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毎週土曜日更新! The dancing girls are in full bloom at their best.
咲きほころぶ踊り子たちの肖像 舞姫爛漫  第3回「颯輝」【4】
写真・文・インタビュー=インベカヲリ★ モデル=颯輝

ストリップ劇場でのストリップショー。黄金時代は過ぎたといえ、根強いファンはいまも劇場に通っています。そして踊り子たちもまた踊り続けているのです。そんな彼女たちの姿を追う「舞姫爛漫」、第3回“SM班”の新人、颯輝さんの最終回です!

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自分に残された時間を大事にして
出来ることをいっぱいやっていきたいですね

エックスジェンダー

颯輝さんは、自らをエックスジェンダーだと話す。

「昔、自分はもしかしたら男かもしれないと思っていた時期があって。性同一性障害という病気があることを知って、色々考えたんですけど。でも自分はそうではなく、中性的になりたいんだなってことに気付いて。そういう人達はエックスジェンダー、もしくはトランスジェンダーっていうらしいんですよ。戸籍や肉体は変えなくても、要所要所で男性や中間の性になりたかったり、それを望む人がいるんです。私はたぶんそれですね。軽度の性同一性障害です。一時期はそのことで悩んでいましたけど、劇場の仕事をするようになってから踏ん切りがついたというか、しばらくはこのままでいようと思うようになりました。ただ、出来る限り男性の肉体に近づけたいなと思いますけど。筋肉ムキムキになりたいんです。本当は男性ホルモンを打ちたいんですけど、ものすごい異臭を放つって聞いたんですよ。男性の持つ体臭と女性の持つ体臭が混ざるらしくて。劇場の仕事では支障をきたすので、今は諦めています。それをやるのは、40歳や50歳でも遅くないし」

小学校の頃から、服装は半ズボンにシャツ。女の子と手をつないで遊び、友達以上の感情を抱いていたという。そして、男はまったくの恋愛対象外。

「興味ないですね。恋愛対象は完全に女です。高校時代からずっと付き合ってる女の子がいて、その子も対象は本当に女の子だけなんですよ。『流血とかやるんだったら、金輪際付き合いたくない』って言われてて。一緒にホテルとか行くのはいいけど、絶対変なプレイとかしないでねって。なんか持ってこないでねって。よく怒られましたね(笑)」



要領良くスイスイとやりたいことに突き進む颯輝さん。しかし、裏ではものすごい練習を積み重ねているのがストリップの世界だ。

そう考えるようになったのには理由がある。冒頭で話したように、颯輝さんは循環器系が弱い。若くして重い病気を抱えていくというのは、確実に人生に影響を与えることになる。

「高校時代からオカシイなって自覚はあったんですよ。急に脈が速くなって、立っていられなくなっちゃう。でも酷くなったのはここ最近ですね。今は検査中なので、場合によってはそれなりの処置をしなくてはいけないんですけど。これは祖母も持ってる病気だから、やっぱり遺伝ですよね。隔世遺伝のおまけだと思います」

一瞬でも感じた死の恐怖。それに対してどう思ったのだろうか。

「自分の人生をより考えるようになったというか、よりひねくれたというか。悩みましたね。死ぬ覚悟というか、自分が死んだときに変な性癖がばれるようなものは残したくないなと思いました。「S&Mスナイパー」とか、今まで買い揃えたロープとか劇場で使うロウソクの束とか。その他もろもろ、レズビアン雑誌とか。祖母にばれるのはいいんですけど、顔を合わせたことのない遺族とか、親戚には見つけられたくない。世間の目は厳しいですから、『こんなことやってるから心臓発作を起したんだ』とか言われそうですからね。実際、母からも冗談で言われたんですよ。『アンタ、女の子とばっかり遊んだり、酒飲んでタバコ吸ってばっかりだからカラダおかしくなるんだよ』って。変なことやるから変な病気になるって考え方は、自分の中では傑作だなと思ってるんですけど(笑)。でもある意味正論かなと、自分の中でだんだん思えてきたりして。変なことをやる分、おまけがついてきたから。特殊なことやるっていうのはそれなりにリスクがあるわけじゃないですか。たまたま私の場合は、病気という形でポンとついてきたという。でもそれからは、一日一日を大事にしようと思うようになりました。好きなこと、興味のあることをやっていきたいです」




そんな颯輝さんは現在、憧れの存在だという早乙女宏美さんの下でお手伝いなどをしている。

「早乙女宏美さんが書いた『「奇譚クラブ」の人々』を読んでいて、こういう世界を紹介できる人ってすごいなあって思っていたんです。切腹ショーの写真とかを見て、憧れの存在であり、神だったんですよ。私なんかが一生関われない人だと思っていたんですけど、『紅薔薇座』をきっかけに知り合うことができたんです。私が三島由紀夫の世界が好きだとか、切腹が好きだって話をしたら面白いって言ってくれたんですね。SM大会の楽屋にもよく遊びに行かせていただくようになって。早乙女さんは劇団にも参加されているので、今は不定期で雑用を手伝ったりしています。私は本当に業界の下っ端なので、神である早乙女さんの側にいられるなら嬉しいです」

この先、彼女はどこへ向かうのだろう。ちょっと想像つかないが、持ち前の行動力で何か面白いことをしてくれるに違いない。颯輝さんは自分を「男っぽい」と話すが、私にはとてもピュアで純潔さが魅力の女の子に感じられた。そのギャップがよいのかもしれない。



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Satsuki x Inbe Kawori★

颯輝
乱田舞氏主催「DX歌舞伎町」で行なわれた新人発掘オーディションへの参加をきっかけに劇場デビュー。最近は紅薔薇座の興行にサポートとして加わることがあるとのこと。また早乙女宏美さんに心酔しており、彼女のお手伝いなどをしたりしているとか。
撮影=編集部
モデル=颯輝

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インベカヲリ★ インベカヲリ★ 東京生まれ。編集プロダクション、映像制作会社勤務を経てフリー。写真、文筆、映像など多方面で活動中。著書に「取り扱い注意な女たち」。趣味は裁判傍聴。ホームページでは写真作品を随時アップ中。

インベカヲリ★ http://www.inbekawori.com/

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08.02.02更新 | WEBスナイパー  >  インタビュー