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咲きほころぶ踊り子たちの肖像 舞姫爛漫  第4回「卯月朱美」【1】

写真・文・インタビュー=インベカヲリ★ モデル=卯月朱美

ストリップ劇場でのストリップショー。黄金時代は過ぎたといえ、根強いファンはいまも劇場に通っています。そして踊り子たちもまた踊り続けているのです。そんな彼女たちの姿を追う「舞姫爛漫」、第4回となる今夜からは卯月朱美さんの登場です!

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負けるもんかって思いましたね。
もうこの世界長いんで、簡単に辞めようなんて思いませんよ。


逮捕・幼少期

卯月朱美は、公然わいせつ罪での逮捕歴がある。劇場に警察が入り、劇場のオーナーはもちろん、照明やスタッフ、そしてストリッパーとしては卯月朱美ただ一人が連行されたのだ。7人もの踊り子さんがステージに上がっている中で、他の踊り子さんは事情聴取だけで済み、卯月さんはなんと10日間もこう留された。

「負けるもんかって思いましたね。もうこの世界長いんで、簡単に辞めようなんて思いませんよ。私は厳しい環境に立たされると反骨精神が湧いてくるんですよね。障害があると燃え上がる。だからストリップに戻ってきたんです」

お客さんは喜んだ。「また戻ってきてくれてありがとう」みんなが口々にそういった。


ストリップという商売は、陰部を見せるという点で公然わいせつ罪に当たる。警察の摘発が入るかどうかは基本的に運でしかなく、そのときにたまたまステージに上がっていれば逮捕されることも有り得るのだ。それを承知で仕事を続けるのは、ストリッパーという職業に誇りを持っているからであろう。人に迷惑をかける職業ではないのに、「法律で決められている」という理由だけで捕まるのは納得できない、そう思っている踊り子も多いはずだ。だがしかし10日間も留置所に閉じ込められていれば、普通はへこたれてしまう。「10日間、どう過ごしていたの?」そんな質問を投げかけてみた。

「オバケの本が大好きなんですね。普段だと夜に一人でオバケの本を読むなんて、怖くてできないんですよ。でも私の入ってた留置所は3人部屋で、隣にいつも人がいる。おまけに監視の人が見回りまでしてくれますからね。この中でなら怖い本を読んでも怖くないぞって(笑)。だから素晴らしく怖い本を差し入れしてもらって、安心できる環境でいっぱい読みました」

卯月朱美は強かった。厳しい立場に立たされたとき、プラスの発想で乗り切ることなど簡単ではない。そのド根性は、小さい頃の家庭環境に起因しているようだった。

「小学校低学年の頃、学校に通ってない時期が数カ月あるんですよ。家のごたごたで通えるという状況ではなくて。それまでも家の都合で転校ばっかりしてたし。学校がどうこうなんて考える余裕はなくて、家庭環境の変化についていくので精一杯。いつの間にかお父さんがいなくなって、気付いたら母子家庭。子供ながらに大変でしたよ」

母親は仕事で忙しく、子供を構う暇はなかった。小さい子供が母親に相手にされないと、寂しさでフラストレーションがたまり、悪さをするようになる。幼少期の卯月朱美は、当然のように悪ガキに育った。

「小学校低学年の頃はピンポンダッシュしたり、イタ電やりまくりですね。普通だったら子供は夜に外へ出歩いたら怒られるじゃないですか。でも母は昼も夜も働いていていないから、やりたい放題なんですよ。区役所の池に入って鯉を捕まえたり、夜の公園でカップルにちょっかい出したり。小6になると学校へは行かなくなりましたね。家を出てそのまま公園に向かって遊んじゃう。あとは仮病使って保健室で寝てたこともあったし」

当時、母子家庭は珍しく、片親というだけで特別視される時代だ。劣等感を感じていた卯月朱美は、同じような片親の子を見つけて仲良くしていたという。

「父親のいない子と一緒に夜遊びをしてたんですね。ところがその子は、実は母子家庭じゃなくて、父親が単身赴任で海外に行ってただけだって判明して。帰ってきたとか言われて、寂しいしむかつきますよね。なんか裏切られた気分というか。しかも『今より綺麗なマンションに引っ越すんだー』なんて言われた日にはね、コノヤローって!『お父さんがこんなお土産かってきたの』って見させられて、腹が立った記憶がありますね」

卯月朱美は父親に甘えるという経験をほとんどしていない。父親のいる家庭に激しくコンプレックスを抱き、その感情は今も変わらずに残っている。

「男の人に甘えるのが上手い子を見ると、イラっとするんですね。なんでだろう?って考えたら、そういう子の家庭環境を聞くと、末っ子でお父さん子だったり、兄弟が多くてお父さんの取り合いをしてたという子だったりするんですよ。そういう子は、子供の頃から父親に甘える経験をつんでるから男性に自然と甘えることができるんでしょうね。私は変につっけんどんになっちゃって、まったくブリっ子ができない。上手くやってる子からすれば『ものを頼むときは、もっとやんわり頼まなきゃ』とかいう言い方をするんでしょうけど」

そんな卯月朱美の中には、3歳の自分「うぴたん」が眠っているという。うぴたんは、損得勘定で大人に近づくような知恵を持っていない。まだ痛い目にすらあっていない赤ちゃんなんだそうな。付き合う男性が現れたとき、突然うぴたんは表れ、恋人ではなく父親であることを要求する。トイレに行くときもドアの前で待っていて欲しいと駄々をこねる。赤ちゃんをあやすように接してくれないと嫌なのだ。

「だからファザコンなんですよね。3歳のときに甘える経験ができなかったから、その時期で止まってるんです。それはわかってるんですよ。でもとにかく大人にならないといけないんで、そういう人をみつけて(笑)」

わかっていて、自分の中の「うぴたん」を開放しているところが大人だ。

(続く)



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uzuki_akemi.jpg
Uzuki Akemi x Inbe Kawori★

卯月朱美
林企画所属。2001年2月1日に新宿TSミュージックにてデビュー。女性らしい淑やかな雰囲気とは対照的に、BGMを消して行なわれる扇情的なオナニーベッドは、その大胆さとストリップとは思えぬリアルな演出があいまって多くのファンから支持されている。
撮影=インベカヲリ★
モデル=卯月朱美

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あけ うえぶ

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インベカヲリ★ インベカヲリ★ 東京生まれ。編集プロダクション、映像制作会社勤務を経てフリー。写真、文筆、映像など多方面で活動中。著書に「取り扱い注意な女たち」。趣味は裁判傍聴。ホームページでは写真作品を随時アップ中。

インベカヲリ★ http://www.inbekawori.com/

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08.02.09更新 | WEBスナイパー  >  インタビュー