有末剛といえば『花と蛇』、読者の皆様にはそんな印象があるかもしれない。だがそのキャリアは30年以上に及び、また近年は様々な分野のアーティストたちとのコラボレートでも名高い。決して斯界にこだわらず活動の幅を広げる有末剛、その緊縛師としてのスタイルとは。 |
マゾヒズムに潜む負のエネルギー。
打ち克つために必要なものとは。
有:それで俺がいつも思うのは、どんな激しいプレイを受けてきたとかさ、そういう人いるんだけど、普通のノーマルなセックスで快感を覚えるってことない人たちなのよ。そこまでするのが大事なんだよってとこまでいかないと。
――彼女たちのそうした部分まで含めたケアをされているんですか。
有:そういうわけにもいかないでしょ(笑)。だからいずれだんだん離れていくよね。こいつとなら心中してもいいってほどの女なら話は別だけど。精神病はホントにコッチも影響されるからさ。だからね、それに打ち克つだけの胆力をつけることが大事なわけだよ。すごい負のエネルギーを持ってるから彼女たち。だから陽のパワーですごいのをくっつけとかないと。
――有末さんは彼女たちに負けない陽のパワーを持ってるということですね。
有:そうなんだろうね。ものすごい健全に育ってきたんだろうね(笑)。でも昔ね、俺、ビデオの監督もしてたんだけど、毎日毎日女の子の面接してて、ある日いきなりトイレで吐いちゃったの。いきなりだよ。やっぱりさ、毎日食べるなら御飯に味噌汁だよ。でSMってのはフランス料理なの。そこがすっごく大事なの。俺たちはさ、毎日毎日フランス料理を食べるハメになるわけじゃない。するとさ、脂肪が溜まったりするわけだよ、肝脂肪みたいに(笑)。肝脂肪ならわかるんだけどさ、脳の傷なんていうのはあんまり訴えないの。ホントにダメになる瞬間にだけ、ダメだ!って訴える。それまで結構我慢強いんだけど。もうそうなるとさ、ダメ(笑)。俺、一年くらい海でボーッとしてたことあるから(笑)。
(続く)
インタビュー=編集部・五十嵐彰
※この記事はS&Mスナイパー2006年1月号に掲載された記事の再掲です。
有末剛 プロフィール=1954年生まれ、70年代よりSM誌全般で緊縛師として活躍。にっかつロマンポルノやVシネマ、アダルトビデオの世界でもその才を発揮。特に最近では杉本彩主演の映画『花と蛇』での調教師・鬼源役など幅広く活動する、斯界でも稀な緊縛師である。
関連リンク
有末剛公式サイト・有末流一門会=http://www.arisue-go.com/
関連情報
緊縛教室・有末剛の夜の学校
開催日:原則 毎週土曜日 20時〜23時
会場:都内某所
参加費 男性:10000円 女性:5000円
※授業は全て基礎から、マンツーマンです。縛られたい女性用に、コスプレの貸し出し始めました。麻縄はお貸しいたしますので、初心者の方でも大丈夫です。受講希望の方は、こちらarisuego@gmail.comまで。なお完全予約制となります。 少人数制で行なっているため、その日の定員に達した場合、締め切らせて頂く場合があることをあらかじめご了承ください。