貞操帯は不潔なものだった。一度つけてしまうと排泄が上手く出来ないため、局部が不潔な状態になり化膿するが、自分の手では外せないために、最終的には死に至るという拷問器具(処刑器具)としての側面もあったらしい。
「でも島村さんはSMの趣味を持っていない分、固定観念がないんですね。二人で相談しあうと、また違った角度の答えが見えてくるんです」
この二人のバランスが、工房はなの大きな武器となっているのだろう。
実際につけてみないと鉄の魅力はわからないのだと、鼻さんは繰り返し言った。
「固い鉄と女性の柔らかい肌はミスマッチかなと最初は思っていたんですが、逆に女性の肌を映えさせるんです。デザインも女性の身体を美しく見えるようなものになっています。脚が長く見えるし、鉄のブラジャーも胸が小さい人でもかっこいよく見えるんですよ。ただ、サイズが合わないと魅力を十分に発揮できないんです。だからオーダーメイドにこだわっているんです」
工房はなでは、基本的にオーダーメイドで製作する。既製品もあるが、サイズなどはつける人に合わせて調整したいという。
「出来ているものを売りっぱなしだと、きっとクレームが来ると思うんですよ。合わないとかつけられないとかね。鉄だから、無理に合わせるというのが難しいんです。だからここに来てくれれば、サイズに合わせて調整しますよ」(島村さん)
「例えば女王様がMの人を連れてきて、『この子に合うのをちょうだい』って、選んで買って帰ってプレイする、みたいになるといいですね。デザインも一緒に考えて、一緒に試着してというところから楽しんでもらいたいですね。壊れたり、錆びたりしたら、持ってきてくれれば直しますよ。長持ちするものなのですから、最後までおつき合いしたいんです」
鉄の打ち出し作業は、なんと多摩川の河原で行なっているのだという。
「全部打ち出しで作ってるんだけど、最初このスタジオで作業してたら、すぐにうるさいってクレームが来てね。どうしようかと思ったら、ちょうど近くに多摩川が流れている。じゃあ、この河原で作業しようって(笑)。トーチバーナーで鉄を温めながら二人で作業してます」
のどかな多摩川の河原で、まさか貞操帯が作られているなどと思う人はいまい。
「でもこの間、通行人のおじさんにバレましたよ。『貞操帯を作ってるんだな。おお、こりゃきっと外人に売れるよ』なんていわれましたよ」
↑そして焼き打ちです。バーナーで熱しながら、金槌で叩き込み、模様をつけながら鉄板にカーブをつけて曲線を出していきます。 |
↑この作業は大きな音が出るので、近くの多摩川で作業をされるそうです。 |
↑そしてヤスリを使って断面を滑らかに仕上げます。まずは鉄のヤスリで。 |
↑仕上げは紙やすり。300〜600番台を使われるそうです。 |
↑最後にサビ止めと表面処理にスプレーをして……。 |
↑表面を磨きこんで出来上がり! パーツごとにひとつずつ、手作業でこのように作られているのだそうです。 |
本来は貞操を守るための道具であったり、拷問具であったりした貞操帯も、人の身体をより美しく見せるためのアクセサリーとして現代に甦ったのだ。
文・インタビュー=安田理央
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貞操帯・ボディアクセサリー 工房はな
| 安田理央 エロ系ライター、アダルトメディア研究家、パンク歌手、ほか色々。この夏、ついに四十代に突入ですよ。もう人生の折り返し地点かと思うと感慨深い。主な著作に「エロの敵」「日本縦断フーゾクの旅」「デジハメ娘。」など。趣味は物産展めぐり。でも旅行は苦手。 |
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