world wide fetish journal on WEB sniper. 毎週木曜短期集中新連載開始! 欧米フェティッシュ・ジャーナル Fetish journal 【9】ヴィクター・サンチェス 取材・文= アニエス・ジアール フランシス・ドゥドブラー 翻訳=牡丹 |
「S&Mスナイパー」本誌でおなじみの在仏カウンターカルチャー専門ジャーナリスト、アニエス・ジアール&フランシス・ドゥドブラー。親日家でもあるお2人が、世界のフェティッシュ事情をお届けします! 昨年、バルセロナにて、日本のエロティックアート展のオーガナイズをしたアニエス。そこで出会ったベルギー人画家、ヴィクター・サンチェスを紹介します。
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ヴィクターと奥さんは「ゆったりと」SMを嗜んでいる
この世代のベルギー人は、横になって部屋の中で楽しむのが好きなのだ
この世代のベルギー人は、横になって部屋の中で楽しむのが好きなのだ
6カ月前、バルセロナにあるアートギャラリーが私に日本のエロティシズムに関わる展示をオーガナイズできるかどうか訊ねてきた。オファーを引き受けて、アーティストをギャラリーに紹介した。9人は日本人、2人はフランス人で、1人はスイス人だった。4人目の日本人ではないアーティスト(ベルギー人)、ヴィクター・サンチェスは決まってからすぐにそのギャラリーの展示会に加わった。
私はその選択に少々驚いていた。というのも、ヴィクターのスタイルが全然気に入ってなくて、しかも日本についてのレポートも大してなかったからだった。
ヴィクター・サンチェスは、写実的でアカデミックな裸体を、従順な熟年の老化の兆しを見せ始めた身体の絵画を描いている。豊満な腰、垂れた胸、浮き出た骨、皺の寄りだした顔。
ヴィクターもまた、太っている。全てのベルギー人がそうであるように、ビールのせいでお腹が出ている。だから、お腹を隠すために袴を着ている。ヴィクターと奥さんは「ゆったりと」SMを嗜んでいる。この世代のベルギー人は太っていて優しくて、横になって部屋の中で楽しむのが好きなのだ。この夫婦は、自分たちの子供が秘密を暴くことをひどく恐れている。けれども、いつかは自分たちの子供が同じパーティにいるだろうということはわかっている!
私? 私はいつだってヴィクターの絵は全然気に入らない。けれども、ヴィクター・サンチェスが社交界にかかわるのを見ているのは好きだ。ヴィクターは現実を描き、それが気に入っている。しかし現実を、より美しくしようとはしないのだ。
文=アニエス・ジアール
関連リンク
ヴィクター・サンチェス : http://www.victor-sanchez.be
フェティッシュ・アセンブリー : http://www.fetish-assembly.com
アニエス・ジアール - AGNES GIARD - 1969年生まれ。カウンターカルチャー専門のジャーナリスト。S&Mスナイパーにて “Fetish News Express” 連載。 フランシス・ドゥドブラー - Francis Dedobbeleer - 1961年生まれ。写真家。フランス最大のフェティッシュ・パーティ “la Nuit Elastique” オーガナイザー。 アニエス・ジアール=LE SEXE BIZARRE - Le site du livre |
09.01.29更新 |
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