world wide fetish journal on WEB sniper. 毎週木曜更新! 欧米フェティッシュ・ジャーナル Fetish journal 【10】フェティッシュ・アセンブリー 取材・文= アニエス・ジアール フランシス・ドゥドブラー 翻訳=牡丹 |
「S&Mスナイパー」本誌でおなじみの在仏カウンターカルチャー専門ジャーナリスト、アニエス・ジアール&フランシス・ドゥドブラー。親日家でもあるお2人が、世界のフェティッシュ事情をお届けします! フランスのフェティッシュ・シーンにおいてフランシスは最重要人物の1人なのですが、ベルギー人であるフランシスは母国への複雑な思いを抱えているようです。
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ベルギーでは、よくこういうことを言われる
「目立つな」「身の程をわきまえろ」「気をつけろ、隣人が見ているぞ」……
「目立つな」「身の程をわきまえろ」「気をつけろ、隣人が見ているぞ」……
フランシス・ドゥドブラーはベルギーを離れたとき、故郷の人達に自分の成功を見せつけてやることを心に誓った(ただし、別の場所での成功を)。
ベルギーでは、よくこういうことを言われる。「目立つな」「身の程をわきまえろ」「気をつけろ、隣人が見ているぞ」……。とても因習的な考え方。
そんな訳で、多くのベルギー人が表現したり才能を表す為に自らパリへ行くことになる。ジャック・ブレル、アンリ・ミショー、マルグリット・ユルスナール、アメリー・ノートン、レーモン・ドゥヴォス、ジョルジュ・シムノン、エルジェ、フランカン、ジョニー・アリディ、等々(訳者註を参照)。 最も良く知られているベルギー人は皆、フランスで有名になっている。フランス人に感謝を……。
フランスでとても有名になるという、全く同じ現象がある特定の日本人にも起こる。水野純子、市場大介、丸尾末広、佐伯俊男、等々。日本では、「斬新」過ぎる漫画家は簡単には認められない。フランスでは反対に、とても評価が高い。フランスという国は、因習に逆らう芸術家を愛する。
右/メラニー:彼女はインダストリアルロックのバンド「AGAPESIS 」のボーカルです。このバンドはまったく有名で、「フェティッシュ・アセンブリー」でギグを行ないました。AGAPESIS: THE NEW ALBUM OUT IN NOVEMBER 14 th,2008 - MySpace
フランシス・ドゥドブラーがフェティッシュ・パーティ「la Nuit Elastique(柔軟な夜)」、「デモニア」、を立ち上げると、フランスで有名人になった。今やフランシスがベルギーに行くのは、墓場に行くような感じだという。
毎回、フランシスは私にこう言う。「ここでは何にも起こらないんだ。みんなテレビをみてるよ。この40年間、ロック音楽で踊ること以上のことは知らないんだ。古くさい考えだよ」その事実が、フランシスを苦しめている。
右/カーラデビル:彼女はラバーの衣装を修理します。また自分のラバー衣装も自分で作ります。
2回に1回、フランシスは「フェティッシュ・アセンブリー(フェティッシュな集い)」をブリュッセルで開催する。首都では、他のフェティッシュパーティは特に見あたらないのだ。ドミナ(女王)のサレムが船上パーティを定期的に開催しているけれど、それにしたって、たったの100人しか集まらない。「フェティッシュ・アセンブリー」だって300人しか集まらない。
フランスで開催する時とは比較にもならない。
フランシスは、ベルギーでの開催をきっと止めるでしょう。私もこんな気分になるのはもう充分。2008年9月27日、フランシスは私に言った。「(ベルギーでフェティッシュパーティーが開催されるのは)この次が最後かもしれない、僕が止めた後は。どうして、楽しみの邪魔をする奴らと闘わなきゃなんないんだ?」
右/アニエス・ジアール
パーティの間、これが最後かもしれないと思いながら写真を撮っていた。
私が写真におさめたのはほとんどがフランス人ばかりだった。フランス人は皆楽しんでいた。他の人たちは……踊ってもいなかった。なぜって、ロック音楽しか知らない人たちだから。
フェティッシュ・アセンブリー : http://www.fetish-assembly.com
フェティッシュ・アセンブリーのフライヤーには、(早川)舞が載っている。フランシスは、この3年間『ラ・シオラ』の舞の写真を撮り続けている。とっても美しい写真。このパーティに300人も集まったのは、この写真のおかげかもしれない!
文=アニエス・ジアール
<訳者註>ジャック・ブレル:ベルギー出身のフランスのシャンソン歌手 ウィキペディア参照
アンリ・ミショー:ベルギー生まれのフランスの詩人・画家 ウィキペディア参照
マルグリット・ユルスナール:ベルギー出身のフランスの小説家 ウィキペディア参照
アメリー・ノートン:ベルギー出身の小説家 ウィキペディア参照
レーモン・ドゥヴォス:ベルギー出身のフランスのコメディアン ウィキペディア参照
ジョルジュ・シムノン:ベルギー出身のフランスの小説家 ウィキペディア参照
エルジェ:ベルギー出身のBD(フランスの漫画)作家
フランカン:ベルギー出身のBD(フランスの漫画)作家
ジョニー・アリディ:ベルギー出身のフランスの歌手 『フランス映画通信 【French Mania】』参照
関連リンク
フェティッシュ・アセンブリー : http://www.fetish-assembly.com
Mai's SM counseling -マイのSMカウンセリング-
アニエス・ジアール - AGNES GIARD - 1969年生まれ。カウンターカルチャー専門のジャーナリスト。S&Mスナイパーにて “Fetish News Express” 連載。 フランシス・ドゥドブラー - Francis Dedobbeleer - 1961年生まれ。写真家。フランス最大のフェティッシュ・パーティ “la Nuit Elastique” オーガナイザー。 アニエス・ジアール=LE SEXE BIZARRE - Le site du livre |
09.02.05更新 |
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